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イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

『神話創生RPG アマデウス02 旋血ラグナロク』レビュー

TRPG アマデウス レビュー

ガッツリ力を入れて展開している冒険企画局の勝負球、待望のサプリメントが出ましたので、レビューをしますよ。


・全体的に
中身の方は基本的にオーソドックスな作りで、追加要素を活用したリプレイと、プレイを拡張する新ルールや新データがぎっしりたっぷり詰まっています。
基本ルールで遊び方の基礎を提供した上で、色々発展できるアペンドルールをプレイグループの好みに合わせて導入していくやり方は、複雑さと新規性のバランスを取りやすく、実プレイの方をしっかり向いた展開だと思います。


・リプレイ
リプレイは新規PLの望月さんが非常に良いPLで、自発的にちょっと捻った設定のキャラを出してプレイの温度をあげたり、TCGゲーマーらしくデータ関係の飲み込みが早かったり、安心できるプレイングでした。
P85で『職業補正をトンチで使おうとするものの、スムーズな流れにならないので諦める』というプレイングが明文化されているのも、実プレイで問題になりそうなポイントをちゃんとリプレイの中に取り込んでいて、プレイエイドとしても優れていたと思います。
『再演されるラグナロク』という新要素をリプレイ内部で完結させず、上手くPLサイドに投げてシナリオソースとして活用していたり、掲載シナリオに関連付けて展開させていたのも、なかなかグッド。
サプリメントのガイダンスとしても機能するし、読み物としても楽しめる、良い教本リプレイだと思いました。


・追加ルール
かなりもっさりと色々追加されていますが、全部一気に導入するとデータの海に溺れるので、基本ルールブックに掲載されてる範囲を遊んで、『ちょっと足りないな』『ここらへん詳しくやりたいな』と思ったら任意に導入する、くらいが良いんじゃなかろうか。
とりあえず大きいのは『北欧神群』『ラストクロニクル神群』の追加と、二つの背景の追加、あと能力面でビミョーな獣の子・機械の子を強化する『異骸』の導入あたりかなぁ。
『執行人』はいわゆる上位クラスで、強力なボーナスとペナルティを同時に受けることで、スペシャルなアマデウスになれるというもの。
データ関係はのちのち細かく見ますが、基本ルールの範囲だとあまり重要ではなかった『移動』『休憩』周りを強化し、重要な割にフォローアップの薄い『偵察』周りも分厚くなりました。
ゲーム的な意味合いが消滅しかけたり、逆に判定がシビアすぎてストレスになってたりと、ルールが軋んでいるところを手早くフォローしてくれるフットワークの軽さは、非常に信頼が置けます。

敵データもたっぷり追加されていましたが、ラストクロニクル神群を導入したことで、シナリオパターンの横幅が広がったのは非常にグッド。
英雄が現在に蘇り大暴れするFateごっこシナリオもやれるし、童話や物語のキャラクターが現実を侵略するForestごっこシナリオもやれるようになって、自由度が広がりました。
単純に『敵』のパターンを増やし過ぎると、世界観と食い合わせが悪いものも導入され、『このゲーム気づけばなんでも出来るようになったけど、何するゲームだっけ?』となったりしますが、『英雄』と『物語』という『神話』に近しいジャンルを導入したことで、本筋をぶらさず上手く拡張した印象です。
まぁ俺ラストクロニクル一切知らんので、元ネタの中で『英雄』がどういうポジションなのかサッパリ判らんのだがな!!
あとアンタゴニストが追加されたことで、アマデウスが敵に回る展開をスマートにやれるようになったのも素晴らしい。

異界ルールは世界観の掘り下げ半分、プレイのスパイスを追加するのが半分という感じで、回数を重ねてディープなプレイを楽しみたくなったら導入すれば良い感じだ。
各神群の異界ごとにサービスやアイテムが色々追加されているんだけど、ゲームでの手番であったりコインであったり、ちゃんとコストが設定されているのは良い。
PLってのは無条件に強化できる要素を見つけたら、ノータイムでブッ込んでデータを複雑化させたがる生き物だからな!(自分のことは棚上げマン)
『その異界でしか出来ない行為』を設定することで、PLがそこに行かなければいけない理由を強化し、只の設定追加ではなく、シナリオが盛り上がりそうな要素として活用できるデータにしたのは、非常にグッド。
『PCの武器がBOSSにぶっ壊されたので、厳しい旅を乗り越えオリュンポスに赴き、ヘパイトスに修理してもらおう!』という展開を、ちゃんとオフィシャルなデータの裏打ち付きでやれるのは、なかなか大きい。
他神群の異界も、神話の要素をコンパクトにまとめつつ、雰囲気と実利を兼ね備えた、実プレイで使えるデータになっていると思います。


