イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

プリパラ:第69話『あぶないプリパラポリス最前線にほえろ』感想

『キャラが多すぎて迷走を始める』という、DMF中盤によく似た状況になりつつあるトンチキ女児アニ、グイッと調子を戻す回。
劇薬であるあじみは適度に扱われていたし、キャラクターを束で扱いつつみんなに見せ場を用意していたし、ジーニアスと主役が交流して話が転がりだしたし、ステージは特別気合が入って素晴らしかった。
ネタだけではないプリパラの強みも良く出ていて、なんというか安心できるお話だったと思います。

話のスジはあじみがBAKA三人をポリスに任命し、ようやく主役サイドがジーニアスを追いかける体制ができるお話。
ナース選抜とポリス選抜を一体化させることで、ジーニアスへのモチベーションをらぁらとあじみ以外も共有したのは、凄く大きいと思う。
あじみはキチガイであると同時に教師でもあるわけで、今回のように各キャラのいいところに目端が利いている描写があると、説得力が違うな。
あじみが長所を引っ張り上げることで、ネタ出して終わりじゃないキャラの見せ場も生まれるわけだし。
ドロシーの長台詞問い詰めとか、すっごく良かったです。

ふでやす先生はキチネタの切れ味が目立つけれども、美術ネタ含めたあじみの使い方であるとか、キャラ沢山出しつつもジーニアスとらぁらを正面から会話させる話運びであるとか、やっぱりベーシックな筆力が凄いある脚本家なのだ。
今回も『ジーニアスがらぁらに興味を覚え、接触してくる』という軸はしっかり確保し、プリパラをぶち壊しにするはずなのにアイドルそのものになってしまっている矛盾とか、憎まれ口叩きつつらぁらを認めている描写だとか、グッと引き込む描写が太かった。
というか、アルチンボルドとかドーミエって"美の巨人たち"とかでも扱われねぇんじゃねぇかなぁ……ベクシンスキー風の塗りとか、ドロシーがモデルやる時"着衣のマハ"のパロディだから「まは~」って言ってる所とか、ふでやす脚本の美術ネタはマジでコアだ。

ポリスとナースに選ばれなかった凡人二人にも、人知れぬ鍛錬のシーンを用意していたのは優しい対応。
OPでも曇りフラグを立てているので、あろまとみれぃの凡人性は今後膨らましていくんだろうか。
同じく選ばれなかったシオンだが、天才は天才なので凡人連合に入れないところが悩ましい。
ドロシーの保護者でもあるので、そっち方面で出番が増えると良いな。


ネタ方面はあじみの怒涛の喋くりをベースに、BAKA三人がボケつつ転がす感じ。
賑やか元気でおバカに楽しいってのは、やっぱりプリパラの強さだと思う。
ネタとマジはプリパラを高速走行させるのに欠かせない両輪であり、両方のバランスが取れているとやっぱり良いなぁと、今回のエピソードを見ながら思った。

新曲『ぱぴぷぺ POLICE!』を引っさげてのステージは、曲・踊り・CG三拍子そろった素晴らしい物。
出だしのライティング表現、元気な曲調に似合った複雑なステップ、ところどころ入る足と唇のアップ。
京極さんが久々にステージ演出に戻っていて、切れ味鋭いカメラワークが冴えていたと思います。
特にメイキングドラマの表情付けは非常に可愛らしく、このくらいセルルックに寄せたコミカルな表現の方が、プリパラのステージにはしっくり来るなぁと実感。
目線を投げ捨てるみかんのフリーダムさとか、楽しさが弾んでいる感じがとっても良いですね。

ネタを大量に盛りつつ、混乱してたモチベーションとストーリーラインを整頓する、見事なエピソードでした。
来週はジーニアスがまた動き出し、ファルルに魔の手を伸ばすという展開。
更にキャラが増えるのは不安でもありますが、怒涛の一期3クール目を盛り上げたファルルには、多分無用な心配でしょう。
つーか俺ファルル好きなので、カムバックは素直に嬉しい。
SFマニアの心をぶち抜いた『ファルルののん』も写ってたし、ガァルルもいるし、来週楽しみだなぁ。