イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

緋弾のアリアAA:第4話『カルテット・前編』感想

武装と鳥取と親切とレズのアニメ、第4話はチームバトル準備と色んな戦姉妹。
第3話まででメインキャラの紹介が一通り終わったので、大きなイベントを準備しつつ横幅広くキャラを取り扱っていくという、手際の良いエピソードでした。
おまけに露骨に今後拾うぞ! という妹の不穏な伏線も散りばめて、阿呆なパッと見に似合わぬ見事な構成だ。
いや、アホ部分は存分にアホだけどさ……過剰な鳥取推しとか。

性格の悪い金持ちを煮詰めたような高千穂さんがエンジンとなり、あれよあれよとチーム戦に雪崩れ込みました。
やっぱ主人公たちの大事なものを徹底的に煽り、屈辱を味あわせてリベンジへの意欲を高める悪役って、必要だし素敵だわ。
妙な鳥取推しや『武装弁護士』『武装検事』という言霊のマヌケさを活かして、ただの嫌なやつではない可愛気を宿らしてあるのが、良い見せ方だなぁと思う……面白い奴は、どうやっても嫌いになりきれないのだ。
『アバンの夢オチ』という形であかりのランクアップへの意欲を見せることで、カルテット戦に入る流れが強化されてるのは、地味に技あり。
それにしても、毎回夢から始まってるな、このアニメ。


その後は勝利への説得力をつける特訓と、色んな戦姉妹を見せるターン。
先週組んだばっかりのライカ×麒麟組は、甘くて酸っぱいマーマーレードな関係を、理子を壁役にして強調したり。
我が道を行く親切キャラ志乃は、白雪の親切力を受け継いで思う存分親切したり。
主人公たるあかり×アリアペアは、クールで頼れる先輩をあくまで崩さず、正統派の師弟関係を推したり。
この凸凹感は見ていてとても面白く、これを出すために早めにキャラ紹介を済ましたのかなぁと思ったりもした。

ライカと麒麟は理子という第三者を間に挟むことで、ライカのクッソめんどくさい純情レズビアン加減が強調されており、非常にグッドだった。
スムーズな展開のためにすっ飛ばした運命の出会いパートを今回描写することで、小悪魔のように見える麒麟の純情が強調されている形になってたり、再構築は本当に巧いね、このアニメ。
高千穂さんがハイキックを受けた時のタクボン的な使い方(足を雁字に絡め取り、足首のツボを抑えるのとテコの原理の利用を併用して投げる)とか、理子の話を聞いてる時ライカだけ頭の後ろで手を組んでいる(身体が大きく見える仕草なので、理子に対する警戒と虚栄心があることが判る)とか、実は細かいところ気を配ってるアニメなんじゃないか……という気がしてきた。
アホで笑わせるためには、勢いだけに頼るのではなく、細かいところちゃんとやるのは大事だ。
ロリコンレズ専門のハニトラ要因』という、ピーキーにも程がある麒麟の専門が明らかになり、そらーライカは一発だわと思ったりもしたよ。

志乃はまぁなんだその、志乃だった。
リアル系純愛レンズ路線はライカ達でやるので、スーパー系レズ汚物ネタは志乃の独擅場ということだろうか。
ただの汚物ではなく、『自分の快楽のためには、相手の気持や快不快を一切無視できる』というサイコパスな部分が根っこにあるため、志乃のストーカー描写には奇妙な凄みがある。
今後も笑いの核弾頭として、アリアAAの爆発力を支えていただきたい。
歪んだ性欲のはけ口にされるあかりちゃんには、いい迷惑だろうが。

あかりちゃんはドンガメらしく泥臭い努力を積み重ね、アリアとの真っ直ぐな絆も描写された。
ロデオマシーン特訓は、『一見全く役に立たない訓練が、逆転の秘策になる』という"ベストキッド"の系譜を正しく引き継いでおり、好きな描写だ。
そこにロリータIVっぽい絵面が絡むネタセンスが、緋弾のアリアAAのサービス精神というか、なんというか。

AAのアリアは本当に爽やかかつ頼れる先輩で、あかりちゃんが頑張る姿勢を強化する、良い師匠だなと思う。
アリアが顔を出してあかりちゃんに発破をかければこそ、来週のカルテット本番への期待や真剣さが確保、強化されるわけで。
露骨に強調されていた妹の死亡フラグといい、お話しの牽引力になるパーツはガンガンぶち込む姿勢、俺嫌いじゃないぜ……。

今週もネタ成分としっかり成分、両方がバランスよく配合されたAA加減でした。
見れば見るほど丁寧な再構築と、バランスの良いキャラの見せ場配置がされているアニメで、『どーっせMFの系列なんでしょー?』とか舐め腐っていた過去の自分を蹴り飛ばしたくなる。
いやー、面白いなぁこのアニメ。