イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

影鰐-KAGEWANI-:第5話『異彩』感想


アーバンホラーアクションアニメ、第5話はコンビニに迫る闇。
ヒタヒタと辺境から迫る奇獣はついにコンビニという文明の拠点に現れ、プレデターっ面で大暴れしてました。
スプラッターとして見ると、惨殺から丸呑みまで、毎回殺し方に凝るのは大事だね。

今回もホラー的シュチュエーションの見せ方には良いツイストがかかっており、見ていてドキドキしました。
放送時間は短い中で、怖くなるよう知恵を凝らして状況を造ってくれ、見せ方も丁寧にやってくれるのはすっごく良い。
今回特徴的だったのは『視界への制限』で、バックヤードからの視界なり、棚越しの視界なり、見えない場所への恐怖を煽るような絵作りがグッド。
その最たるものが『透明化するクリーチャー』なあたり、ホラーとクリーチャーを巧く接合する映像作りになっていて、凄く良いと思います。

お話の運びにしても、『女子校生の万引き』という1フックを巧く引っ張り、クリーチャーに発見される因果応報やら、窃盗犯という悪人が救助に来るベビーターンの気持ちよさやら、少ない時間の中に盛り込んでいました。
ドラマに必要な要素を研ぎ澄まし、必要な物を必要な時に、必要なだけ見せるソリッドな作り方は、アーバンホラーという題材と良いかみ合わせを発揮しているように思います。
バックヤードに入ってから分電盤に触って電気を付ける芝居を入れることで、それが破壊され閉鎖空間が生まれる前フリをやっている所とか、スムーズで好き。

前回から猿楽製薬編に入りまして、とりあえず"Arrival of Fear"が流れて火炎放射器マンが現れれば勝ち、みたいな流れができつつあります。
クリーチャーホラーである以上この勝ちは一時的なもので、積み上げた勝利も横合いから蹴っ飛ばされるのが定番なわけですが、そこまでは思い上がり驕り高ぶらないと行けないわけで、ここ二話の猿楽チームの良い気っぷりは見ていて気持ちが良いです。
『ああ……あと3話位で火炎放射器で対処できない奇獣が出てきて、みんな死ぬな……』という予測のカタルシスもひっくるめてな。

というわけで、人間の生息域に迫り来る奇獣を、怖気とともに見せるエピソードでした。
番場先生は相変わらず傍観者でしたが、猿楽チームが脇に引いて真ん中を開けた時こそ、番場先生が晴れて主役に躍り出るタイミングだと思っております。
その過程もまた面白く見せてくれているので、来週の影鰐も楽しみに待ちたいと思います。