イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

・影鰐 -KAGEWANI-:第7話『切斬』感想

ショートホラーアニメ新世紀、第七回目の今回は地中から迫る悪意。
学校という馴染み深い空間を下から突き壊す、振動感知の怪物との知恵比べでした。
グラウンドを強調し奇獣も地下から襲わせておいて、最後の最後で目線を上げて俯瞰でオチを見せる運動が見事でした。
個人的に影鰐のキモは『視界』だと思っておるのですが、お話の流れと合わせてこういうワンアイデアにつなげてくれたのは、新鮮な驚きがあってグッド。

今回は小学生と先生がメインということで、直接的暴力での撃退は期待できない流れ。
広橋声の先生が喘ぎながらむっちゃアスレチックして眼鏡を救助する流れは、見知ったアイテムを利用すればこそ妙にドキドキする、『身近な異世界』となっておりました。
エロティックな挑発を巧く使い、性的な興奮を恐怖への反発と誤解させる手法は、ホラーの基本的ニックでもあるわけで、今回先生がエロかったのは正しい。(スケベ根性の正当化)
猿楽編に入ってから奇獣が人間の領域で暴れ始めた結果、"冒険野郎マクガイバー"的楽しさといいますか、知っている道具を使いこなし、如何に意外な方法で奇獣の裏をかくかという楽しみが出て来たように思います。
秘境編で奇獣の存在とお話の方を見せておいてこその楽しみなので、ここら辺のシリーズ構成は見事。

今回の奇獣は振動感知知覚でして、まぁまんま"トレマーズ"だ。
ニワトリの主観映像をうまく見せた上で反転させる、『視界』を駆使したホラーの見せ方は今回も健在。
影鰐を見始めた頃『毎回ワンアイデアで楽しませて欲しい』と書いた記憶がありますが、ホラーとしての見せ方、奇獣の奇っ怪な能力、シチュエーションの妙味と、短い時間の中に工夫がピリッと詰まっていて、やっぱり良いアニメだと思います。
短い時間が逆にダレ場を省略して、美味しいところだけ見せる構成に結びついているのが良い。

というわけで、みんなの共通体験小学校にも奇獣が迫り来る! というお話でした。
番場先生冒頭ナレでしか顔出さなかったけど、まぁこういう日もある。
中盤に差し掛かってさらに切れ味を増す影鰐、今後も楽しみであります。