イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

うしおととら:第22話『激召~獣の槍破壊のこと』感想

妖怪と人間が織りなす退魔神話録、キリオ篇中盤はうしとらの喧嘩と、囁くものの家。
開幕三分で最高のツンデレムーブを叩き込んで一旦場を離れるとらちゃんが、飄々とつかみどころのない流にーちゃんの解りにくいデレを受け流すシーンでした。
一応女の子のはずなのに、ヒロインレースに一切参加できてない日輪が哀れ……乳首券発行シーン、カットされちゃったもんなぁ……。

今回のお話は潮を槍と、とらを潮とそれぞれ切り離し、別キャラとの絡みを作った上で合流し直す話です。
すっかり腑抜けた潮を前に、とりあえず殴り飛ばしてハッパを入れてやる気スイッチを入れた上で、日輪PLがウズウズしているのを見て素早く退場するとらちゃんは、マジPC2の鑑。
すっかり有名無実化した『とらは潮を食べる妖怪』という初期衝動を活かし、せいぜい悪そうな顔を作ってアマガミしに行くところとか、ほんと完成度高いツンデレですね。
まぁアマガミいうたかて血ぃドバドバ出てましたけど。

その後流と合流して色々話しつ共闘しつつなわけですが、人間嫌いのとらが背中を預けるってことは相当なもんでして、とら流はこの時点ですでにキテる。
己の空疎さを穏やかに激白しつつ、とらちゃんへの好意を剥き出しにしてキスまでしちゃう流も、相当のとらキチです。
そんな二人の絡みは潮がいなければこそ成り立つわけで、やっぱあの素早い離脱は上手い手だよね。

流兄ちゃんは『飄々としていて頼れる兄貴分』を人間の形に入れて抜いたような造形をしているので、デレ期も解りにくい。
しかし結末を知ってしまっている既読者から見ると、あの告白は相当な重さを孕んでぶっ込んでいるわけで、ほんととらの事好きだなーと思います。
必殺の五行アクションも冴え渡り、ほんと流兄ちゃんは美味しいキャラだな。


一方、アクションもセクシーアピールもカットされた日輪がだ、潮だって骨骨マンとの修行をカットされてんだよこの野郎!! って感じだ。
いやね、僕あの修行シーンすっごい好きで、是非アニメでも……とか思ってたんだけど、まぁ2クール以内にHAMMERまでやらなきゃいかんわけで、何処しっかりやるかといえば流との交流と斗和子の怖い顔なわけで。
過去行ってからキメ所の演出は本当に冴えていて、斗和子の異形の瞳もバッチリ再現されていました。
キリオ編はうしとら全編の中でも独特のダークさを持っていると思いますが、それを出すためには斗和子の眼力は再現必須なわけで、色々飛ばしつつ必要な足場は抑える辺り素晴らしい。

今回潮のモチベーションは日輪よりもむしろ、獣の槍に向いていたと思います。
過去編で槍との絆を深めたからこそ増長もするし、奪われて取り戻そうという気持ちも湧いてくる。
ここら辺は過去編で槍の来歴をしっかり体験させ、アイテムではなく相棒として高めた蓄積が生きている印象です。
過去描いたお話が無駄にされず、有機的につながってる感じは長編って感じして良いなぁ、やっぱ。

主役たちを掘り下げるだけではなく、キリオの背景を暴いていくのも今回のテーマ。
ダークな雰囲気ただよう洋館を舞台に、化け物に襲われたり日記を見つけたりして進む囁くものの家探索は、独特の雰囲気があって好きだな。
引佐のマッドサイエンティストっぷり、哀れな犠牲者っぷりも印象的だったし。
お話しの目的は引狭を使って黒幕である斗和子を印象づけることにあるので、赤ん坊攫ってきた辺りのドン引き加減とか良い塩梅だったと思います。
『キリオが促成栽培されるまで、ヤバさに気づかなかったんかーい!』と突っ込みたくなったけど、武器開発に行き詰まって頭おかしくなってたし、斗和子のオリジンを考えると男たぶらかすのはお手のものだし、ね。

もうちょっと停滞するとおもいきや、色々カットしつつグイグイ先に進んだキリオ編・中編でした。
いろいろかっ飛ばしてはいるんですが、勘所を抑えてシーンを構築しているので、モチベーションのラインに乱れがないのは素晴らしい。
流兄ちゃんに一瞬浮気したとらちゃんも、無事潮のもとに帰ってきたところで来週VSキリオですが、今回妖しさ全開で見せた斗和子をどう活かしてくるのか、楽しみです。