イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

ノラガミ-ARAGOTO-:第2話『彼女の思い出』感想

二話にしてノラガミのクソ鬱エンジンはフルスロットルだぜーーー!!!! というお話。
いやマジでね、もう少しクッション挟むと思いきや、雪音くんは初めてのお友達に舞い上がるわ、そのお友達の哀しいエピソードが披露されるわ、犬に喰われるわ、毘沙門一家は崩壊寸前だわ、悲劇のピースがそこかしこに。
『出だしから行く、全力でだ……』という感じのノラガミ加減であり、少しお腹痛くなっちゃった……。

『奪うためにはまず与えるべし』というのはシグルイ理論ですが、今週の雪音くんがまさにそれで。
新しい友達ができた! とはしゃぐ姿も、それを優しく見守る周囲の人々も全て切り崩すためのトラップになっているという、巧妙かつ酷い流れでした。
ただ悪趣味に『良いもの』を与えて奪っているわけではなく、鈴巴との友情や彼の物語から学んだことは本当に『良いもの』だし、それをきっかけに成長が止まっているはずの雪音が変化できているのも事実ってのが、本当にヘヴィ。
大事に守っていかなければいけない『良いもの』が、自動的に大きな不幸を連れてくるという神子システムは、本当に良く出来たクソ鬱エンジンやで……。

鈴巴のエピソードは、永世者と常人の時間的落差と、消去される記憶の合わせ技で、凄く良く出来ていた。
雪音とヤト、両方にとって大きな支えになっているひよりにしっかり絡めて使う所が、なかなか計算高い。
ひよりはあまりに完成度が高いヒロインなので、『この子が潰されたら、もうダメだろうなぁ』という想像がすぐ浮かぶ所が、巧い作りだ。


死後の生もあんまり良いことなく消えてしまった鈴巴ですが、その責任者たる毘沙門さん家は人数多すぎて破綻寸前だった。
いやー、自分の器を超えた善意ってのも、なかなか人を傷つけるもんだね!!
……陸巴が火種をボーボー燃やさなきゃここまで酷くはなっていないと思うけど、無条件に救いすぎた毘沙門様が呼んだ必然でもあるよね、アレは。
逆説的に、雪音を無言で背負って障りも引き受けたヤトの、不器用な誠実さが浮かび上がってくる展開でもあるな、コレ。

死霊は別に天使でもなんでもないので、超自然的な存在といえども感情や人間の業から離れるわけに行かない。
むしろ感情の変化がそのまま身体的変化に直結してしまう障りのルールがある以上、人間だった時代よりも人間関係や感情の整理は大事になる。
性善説を無邪気に信じて死霊を囲い込みすぎた毘沙門が、巧妙に真意を隠しながら火種を巻きまくる陸巴に良いようにされるのはある意味道理なんだが……むかっ腹が立つぜ。
殺す前に鈴巴に絶望を与えておいて犬の餌にすることで、毘沙門を刺した犯人を消滅させて内部崩壊を加速させる所とか、手慣れすぎてて吐き気するね、アイツ。
毘沙門のところの福山メガネは善人だし有能でもあるんだが、敵は厄介だし状況は悪いし、荷が重い。
セーラー服神器の髪とか、露骨にいじめの伏線だしなぁ……ここはカンボジアか! と言いたくなるくらい、情緒的地雷が埋まっている毘沙門ハウスであった。

雪音とのやり取りでちょっと大人っぽいところを見せたヤトだが、なんか限界っぽい描写もあり、先行きは不安。
おまけに陸巴が罪をなすりつける気マンマンであり、毘沙門様脳筋だからほぼ確実に引っかかるだろう。
既にブルンブルン言ってるクソ鬱エンジンに、更にニトロが積まれそうな気配満載のノラガミ
いやー、どうなっちゃうんだろうね!
……雪音、可哀想だなぁ……。