イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

Dimension W:第6話『アフリカの風』感想

プロメテウスの火を手に入れた人類の未来を、時代遅れの無骨者が疾走するアニメの第6話。
これまで可愛いポンコツとして噺を引っ張ってきたミラに代わり、無愛想な男ツンデレ・キョーマさんが軸になって褐色ショタを引き受ける話でした。
キョーマさんの過去への目配せ回であると同時に、クライマックスの舞台になりそうな運命の島・イースター島への繋ぎを作る話でもあり、地味な展開の中で色々やってたなぁ。

これまでキョーマさんは無愛想な能面ヅラに自分の過去とか本心とかを隠し、ハードボイルドに過ごしてきました。
これはミラという『人間以上に人間らしい』ロボットの個性を際立たせると同時に、後半へのタメというか、発掘するべくして産められた物語的遺産だったといえます。
どうやら悲しい別れ方をした嫁さんがいて、それを吹っ切れないまま生き延びてきたとか、その運命がイースター島に結びついているとか、今回出た情報はまさに満を持して掘り起こされ始めた感じがあります。

キョーマさんはサイバーパンク・ハードボイルドの住人に相応しく、色んな過去を背負いつつそれを表に出さないワケあり人間なのですが、鉄面皮で隠していてもじわりと人情がにじむ人ではあって。
今回も天然無垢系美少年を鬱陶しがりつつ、何かと世話を焼いてしまう男ツンデレの可愛げを見せてくれました。
ソリッドなコイル世界を泳ぐプロフェッショナルの顔と、時折見せる人情家の側面の出し入れはこのアニメ結構上手くて、ぶっきらぼうなキョーマさんが秘めている優しさと過去がいつか表に出てくるんだろーなーと思いつつ、お話を見守ってきたと思います。
今回キョーマさんの過去が少し顔を見せたのは、ここら辺の期待感が報われた感じがあって、とても良かったです。


物語は過去だけではなく未来にも進むわけで、そこを担当していたのが超義体の褐色ショタ・ルワイ。
前半天然っぷりで走り回っていた姿と、超性能で4号ちゃんをスクラップにして、全世界に挑戦状を叩きつける勇姿がどうにも繋がりませんが、ここら辺は島でのお話が進展したら判るところなのだろう。
いかにもいろいろ有りげに登場した兄サルバの狙いといい、クライマックスに登場するキャラの顔見世回って側面が強い話でしたね。

イースター島にはキョーマさんも強い因縁を持っているようで、過去と未来が交錯して現在に繋がり、主人公に強い当事者性をもたらす展開はストレートかつナイスなものでした。
『最終決戦は因縁の地』ってのは、しっかり踏むととても面白くなる、まさに王道的要素。
ここら辺を盛り上げるために、来週はより深く、よりストレートにキョーマさんの過去を掘っていく感じなのかしら。
キョーマさんの超人演出の足場としてやたらとワッショイされる近未来鷹の団こと『グレンデル』の実体も含めて、色々気になる所です。

今後強いパンチを打ち込むために、これまで積み上げてきた伏線の足場を活かすために、状況を整理しつつ筋道を付ける回でした。
ミラの出番が減ってみると、如何に自分があの可愛いポンコツを楽しみにこのアニメ見ていたか痛感しますが、お家に帰ってからスネたり膨らんだりする表情が可愛かったので良しとします。
来週はキョーマさんの過去回っぽいですが、何故むっつり時代遅れ野郎はむっつりしてしまったのか、重さと感慨のあるお話が見れるといいなぁと思います。