イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

ルパン三世:第5話『満月が過ぎるまで』感想

イタリアを舞台に展開する泥棒オペラ、今回は手強いライバル銭形警部のお話。
メディア王の遺産と未亡人を軸に、とっつぁんのハードボイルド加減が迸るエピソードとなりました。
山ちゃんになってからのとっつぁんはコメディ・リリーフの仕事が減って、ソリッドでかっこいい出番が多い気がするなぁ。
そっちのとっつぁんも好きなので、とてもありがたい。


今回は『遺産はあるのか、ないのか』と『自分を騙していた女を許すのか、許さないのか』という、二つのポイントを何度もひっくり返しながら進むサスペンスでした。
次元のエピソードはウェスタン風味、不二子のは間接証言と、いろんな技法を駆使してひねった見せ方をしてくれるのは面白いですね。
その上で『一瞬の恋のお話』というところが共通しているのは、彼らの大人力を強調するためでしょうか。

前半は遺産の有無と、存在しない遺産への対処で話が回っていく。
ヘリも運転すれば料理もできちゃう銭形の万能っぷりを見せているので、ルパン一味と丁々発止にやりあう姿にも納得が行きます。
存在しない遺産を消滅させるために、ルパンを利用する辺りはルパンへの信頼がよく見えて、銭形エピにしっくり来る流れだったなぁ。

存在しないはずの遺産はなんか『黄金のパイナップル缶詰』みたいな形で存在していたわけですが、ギャグスレスレのわかり易さとインパクトが有って、あの絵面は好きです。
ないはずのものがあったわけだから、そこはズドンと目立たせないとイカンよな。
満月が陰ったから帰っちゃうルパンの姿は、前半銭形が見せた信頼の裏返しというか、愛憎濃い間柄を感じさせる展開でした。
今回のルパン一味は銭形のサイドキックに徹していながら、存在感が消えない名脇役だったと思います。

『悲しい過去のある女を自分の信念だけで守り、結果女の生き方を変えて去る』という恋の結末は少し格好良すぎるきらいもありますが、ハードボイルドモードの銭形であれば、このくらいクサい落ちのほうが良いのかも。
今回の銭形は一切隙のないパーフェクト刑事だったわけで、主役回を華麗に終わらせる意味でも、お話を綺麗に収める形で去っていく展開は後味が良い。
レベッカとは違いあくまでゲストヒロインなので、一話の中で終わらせておかないといけないしね。
しかし"すべてがFになる"といい、金曜日はペド野郎週間だな。


そんなわけで、ルパン一味の強力なライバル、銭形警部の紹介エピソードでした。
『手強い強敵』から軸をぶらさず、信念の男銭形を格好良く、収まりよくまとめ上げた、良いお話だったと思います。
銭形が強く光ればこそ、ルパン一味の魅力も輝くわけで、こう言う話をちゃんとやるのは大事ですよね。

そんなルパン一味から五右衛門は完全に消えていたわけだけど、個別エピソードはまだか……紹介終えないと仕事回ってこないっぽいし……。
ルパン2015は自分たちの強みをよく研究し、見たいものをしっかりブラッシュアップした上で届けてくれる良いリブート。
だからこそ、このスタッフで料理された五右衛門を早く見たくなるという、贅沢な悶えよな、これは。
来週はシリーズゲスト総出演の賑やかなお話っぽいので、五右衛門の個別エピソードはお預けっぽいなぁ……それはそれで楽しみだけど、レベッカもニクスも好きだしね。