イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アイドルマスターシンデレラガールズ ベストエピソード5選

九ヶ月の長きに渡って楽しませてくれたデレアニも、先週最終回を迎えました。

あいも変わらず質量のある作品で、なかなか自分の中の気持ちをまとめ上げることが出来ず最終話の感想は未だ書けないままですが、余韻と想像の余地を残した見事な最終話だったと思います。

完結を記念し、これまで放送された25話の中で5つのエピソードをピックアップし、自分的に評価の高いポイントなど書いてみようと言うのが、今回の日記です。

各エピソード粒ぞろいで、様々な魅力が輝いているアニメですので、『ざっけんなコバヤシ、あのエピ入ってねぇとか殺すぞ』みたいなご意見もあるとは思いますが、そこら辺は個人ごとということでご了承を。

ホントね、アニデレエピソードベスト5は、見てた人によってバラッバラになると思うね。

 

※第1話『Who is in the pumpkin carriage?

これから始まる長い長い旅路の入口になる、ファーストエピソード。

非常に丁寧かつ叙情的であると同時に、キャラクターの感情のうねりが激しく熱く、視聴者を引き込むパワーに満ちた完璧な第一話といえる。

渋谷凛と島村卯月、プロデューサーに人数を絞り、人間が運命に出会うというのはどういうことなのかを、ギュッと濃縮して描いた中身の濃い出だしだった。

光、足、天気、足元の線、花などなど、高雄演出のイズムが最大限に発揮され、『このお話、だいたいこういうラインで展開するから』というテストケースとしても仕上がりが良い。

個人的には、アイドルであることの輝きと残酷さを同時に展開し、全ての始まりであると同時に終わりでもあるアバンの仕上がりが圧倒的すぎる。

 

※第7話『I wonder where I find the light I shine...

第6話ラストの本田ダッシュを受けて、極限までテンションを下げるAパートと、しまむースマイルから一気に上げるBパートの落差がグッド。

一期前半はこの話にたどり着くために逆算で話を作っているため、ラストの小さな一歩の充実感が尋常では無いことになっている。

これまではスパイス程度に使われていた高雄ダークネスがその牙をむき出しにして、視聴者のテンションをどんどん下げていく演出の切れ味は、『なんか尋常じゃねぇぞ』というムードを無言で醸造していて、なかなかに凄い。

六話と合わせてキャラに許されるギリギリまで株を下げた結果、本田のこっからの上げ調子が本当に気持ちよく、最終的には島村エピソードの底を支える仕事を担うことになる。

ホント本田好きだね、俺は。

 

※第18話『A little bit of courage shows your way.

全25話通しておそらく唯一『可』評価が付く第9話『“Sweet” is a magical word to make you happy!』の瑕疵を埋めるべく、過去エピ全てを蹴っ飛ばす勢いでCIの関係性を再構築したゆにこ先生のスーパーホームラン。

この話があればこそ、智絵里とかな子のキャラクター性がしっかりと掘り下げられ、ただいるだけのキャラクターがCPの中から消えたという意味で、シリーズ全体を完成させる最重要エピソードだと思う。

15人のメインキャラクターの長所と欠点を全部描写し、欠点をどう埋めていくかの成長を描ききったという意味合いで、このアニメやっぱり大したシリーズなのだがこの話がないと画竜点睛を欠くことになるんだよね。

常務がカウンター当てて、ゲストアイドルがピリッと動いて~みたいな二期の基本構成に疲れてきた所で、あえてその構図を外してきた作りもタイミングを見切った、良い出し方だった。

シリーズの構造の話だけではなく、負け役の矜持と天才の哀しみをしっかり取り上げ、可愛いだけではなく意地みたいなものをキャラクターに背負わせる事ができたお話は、とっても魅力的。

あと濃厚なあんきらな……ホンマ……ホンマゆにこ先生……ありがとう……。

 

※第19話『If you're lost, let's sing aloud!

第11話『Can you hear my voice from the heart?』を引き継ぐ形で、あまりものユニット*の関係を描くお話。

夏樹の王子様っぷりが最高すぎて死にそうとか、前川のめんどくさい女っぷりが最高すぎて死にそうとか、キャラ萌え要素も充分あるのだが、ベスト5に選んだのは構成全体のお話。

ここで李衣菜が夏樹ではなく前川を選ぶことで、これまで新しい可能性に価値を認めてきた(そしてこの後も、基本的に新しい可能性を肯定していく)二期の展開のなかに、『新しい可能性だけではなく、既に出来上がった関係性にも同じ重さがある』というカウンターを当てたことの意味は、あまりにも大きい。

もしこの話がなければ、『前に進むことは、帰るべき場所があればこそ可能』『持っている価値を維持するためには、可能性に挑戦するしかない』という一見矛盾するテーマは説得力を失って、ただの題目になっていたと思う。

結果的に夏樹はウサミン星人というおまけも付けてCPに合流するんだけど、その結果は結果であって、梨衣菜の選択の重さとそれが持っている価値を減じるわけではないのだ。

 

※第23話『Glass Slippers.

ずーっと埋め込んでいた島村卯月の核地雷が、全てを巻き込んで炸裂するお話。

解決編である第24話と悩んだが、公園での慟哭が演出・作画ともに素晴らしすぎるのでこちらを選ぶ。

島村卯月の危うさにはそれなりに早めに気付き、この普通の女の子が持ってる震えを見逃さないようにしようと思いつつ、いつか来るだろう破綻に覚悟を決めていたはずだったわけだが、現実に映像になってみると頑是ない彼女の涙はあまりに痛ましく、悲しかった。

島村さんを鏡にすることで渋谷さんの衝動、本田さんの成長など、NGのキャラクターも深く深く掘り下げられて行く辺り、このアニメらしい二枚取り・三枚取りの欲張りな作りだとも思う。

物語の終わりが見えてきて、物語のテンポがぐっと落ちて第1話とおなじくらいの足並みになるのも、『ゆきて戻りし物語』的構造を画面の説得力で出している感じがあり、しまむー三部作は全体的に異質であり、凄い。

後あれだ、『コバヤシくんしまむー好き過ぎやな』ってことに気付けたのがこの話だったのでね。

 

とまぁ、こんな感じであります。

自分はアニメからシンデレラガールズを知ったにわかであり、特定の推しがいない腐れDDですので、キャラ萌えよりも全体の構造に重点した選び方になりました。

色んな人が、色んなベスト5を持っているアニメだと思いますし、それは豊かで強いことだなぁとも思う。

良いアニメだなぁ、シンデレラガールズ