イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ:第5話『赤い空の向こう』感想

さらば火星こんにちは宇宙、孤児たちは青い星を目指すアニメの第5話。
前回露骨なフラグを立てていた汚い大人たちの罠を、鉄華団一丸となった活躍で打ち破るお話でした。
アトラもヒロインレースに正式参戦したし、このまま順風満帆で……行きそうもないなぁ、このアニメ。

トドとオルクスの露骨な裏切りフラグはアバンで解消し、宙間戦闘とギャラルホルンの内情メインで進めていく展開は、温度が冷えずにとても良かったです。
あの餓鬼腹と竿役顔で裏切りませんて言われても説得力ないわけで、予測される展開を手早く取り回すのは、見ててイライラしなくてグッド。
トドの始末の仕方を見るだに、やっぱりオルガは理想主義者というか、可能なかぎり無駄な血は流したくない、どうにかまともになりたい人なんだなぁ。
……鉄華団の識字率を考えると、トドの腹の煽りはビスケたんが書いたのかしらね、可愛い顔して過激派ね。

ここまでのお話は主役たるオルガとミカが目立ちまくる展開でしたが、今回はそれ以外のメンバーにも美味しい見せ場があり、鉄華団が組織として動き始めた感じがありました。
ユージンの『何でもかんでもオルガだよりじゃ駄目だ』って態度は、オルガへのライバル意識が言わせているだろうけど、一面の真実を付いている。
イザリビを操縦して逆転の布石を打ったり、セカンドパイロットとして地味に活躍したりして、昭弘が目立っていたのも良かったです。
前回腹を割って話しあった結果が早々に出ていて、見ていて気持ちが良い。

内通者と待ち伏せというピンチにも慌てることなく、正確には慌てた素振りを見せることなく乗り切ったオルガは、やはり器を感じる男。
ライバル意識が強いユージンを巧く乗りこなす辺り、顔の見える距離感での組織運営には天性のものがあるように思います。
小惑星を使って窮地を乗り切るアイデアといい、それを可能にする人材が揃っているところといい、オルガの器量で並に乗って行く鉄華団が輝いて見えるエピソードでした。


ギャラルホルンの方は火星組がほぼ全滅し、査察団一本に絞られた感じ。
チョコレートの人がただのロマンチストというわけでも、汚い大人というわけでもなく、冷静で狡猾な良いライバルキャラでした。
お嬢を操り人形にして火星を制御しようとする動きには、ナチュラルに差別発言してる隣の人と合わせて、地球人の火星差別が透けて見え、世界観を感じられた。
薄々見えていたとおり、何処にも天国なんかねぇな、この世界。

宙間戦闘は慣性の描写が印象的で、新鮮みのある戦闘シーンになっていました。
バルバドスのヌルーっとした動きが、微生物的な速さでなかなか気持ち悪気持ち良い。
他にも装甲が厚すぎて至近距離戦が重視されている様子だとか、それでも至近距離ならブチ抜くバルバドス砲の威力とか、稼いでの戦闘とはまた違った要素がつめ込まれていて、毎回楽しませてくれますね。

サブキャラとしては、ミカのために仕事もやめてきたアトラの猛追が印象的。
お嬢が強烈な存在感でミカの魂に食い込んでいるので、勝負に出たのは正しいと思います。
しかし戦闘圏内にいるといつ死んでもおかしくないアニメなので、そこら辺は不安。
ミカの帰るべき象徴でもあるわけで、損なわれず失われず進んでいって欲しいなぁ。

他にもアインくんの復讐鬼フラグが立ったり、伝説の機体ガンダム級へのワッショイが発生したり、いろいろ起きたエピソードとなりました。
オルガノ願いどおり、力と理想を持った『まともな組織』への道を着実に進む鉄華団。
ですがその歩みは険しく、先は見えません。
それでも小さな希望と夢を失わず、一歩ずつ着実な歩みを止めないからこそ、彼らを見守り続けたくなるのでしょう。
来週のお話も、とても楽しみですね。