イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

K -RETURN OF KINGS-:第5話『Ken』感想

極東異能者バトルアニメ、第五回は黄金クランの始末とシロのモチベーションのお話。
緑は順当に駆逐され、金は正式に舞台から退場、青は金の開いた穴に滑り込んで、白銀は緑のトップとのお話。
『昔お前が捨てた理想を掘り起こして、人類を改革してやるぜー!!』と直々に叩きつけてくれる辺り、緑の王様のモチベ生成能力は本当に高い。
二期は緑という分かりやすい敵がいて、まとまりが良いなぁホント。

大覚ジイジが死んだ影響は結構大きくて、シロが本気になったり、宗像さんが似合わぬ野心を燃やして権力に滑りこんだり、お話しの起因はだいたいここだったりする。
シロの復帰が流のやる気をブーストしたせいで、緑が大暴れしているわけだし。
そういう影響力が大きい黄金クランを、ちゃんとシーン使って退場させたのは話が混乱しなくて良いな。

宗像さんのトチ狂い方は想像以上で、なんか絵に描いたような権力の亡者みたいな動きを始めた。
石版の管理者ということは、それでもって人類変革を狙っている流とも真っ向対立するということであり、能力の限界と代替わりも含めて、青は今後台風の目になりそうだ。
赤との共闘は今んところ順当だけど、宗像さん次第でどうとでも転びそうだなぁ……。


今週は半分くらい、シロと流のトップ会談に時間を使ってました。
まだお話的に余裕があるこのタイミングで、自分のモティベーションをしっかり説明してくれる流の良い悪役っぷりには頭が下がる。
悪役が何を目指しているかがわかると、主人公たちが何を阻止すればいいかがわかり、お話しの見取り図がハッキリするわけで。
二期のわかりやすさを支えているのは、やっぱり流だよなぁ。
後出しで『一期の厄介事を、裏から全部操っていたのも私だ!』とするのは、大物感と当事者性が同時に出て、良い操作だと思う。

そんな緑の狙いは、ドレスデン石版による人類のバージョンアップ。
『異能をネット越しにばらまくことで、人類を超越する』って書くと、"ガッチャマンクラウズ"の塁くんみたいだね。
あの人ほど英雄的でもなければ、理想主義者でもない感じだけどさ。
このモチベーションはシロが大戦前にやろうとして挫折し、半世紀引きこもる原因になった考えなわけで、当然反発しやる気も出す。
主役のモティベーションに火をつけるシーンを効果的に演出する辺り、二期のGMは腕がいい。

クランズマンやネット端末を活用し、直接顔の見えるコミュニケーションが薄い流は、根本的にどういう人物なのか、未だ見えない感じ。
彼が掲げる人類のアップデートも、何らかの道理を兼ね備えた一つの正義なのか、一個人の暇つぶしの枠を出ないエゴなのか、現段階では分からない。
ここら辺の見極めは、来週以降流が表舞台に直接顔を出すことで出来てくる感じだろうか。
イケメン共のアクションやイチャイチャはふんわりしてても構わんが、キャラクターが(それに反発するにせよ、共感するにせよ)乗っかる事になるストーリーラインは最低限の強度が欲しくなるわけで、二期のBOSSたる流のバックボーン描写は、じっくりしっかりやって欲しいものだ。

それはともかく、能力のばら撒きによる世界の混乱はシロの望むところではないので、白銀と緑の会談は流れた。
これで対立路線が決定的になって、緑が端末ではなく幹部クラスを使ってちょっかいを出してくる展開になるのかなぁ。
現状ちゃぶ台同盟側の戦力が圧倒的なので、どっかでヒビが入っていい勝負になると思うのだが……そこら辺で宗像さん使ってくるのかな?

というわけで、変化し変化しつつあり状況をまとめ、メインアクター周りの話を整理するエピソードでした。
流が悪役として良い仕事をしてくれるおかげで、シロの当事者性がどんどん上がってお話が見やすいのは、本当に有り難い。
俺はお話の展開に寄与するキャラクターが大好きなので、今後も流がどんどん目立つ展開にしていただけると、非常に嬉しいですな。