・追加データ
さー蟲共起きろ、餌の時間だぞ!!(露悪的なご挨拶)
こっからは各種データをギチギチと読んでいくぜ!!
親神のレビューもしますので、記述方式に関しては過去記事

lastbreath.hatenablog.com

を参照してください。

◎北欧神群
殺したり殺されたりすることが大好きな、サドマゾ葉隠イズムに活きる神様たち。
データ的にも死んだり殺したりすると何かが起きるデータが多数あって、面白い部分でデータ的な特長をつけてきたなぁという印象。
ぶっちゃけラスクロ弄りにくいので、世界観絡みの追加はほとんど北欧が担当しているね。
ラグナロクは良いシナリオソースだと思うので、正しい判断だと思う。

共通ギフトは実践的なものが揃っており、高火力高リスクな<テュルフィング>、コストは重いが小回りがきく便利武装<八脚馬>と、ヴィーキングが信仰しただけではある超実戦派。
<呪歌ガルドル>は愛で命中判定が出来る上に火力もそれなりのナイス武装なんだが、北欧に芸事の神が少ないため、副次効果を有効活用するのが難しいかな。
<狂戦士>は「破滅の色」強化も強いが、5でスペシャルの効果がとにかくつえーので、自発的に変調を背負えるシナジーを組んでおきたい。


オーディン 38.5 S
人間の業を煮込んだような北欧ゴッド達の頂点に立つ、戦争と知識と魔術で大暴れな隻眼ゴッド。
武勇Aをベースに、全体的にハイポテンシャルな能力分布をしており、様々な局面で活躍できるという、さすが主神ッて感じの能力値。
愛が低いのが玉に瑕だが、ピンポイントに<慈愛の心>が追加されてケアできるようになったため、最も隙が少ない親神かもしれない。
<狙撃>の追加で槍は一躍強武器の仲間入りを果たしたため、<勝利の魔槍>を取らなくても十分以上に殴り屋としての性能は一線級。
とっても十分以上につええけど。
<ミーミルの首>は発動すれば強いんだけど、コストが重たくてミドルフェイズに展開できるか怪しい所……頭脳もB+だし、
あと伊藤真美のイラストが最高すぎる……おああああ! "秘神譚"二巻みてぇええええ!(発作)

・フリッグ 36 A
北欧親族の肝っ玉母ちゃんであり、ヘラと並ぶ陰謀家系正妻ゴッデス。
能力値は比較的フラットだが、ダイスを二個降って順当に因果を増やせるB能力値はこのゲームでは超強く、高水準にまとまった良い性能だといえる。
武勇を補強して短剣で殴っても良いし、<呪歌ガルドル>で殴っても良いし、汎用術式で殴っても良いしで、殴り役としての仕事はキッチリ果たせるのも強い。
<母の祈り>は条件が軽い優秀なヒールだが、タゲが『フリッグが』+の感情を持っている対象なので、実プレイとそこまで関係ない状況だと発動しにくいとは思う。
トモダチのオカンの加護を受けるために、積極的にご機嫌伺いに行く生々しいシーンを作るのも面白そうではある。

・トール 36 A
北欧が天下に誇る脳筋ゴッドであり、マーヴル方面でも大活躍な雷ゴッド。
頭脳と愛というリサーチ二大能力が低いが、<霊波計>で補うと良いんじゃなかなぁ。
武勇Aと槌の組み合わせは殴り屋として一線級であり、さすが戦神という能力。
<ミョルミルの槌>は単純火力というか、オープンになってない相手をボコ殴りにするという特殊効果が超つええアイテムであり、女装したりたまにハメ技思いついたりするトールの器用な所をちゃんと表現しているナイス特技だ。
休憩は今回かなり強化された行動なので、移動からシームレスに繋げられる<山羊の戦車>は見た目より強い。

・バルドル 41 S
あらゆる存在に愛されれるリア充ゴッドであり、おかげでロキに妬まれて愛する弟にぶっ殺されるハメになる哀しみゴッド。
あふれるリア充力を反映して能力は全体的に高めであり、旅が苦手なくらいで全局面マジ強い。
<呪歌ガルドル>との相性も良いんだが、芸事ギフトもないし、素直に直剣で殴りに行ってもイイだろう。
死なずの伝説を持つだけあって驚異的なタフネスを誇っており、HPを消費して達成値を買うゲーム性と、発動が早くコスト少なめでHPを回復できる<復活者>の噛みあい加減がヤベェ。
<フリッグの約定>も強烈な軽減能力を持っているが、自分にタゲを引き寄せる能力はないので、<守護者>などで補いたい所。
獣の子なら、「植物の体」で更に軽減能力上げることも出来るしな。

