イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

影鰐 -KAGEWANI-:第4話『双弓』感想

現代社会に闇に潜む奇獣たちとの戦いを描いたモンスター・エピック、四話目は下水道舞台のチェイシング・ホラー。
ジワジワと人間社会に接近しつつある奇獣に追いつくように、番場先生の見せ場が増えてきて大満足。
ドローンカメラを利用したホラー感の盛り上げも巧かったし、おっきー声のライバルキャラも登場して、いい感じに勢いがついてきたなぁ。

今回白眉なのは何と言ってもドローンの使い方で、少年たちが下水道という隔絶空間に足を運ぶ理由になりつつ、クリーチャーのPOVを無理なく入れ込み、恐怖を増幅させる装置としても機能していた。
第1話のYouTuberもそうなんだけど、ナウいネタを積極的に拾っていくことで、時代感が巧く醸造されているのは影鰐のいいところだと思う。
奇獣が人間社会のアウトサイダーだからこそ、地続きの現実感をどう出すかが問題になるというか。

同時にクリーチャーモノに必要なスペクタクルも忘れておらず、下水道という都会の極所とか、マンホールを塞ぐ死体で『天井に張り付く』というギミックの伏線を張っていたりとか、細かい所に気が配られている。
一話が南海の孤島、二話が雪山、三話が深海と来て今回のチョイスは、お話を真ん中にジワジワ引き寄せつつ、いい具合に非日常感も維持しているセッティングだと思う。
都市伝説の『下水道の白いワニ』と覆い焼きにしたセッティングといい、ただのノスタルジーに逃げない影鰐独特のテイストは、冴えを増している気がする。


キャラの動きをすると、番場先生が『人命救助』というヒーローらしい行動をして、主体性をさらに上げていた。
二話の感想で『早めに傍観者やめてくんねーかなー』とかボヤいていたが、こんなに高速で主役っぽくなるとはマジ有り難い。
その上で直接戦闘で奇獣に立ち向かうわけではない抑え方は、お話しのリミットを上手く維持させていてグッドだ。
いや、超人バンバマンにいきなり変化して必殺技で奇獣ぶっ殺しても、それはそれで面白いけどさ。

そしてぶっ殺し担当は、額に『嫌なやつ』と描いてあるおっきー声がやってくれました。
アイツのスカした態度と『火炎放射器』という武器のチョイス、狙いすました退場シーンは良いインパクトだった。
製薬会社のエージェントらしいので、良い奴になって死ぬか、エゴを貫いて無様な死に方するか、どっちルートなのかが気になる。(死ぬのは前提)

ついに都会に上陸した奇獣と、ついに主役っぽい活躍をした番場先生と、ついに意味ありげに登場したライバルキャラ。
みっしりと中身の詰まった影鰐第四話でした。
いやー、おもしれぇなぁこのアニメ……あ、ED入れるタイミングが地味に毎回良くて、あの曲始まるとテンション上がるの、すっごいいいと思います。