イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

ノラガミ-ARAGOTO-:第3話『イツワリノ絆』感想

不幸と悪意が連鎖して、どんどん地獄にまっしぐら!!
ノラガミ二期第三話は、クソみたいなクソ神器の思惑通り哀しみが連鎖して新たな哀しみを呼び、事態がどんどん悪化していく胃の痛い展開でした。
いやー、雪音くんに真実が伝わってからの地獄の連鎖、スピード感あったなぁ。

楽園に見えた楽しい毘沙門一家でしたが、キャパシティを超えた人数に管理は行き届かず、いじめは横行しバカは一部で独走。
獅子身中の虫は自分の陰謀が思い通りにゴロゴロ転がって、愉悦部バリのいい顔で楽しそうにしてました。
毘沙門様が善人のバカなこと自体はいい事なんだが、性善説を前提に組織を作った結果穴が開きまくってて、そのフォローを全部メガネが背負っていたところに、悪意の塊がやってきた結果かなぁ、これ。
ほんと陸巴一人勝ち状態が続いていて、ストレスがマッハですわ。
アイツはこう、無残に死ぬだけではなくもっとこう……こう……。(苛々が巧く言葉にならないマン)

脳筋ゴッドの直結加減&隠蔽体質が、事態がここまでズブズブになった大きな理由だと思うけども、それをフォローしてたメガネが外れたことで、毘沙門側の破綻は更に近づいたといえる。
ヤトとの因縁を周囲に説明しないまま『殺す!!』一本槍で襲いかかってくる毘沙門と、ご主人大事で過去の事情を説明しないメガネの相性は、実は悪いのではないかと思わざるをえない。
そんだけ直情径行だからこそ、メガネが色々歩きまわって調整せざるをえず、結果として雪音と縁ができて今回の大惨事ってのは、濃厚なカルマを感じるぜ。
メガネが悪いわけではないというか、アイツいいやつなんだけどなぁ……毘沙門さん、やっぱ器以上のものを抱え込みすぎたよ。
悪意を煽り事態を悪化させまくってる陸巴が、一番悪いけどな、勿論。

雪音くんが言っていたように、『善意で運営していた天国が、実は地獄だった』って所しか正直見えない毘沙門サイド。
しかし彼女の過剰な善意に救われた人もいるはずであり、というかいてなお自分勝手な業が顔を出してくるのが、この世界のルールってところか。
死んでもエゴが無くなるわけじゃなし、死霊になっても神器になっても、薄暗い想念が人を害するのには違いがない、酷くハードなルール。
ヤトメインで進んでいた間は見過ごされていた毘沙門のヌルさが、彼女が主役になって一気に表面化したってところなのかなぁ。
ほんと厳しいお話ですが、ただ厳しいだけでは終わらせない希望見たいのがある所が、このアニメの好きなところです。
そこに行き着くまでは、ほんとお腹痛いけどね見てて。。


雪音少年が砂上の楼閣を崩す決め手を打ってましたけども、ありゃあしょうがない。
言ってることは全部本当だし、本当だと思えるよう、鈴巴絡みのエピソードは叙情的かつ印象的に描かれてたしね。
平和で楽しそうなヤトサイドが強調されればされるほど、ズタボロな毘沙門サイドの闇は濃くなるし、友達だった鈴巴を伝って曇りが伝染してくると、ヤト側も薄暗くなってくるというね。
神様と神器のシステム自体が相当に暗いので、楽しいヤト一家の描写自体が例外的なものかも知れんけども。
一期では家庭内のスレ違いで、終始ドン曇り状態だったしな、ヤト一家。

とは言うもののの、一期で色々あった結果雪音くんが素直になったので、今回の曇り方は比較的安心して見てられた。
ヤトも相変わらず不器用だけど、ちゃんと雪音のこと気にしてるしなぁ。
痛いところ突かれて即座に発砲する脳筋ゴッドさえいなければ……と思わなくもないが、余裕がなくなるように動いている陸巴もしっかり描写されているわけで、丁寧にボタンをかけ違った結果どんどん事態が悪化していく様子には、計算された負のカタルシスがある。
それはさておき陸巴はマジむかつくので、こう……なんかこう……(苛々が巧く言葉にならないマン、再び)

余裕のない毘沙門サイドに比べて、ギャグ混じりの日常を楽しめるヤト側の要は、やっぱりひより。
彼女の人間性の高さと人間的な強さがあってこそ、キッツいルールに飲み込まれずなんとかやれているわけだけども、となれば当然狙うよね。
物事が極度に悪化していくように最善手を打ってくる所が、陸巴の最高にイヤな所だと思います。
パンチラが嬉しいとかそういう部分以上に、ひよりがもっている真っ当かつ綺麗な価値観ってのは作中人物全て(と視聴者である僕)の救いになっているので、ここを攻められると『あ、ヤベェ』感が強い。
そしてそれは、一見空気読めてないように見えるギャグパートの暖かい空気があればこそってのが、良く出来たアニメだと思うね。

毘沙門は兆麻を、ヤトはひよりを。
それぞれの要を狙い通りぶっ壊した陸巴の一人勝ちが目立つ、第3話となりました。
ムカつくアイツにとっとと一発入れてほしいものですが、この話早々簡単に曇り取れないんだよなぁ……。
そういうの好んでみているのでむしろ楽しいんだけども、本音を言えば『誰かコイツ殺してー!!』(ちょぼらうにょぽみ作画になりつつ)って感じだよマジ!
……そういう気持ちになれる敵役がいるアニメって、やっぱ強いんだろうね。