・ロキ 42.25 S
ブルースフィアでカレー屋をやったり、魔探偵になったり、色んなメディアで大人気な道化ゴッド。
ライバルであるバルドルをさらに上回る能力値を誇るが、黒インガを軸に立ちまわることになる悪神であり、実プレイの感覚としてはクトゥルフ神群に近いだろう。
武器が杖でよえーので、<怪物の父>を取得して他人のサポをしつつ、自分は殴るプレイが強い。
キッチリ対空ついてるから<狙撃>でぶっ込めるしな……空を制するものが戦闘を制する時代になったなぁホント。
<悪神の戯れ>は術式発動を低コスト化出来る優秀な特技だが、前提のおかげでPTに別方向から負荷をかけるのと、結局偵察にキッチリ成功して発動する前に殴り殺すムーブが強いので、あんま出番はなかったりする。
あと詫び石はよ。

・ウルズ 43.5 S
褐色肌の冬馬由美声になったりする、死と過去を司る三姉妹の長姉。
C以下の能力を一切持たないスーパースペックを誇り、ハイポテンシャルな北欧の神々の中でも特に狂った性能してやがる。
霊力Aを活かして術式で殴りに行くか、サポート性能が高い汎用性を誇る<追従する家霊>で殴りに行くか、選択肢の幅は広い。
<名誉ある死>はデスペナルティを確定させる代わりに、PTの継戦能力を跳ね上げる強特技。
相手の承認を取らなくても運命操作が出来るのだが、『死』というのはかなり重たい要素なので、可能な限りOKを貰ってから使おう。

・ヴェルザンディ 38.5 S
死と死に挟まれた反映の現在を代表する、甘やかしおかーさん系ガッデス。
ハイスペックな他の神々に比べると得手不得手がハッキリした能力値だが、得意分野はきっちり抑えている分かりやすいスペックとも言える。
<呪歌ガルドル>との相性はいいのだが、この子も芸事は抑えていないので色々悩ましい……術式殴りも出来ないわけじゃないので、好みのビルドに仕上げると良いだろう。
とにかく<幸運の守護霊>が究極的な強まり加減であり、キモの判定を抑えてセッションの安定度を跳ね上げるスーパー強特技である。
オススメの使いドコロは頭脳Cとかの偵察判定。
<日々のたまもの>は日常Aを活かして自分に使ってよし、他の日常系メンバーのサポに使ってよしの良サポなので、こっちもやっぱ強い。

スクルド 38.5 A
ノルニル三姉妹の末っ子として、みんな大好きヴァルキリー代表として、ガンガン魂刈り取る血生臭ゴッデス。
ハイポテンショルとはいえないが、実プレイでの使用頻度が高い能力が軒並み高めで、実戦での発揮値は相当高い。
武勇Aなので、直殴りはなんでも出来る。
スキル枠なしでもらえる直剣でボコ殴りにしても良し、<死せる戦士>で血みどろ剣術を発揮しても良し、<テュルフィング>で殺したり殺されたりするのも良し。
君の好きな武器で、好きな殺し方をしてキャラを表現しよう!!
<テュルフィング>は<血塗られた行く末>との相性もいいが、そもだに戦闘が多い時点でキツく、「致命傷表」を振るとこまで追い込まれたら更にキツい。
先手必勝大火力で安定した展開を狙う定石から外れ、リスキーな戦場を楽しみたい時にオススメのビルド。


◎ラストクロニクル神族
これからのTPRGは積極的に外部コラボとかしなきゃダメー!!! とばかりに、別メディアからこんにちわしてきた神群。
オリジナルファンタジーというものは一種神話の二次創作的な部分があり、一次創作である神話の神々と直接繋がれる既存神群に比べると、元ネタに思い入れがない立場だと正直扱いに困る。
自分は元ネタ知らない人なので、正直な話どう扱って良いのかわからないが、素直に書いてあることを受け入れ、ゲームオリジナルの神群として処理するのが一番自己が少ないかなぁと思う。
神話キチとしては『この枠で中華とか、ダナーンとか、シュメルとか、アステカとか、環太平洋とか、マリ・ソンガイとか、色々入れられたんじゃねぇの?』と正直思わなくもないが、やって来たデータは歓迎しないとマンチの名がすたるぜ。

