イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

ルパン三世:第19話『龍は静かに眠る』感想

怪盗のアイコンがイタリアで大暴れするアニメ、今回はルパンとニクスの厄介道中。
謎のお宝『ドラゴンズテイル』を巡って、アクションのさなかで謎が二転三転する、いい意味で視聴者を落ち着かせない展開。
"ザ・ロック"みたいな監獄アクションかと思いきや、MI6の裏切り者探し……と思ってたら、最後にもう一枚どんでん返しって枚数の使い方は、非常に2015らしい。

今週の大筋は、MI6を抜けたニクスが因縁に決着を付ける話でして、同時にパーシヴァルの退場話でもある。
正確に言うと、これまでライバルだったニクスが仲間になる地ならしと、パーシヴァルからダ・ヴィンチにラスボス枠を交代するお話、なのかな。
まー正直パーシヴァルおじさん地味だしハッタリ効いてないし、ここで役割交代するのは全然OKだわよね。
何しろダ・ヴィンチ、レオナルド神拳使えるからな……なんだよ、あの魔拳・耳小骨ずらし……。

パーシヴァルは実質自滅だし、内通して何が知りたかったのかはわからなかったので、まだまだラスボス担当芸術家おじさんには謎が残る。
2クールアニメのラスボスなので、余裕たっぷりの強キャラ力を損なわないまま、ふんぞり返っている方が良いのかもしれない。
今回も殺人を行ってないので、まだ『ダ・ヴィンチおじさんいい人説』が俺の中で消えないけど……別に悪人じゃなくても、怪盗の敵役は出来るか。
巧く掘り下げたら、なかなか面白そうな要素だしな、絶対悪ではない敵役。


ニクスおじさんは今回の話で、前クールから引きずってきた『ガチで殺しに来る厄介な敵』という立場から、『ともすれば協力できるライバル』という立場に、巧く足場を変えたと思う。
これはパーシヴァルからダ・ヴィンチへのBOSS変更と対応してて、終盤協力展開をやる布石なのだろう。
単発でもアクション巨編として見所のあるエピソードに仕上げつつ、シリーズ全体での仕事を考えて話を配置してあるのは、冷静な物語展開でナイスだね。
家族ネタを積極的に拾い、協力体制をドシドシ作るルパンの動きもあって、即席バディモノとしてなかなか面白かったです。

意味ありげに強キャラぶってたテロリストとか、秘宝『ドラゴンズテイル』の正体とは!! みたいな序盤張ってた謎を爆弾でぶっ飛ばし、あっという間にハードコア・アクションにジャンルが変わる流れは、勢いがあって好き。
お話を引っ張る謎が『ドラゴンズテイル』からMI6の内通者、そして存在しない内通者のトリックに移り変わりつつも、ミステリ自体は24分通して持続させ、興味を失わせない安定感もあるし。
勢いありすぎて、ニクスとパーシヴァルの殴り合いの作画がまた凄いことになってたけども。
第11話の殴り合いといい、ニクスがステゴロ仕掛けると濃い目の作画になるルールでもあるんだろうか。
見ていて楽しいので、視聴者としてはありがたいけども。

死人がバタバタ出るハードな話は久々だったけど、アクションは見れるし、修羅場でも軽口叩くルパンの軽妙さも堪能できるし、こういうのも良い。
色んな切り口で輝けるルパンというキャラクターの多様性を信じて、本当に色んなジャンルのエピソードを用意し、1エピソード内部でもジャンルを変える冒険を敢行し成功しているのは、何度褒めても足りない2015の美点だと思う。
それでいて地道に本筋展開する準備もちゃんとやってるからな……よく出来てるし、面白いアニメだね、ルパン2015。