イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

スタミュ -高校星歌劇-:第4話感想

ミュージカル学校で凸凹青春劇、四話目はブラコン拗らせた青いの攻略エピ。
同時並列的に紫の第一次攻略と、ライバルチームの顔見世もやっていて、お話しの進め方は手際が良い。
良すぎて、『こんなに一気に燃料使っちゃってダイジョブ? お話持つ?』と無意味な心配をしてしまうくらいだ。
天花寺くんは想定の二倍くらいチョロかったしな……人格入れ替わってるレベルでデレてきやがったアイツ……。
キャラクター間の凸凹は早めに解消し、連続するテストで物語的凸凹を確保していく感じかしらね。

今回はコンプレックス拗らせてる月皇くんを、前回攻略した天花寺くんと人間力高い空閑くんのWアシストで抜き去る形。
『これからお前を説得……するのはPC1である星谷の仕事なので、その土台になる楔を打ち込むッッッ!!!』とばかりにジョジョ立ちで待ってる天花寺くんが面白すぎる。
人格入れ替わったなぁと思わざるをえない豹変だけど、飛ばした一ヶ月の間にいろんな交流があったのだろう。
そのジワッと変化する人間関係をこそ見たかったりするのだが、細やかな描写よりも大きく変化するストーリー的ダイナミズムを取ったということなのだろう。

実は未だ月皇のブラザーコンプレックスは全く解消されておらず、今回解消されたのはチーム鳳に対するわだかまり。
子安がラストで直接顔を見せなかったのも、月皇エピソードの二枚目として自分の中の感情複合を解き、兄貴と何らかの安定した関係を手に入れる話が待っているからだろう。
そういう意味では、かなり計画的に物語燃料を消費しているのかもしれない。
天花寺くんが攻略エピ終わってからキャラを立てたように、真ん中から外れてからが美味しいアニメではあるので、来週以降の青いののデレに期待。

チーム鳳最後の砦として期待がかかる紫、空閑くんだが、無口ながら星谷くんに必要な一言を言ったり、かなり人間力高くて頼りになる。
性格面での問題が少ないので、やはりかぷめん食ってる経済的背景とか、そこら辺が彼の凸凹であろうか。
『俺は俺の道を行く、お前らと馴れ合うつもりはない』ソングのPVぶっこんだ後に、即座に練習に付き合ってくれる当たり、GMに協力的なPLが多いなこの卓は。

そして主人公は、今週もまっすぐに練習し、まっすぐに青春していた。
ド素人主人公・星谷が素直に努力し、人の話も聞き入れる人格者なので、人の心に分け入っていく展開がスムーズなのは有り難い限りだ。
今回ライバルチームの口から言わせていたけど、チーム鳳の物語は低いところから上がっていくサクセス・ストーリー。
その真中にいる星谷がとにかく努力家であるのは、お話しの軸がブレなくてとても良いと思う。


ライバルチームはざっくりと紹介されていたけど、脳筋バカあり話のわかるチャラ男あり、露骨に人気投票で最下位取りそうなイヤなやつありと、こちらも凸凹した配置。
チーム鳳の凸凹が無くなっても、今度はライバルチームとのマッチアップで話も作れるってことだろうか。
殴り合いのシーンがグラップリングとディフェンスメインで、血の流れる直接打撃を巧妙に避けていたのは、何かの配慮なのかそういうアニメじゃないのか。
オス同士が非致死性戦闘でキャイキャイしてると茶番っぽく見えるのは、Kとおんなじやな。

今週もお歌ノルマが二つ挟まっていたが、かたや止めて寄せる間の使い方、かたや前奏を通常のアニメで流しておく準備と、これまでよりは唐突感が薄れていた。
中身の方は相変わらずのポップなロックPVであり、音楽的なバリエーションが薄いのは、毎週二つ曲見せるアニメとしては弱くねぇかと思うけども。
ダンデヴィはそこら辺、各種民族音楽の要素なんかも取り入れて飽きないようにしてくれてるしなぁ。

物語的な感情の流れやストーリーの必然性などから切り離され、キャラクターのキャラクター性を強調した『プロモーションビデオ』が唐突に挟まる作りにはもう慣れた。
ミュージカル学校を舞台にしているからミュージカルアニメなのであって、ミュージカル的な音楽の使い方をしているからミュージカルアニメなのではないと気付けば、それはそれで受け入れられる。
なお、今期で一番ミュージカル的にスムーズかつアツい歌の使い方をしているのは"かみさまみならい ひみつのココたま"。
……こっちに土屋さんが注力した結果、プリパラ迷走してんのかな……。

そんな感じで、チーム鳳最後の問題児がチョロっと落ちるお話でした。
前半は紫との交流に使ったので、実質15分で攻略かあぁ……天花寺くんと良いチョロいなぁ。
このストレスのない話運びが魅力に変わるのか、はたまた薄味と感じるのか。
それは来週以降の試練と、魂のぶつかり合いの見せ方次第でしょうかね。