一般特技は全体的に強めで、インガを弄る能力に長けているのが特長か。
強武器や強術式には欠けるが、親神の戦闘力が高い事が多いので、そこら辺は個別に補えばいい話。
<異能>は相当面白いスペックをしており、くっそ重い<輝くトラペゾヘドロン>とか<島つぶて>をぶっこみたいロマン野郎が、マンチ力の全てを動員してコピーするのにオススメ。


・ラ・ズー 40 A
実は既存の親神には少なかった、人間の形していない系ドラゴンゴッド。
オオトカゲの外見している割に非常に穏やかで理想的な神で、他の主神に爪の垢を煎じて飲ませたいキャラ。
殴り性能としては直剣で素直にぶん殴ってよし、<聖戦の祝福>でサポしながら殴っても良し、色々出来ることは多い。
<龍王の厄災日>は強烈なキメ技だが、バックファイアと回数制限がキツい。
もうちょっと頑張って<火球>でも良い気がするが、実戦ではどんな感じかなぁ。

・ベルカ 38.5 A
これも案外少ない、人間がアセンションして神様になった系ゴッデス。
分かりやすく中華拳法家アイヤー姑娘であり、素直に<天地命刹流>で手甲強化して殴りに行くビルドが強い。
<ガイラン・ストライク>はプロット1を抑え、一周殴り合いをして本体のHPをある程度削ったあとのフィニッシャーとして最適の能力であり、キメ技としての完成度は非常に高い。
<ソウルブースト>も悪くはないんだが、現状瞑想という行動自体があんま強くなくてなぁ……。

・イェルズ 38.5 A
トールとかタケミカヅチとか、そういう関係の武神であり雷神でもある竜騎士ゴッド。
権能にふさわしくとにかく殴るスペックとして完成度が高く、その分外のフォローアップは抑えめ。
とにかくギフトのコストが重いので、<異能>との相性はいい気がする。
<嵐の進撃>は戦闘の機転を制することが出来る強特技だが、偵察判定の時に白白白が埋まっているためには、おそらくパーティー自体を白染めに近い状態に仕上げなければおっつかない気がする。
ここら辺はフリーでダイス触れるタイミングが多いか少ないかという、シナリオのチューンアップに依存する部分なのでどうとも言えないが、案外発動することは多くない気がする。
<雷皇印の疾風>はコストに似合った強さだが、ただ6の目を出すだけでは追っつかないので、狙うときはきっちり<親神への嘆願>して確実性を増しておこう。

・ガイ・ヴェ・ナム  43.5 S
ダークネスな過去生を背負い、悪神としてアセンションした黒太子ゴッド。
黒属性の神様らしくベーススペックは高く、動きの幅が拾い殴り役として活躍できるだろう。
<呪殺>でスキル枠を圧迫しなくても、優秀な武装である曲刀を使いこなしボコ殴りしてたほうが、安定性は高い気もする。
<神殺しの魔弾>は消費できるHPに上限がないため、一気に即死領域までブッ込んでダメージ+12とか出来ないわけではない。
あまりのスーサイドっぷりに簡単に死が見えるので、北欧神群のアレソレとシナジーしたり、<カァ>でフォローしてもらったり、撃った後のことも考えるとなおグッド。
<痛覚反射>は弱いわけではないが、このゲームで黒黒コストは敗着の一歩目なので、データがどうあれハイコストになってしまうなぁ。

・イズルハ 41 S
長刀をブンブン振り回し、武者蹴りぶっ込んできそうなオーラムンムンの武者巫女ガッデス。
兎にも角にも<青き覇力の暴威>……つーかオーラの特殊機能がマジぶっ壊れの超性能。
自分に自動命中+回避不能が行動消費無しで乗っかる時点でぶっ壊れてるのに、それが他人に使えて発動コストがそこまで重くない時点で、マジクレイジーな性能である。
思わず呪詛で敵の脅威を固め、露骨なメタ体制を貼りたくなる。
貰える武器も曲刀で悪くなく、武勇もBを確保しているので、本体の殴り能力も低いわけではないし、ベーススペックも標準以上。
おまけに<因果断ちの一閃>で黒インガ取り除きつつダメージアップも出来るという、全てのシナジーが完成された凶悪な神である。


◎既存神群
既存の四種にも2柱ずつ親神が追加され、共有ギフトもたくさん増えました。
新規の神たちは軒並みつえーので、そこにおっつくためにもデータの追加は必要よね。

