イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

Dance with Devils:第11話『漆黒と紅蓮のサンバ』感想

女の値段は、ヴァンパイア軍団と命がけで戦ってくれるオトコの数で決まる!!
野獣系伝奇乙女アニメ、最終決戦前夜の第11回です。
『攻略対象である悪魔ボーイズを悪者にするわけにゃいかないので、俺らがぶっ倒されれば終わる状況を作るぜー!!』とばかりにワルアピールをしまくるヴァンパイア軍団と、『オラお前ら、早く決戦のバトルフィールドにたどり着かないと放送枠終わっちゃうぞ!』とばかりに情報を取りまとめ話をすすめるポメラニアンのおかげで、クライマックスの舞台が整いました。

今週のお話は主にラスボスたるヴァンパイア軍団をぶっ飛ばす理由づくりと、イケメンがカチコミかける理由づくりの二つで構成されていました。
『俺たちは悪い。外見もちょい悪オヤジだし、女も侍らしてるし、ドーベルマンも飼ってる。血もゴクゴク飲むし嘘も尽くしビンタもする。あとお前殺す』とばかりに、悪徳をどんどん積み上げていくネスタ様とその部下はいい仕事してました。
ぶっ飛ばすことで話が収まる立場の奴らは、やっぱ思う存分悪辣な方が有り難い。
まぁ、あんだけ露骨に『暴力詐欺師です』ってオーラ出してたジェキ(とその上司ネスタ)が嘘ついてなかったら、色々困っちゃうしな。
あと『女にエロい格好させたり、アバズレ呼ばわりしたり、道具扱いする奴は悪! Die Now!! 世界で一番お姫様、そういう扱い心得てよね!!!』という無言のメッセージは、ダンデビがいかに乙女の欲望充足装置としてのセルフ・イメージをしっかり持っているかを示していて面白かった。

ヴァンパイア軍団が死ななきゃいけない理由付けとして、リツカ本人を騙したり殴ったり殺しかけたりする以外にも、ちゃんとアズナをぶっ殺したことを強調してたのは良かったです。
アズナの視聴者好感度はおそらく高いので、リツカがちゃんとアズナのことを思い出し、彼女のために涙したのは主人公への好感度を上げるナイスムーブであった。
やっぱして欲しいタイミングで、して欲しいことをしてくれるキャラクターとかお話って、見てて気持ちいいわよね。
アズナがどんだけ高潔で死ぬべきでない人間だったかを見せることで、ヴァンパイアが死ぬ公益性が強調されているのもグッド。
幻覚状態でもきっちり『お前ホントはレムが好きだべ? 言ってみ? 素直になってみ?』というトス上げをして、お話がまとまる筋道を整えるアズナはNPCの鑑やな。


『くたばれ嘘つきヴァンパイア! Rock&Roll!!』と吠えた主役に応えるべく、攻略対象たちは雁首揃えてカチコミ体制を整えていました。
前回『You好きって言っちゃいなYOソング』でレムを追い込んだ甲斐もあって、モチベーション面ではいい塩梅だったんですが、情報の流れが滞っていたところにポメラニアン爆誕。
『お前リツカにデレるイベントとかあったァ!?』と突っ込みたくもなりますが、コイツが賢いっ面で色々教えてくれないと話が進まないんだから、いい仕事したよマジ。
まーリツカからは出ちゃってるからなぁ、超雌フェロモン……清純派の仮面つけたままたくさんの男にチヤホヤされたいという欲望をスムーズに叶えてくれる辺り、ダンデビは素晴らしい。

『このままじゃたくさんの男に慰み者にされちゃう! エロ同人みたいな目に合わされちゃう!!』とピンチを楽しむリツカさんにいいトコ見せようと、超カッコいいバトルユニフォームにお色直ししてかっこ良く登場したところで取り敢えず爆笑しました。
まぁ晴れの舞台だからね、一張羅にも着替えたいよね……でもなんか変だよなぁ、特に"フィフス・エレメント"の衣装みたいなウリエの嘘和服。

そして己の性的欲求と素直な恋心を、アツいライムに乗せてお送りするお歌タイム。
ダンデビはオスの性的興奮を直線的にではなく、エロティックな歌詞という特殊な形態に加工してぶち当ててくるところが面白いと思う。
露骨にギンギンなところを見せられると萎えるけど、加工する手間暇を使ってくれればOKということなのだろうか。

とまれ、ムッツリ大臣だったレムもようやく自分の気持を素直に表してくれたので、後はクソヴァンパイア共を皆殺しにするだけって所まで来ました。
いやー長かったなぁ、秘密握りこみフェイズ。
……突入前のウリエの言動を見てると、やっぱアイツはリツカをダシにして幼なじみに精神的成長を遂げてもらうのが狙いの、尽くす系ホモだよな。(誰に同意してもらえるか解らないボトルメール

後は超カッチョいい異能アクションでヴァンパイアをぶっ殺し、ちょいワルネスタの圧倒的パワーに軽くピンチになった後真実の愛パワーで大勝利すれば大体終わります。
ダンデビのオーソドックスな話運びを揶揄しているように聞こえてしまうかもしれないんですが、分かりやすく真っ直ぐな話運びを続けつつ、笑いと欲望充足をたっぷり詰め込んでくれるエンターテインメイト力を、本当に良いもんだなぁと感じながら見ております。
お話の最後まで勢いと可愛げを弱らせることなく、気持よく走りきって欲しいものです。
……最後に空から降ってきたバラにリツカのフェイスフラッシュぶち当てたら、神の奇跡が起きてアズナ復活くらいの展開でも良いっすよ、俺は。(聖女の復活のためならば、多少のゆで力導入も厭わない狂信者顔)