ギリシャ神群共通ギフト
変調背負いつつ黒インガを利点に変える<不法>と、何かと失敗しがちな偵察判定を継続できる<ドリュアス>が素直に強い。
<葦笛>で移動判定を強制発動させ、<西風>で行動タイミングを作るコンボも強まっていてナイス。
つうか<西風>はコストも低めだし、支援に行動潰されるストレスを癒せるナイスギフトだ。

・ヤマト神群共通ギフト
シーンセッティングの助けになる<注連縄>の汎用性が高い。
遂にヤマトにも追加された殴り術式<雄詰>は強力だが、同じギフトは1ターン1回しか使えないので、<道返玉>とシナジー組むときは気をつけたい。
<鎮魂帰神>は重さに見合う強さだが、実プレイ中に『なーにコピーしよっかなー(ウキウキ)』とかやられると卓の殺意を集められること間違い無しなので、コピる候補は事前にリストアップしておこう

・エジプト神群共通ギフト
北欧の葉隠ゴッドたちとシナジーをなす<カァ>だが、もちろん通常戦闘のフェイルセーフとしても機能する、優秀なギフト。
<祭壇>は対空Bや対潜Bで武器を使い捨したあとのフォロー以外にも、<内蔵武器>で最後の勝負を仕掛けたあとの二の矢としても機能するし、敵のクソ能力で武器ぶっ壊された時の予備としてもグッド。
<セネト>は頭脳で交流判定と同じ効果を得れるけど、ギフト枠埋めるほどの性能かと言われると悩ましいのう。

クトゥルフ神群共通ギフト
相変わらずハイリスク・ハイリターンなギフトが多いが、<ブラウン・ジェンキン>の素直な性能の高さはありがたい。
偵察判定は是非成功したいんだけど、基本ルールの範囲だと抑えきれてなかった部分なので、テコが入ったのは嬉しい限りだ。
火力足らない感じの術式を強化する<旧き印>は強いんだけど、まー重いな……クトゥルフ神群は凶悪な攻撃術式ないしね。
<暗黒教団>の防御性能は魅力的だが、単純化力としては脆いので、副産物のコインや供物を有効活用したい。

・汎用ギフト
ヘタすると02で一番強化された部分で、痒いところに手が届くどころか、ゲームをひっくり返す性能のギフトが山盛り。
まず注目するべきなのは<狙撃>で、防御が甘くなるものの大幅に火力を上げられるため、槍や弓矢の価値が大幅アップした。
他にも愛の不足を補う<慈愛の心>とか、技術系がミドルで助かる<霊波計>とか、戦型を後出しで変化させられる<勇猛>とか、非常に強力なギフトが目白押しである。
憎い憎い絶望の闇を逆手に取れる<鬼策>は非常に強く、これを軸にHP減少を補う手段を積み、黒インガを恐れないパーティーを仕上げるのも一興だろう。
親神や背景に左右されない共有リソースが強いと、『こいつ弱えし、使わない』という扱いだったデータを補うことも出来て、キャラバリエーションの幅を広げる良い手段だと思う。
データにしろロールにしろ、不公平感がないのはTRPGにおいては大事だ。


・ハデス 36 A
お前はみんなの嫌われ者! という悲しみを背負った、旧き冥王たる西洋閻魔ゴッド。
能力の方は凸凹の少ない落ち着いた感じだが、武勇Bについてる+と槍の精度が咬み合い、殴り屋としての仕事は十分以上に果たせると思う。
<狙撃>もあるしね(徹底した<狙撃>推しスタイル)
追撃戦が条件になってる<亡者のしもべ>は。発動したら脅威の撃破ボーナスも合わせて本体を潰せる火力があるので、フェールセイフとして持っておくのも悪く無いだろう。
<二又の槍>例によって霊のごとく、書いてあることは強いが黒黒インガがとにかく重い。
自分は<鬼策>搭載するにしても、パーティー全員にそれ強要できんしなぁ……悩ましい。

ディオニソス 42 A
酒ってことになってるけど、露骨にもっとハードコアなドラッグを象徴している、酔いどれ末っ子ゴッド。
能力値の方は分かりやすい術式型で、<星乙女>でバッチリ……と言いたいところなんだけど、欲しいインガは緑と青なので、素直に<神撃>でいいだろう。
このゲームバステが嫌らしいので、範囲が広く行動回数を圧迫しない<テュルソスの杖>は非常に強い。
<酒神の杖>は<狂戦士>との相性が良いので、北の方のクレイジーガイにガンガン飲ませるプレイがアツい気がする。

・ヒノカグツチ 39.625 A
『親ぶっ殺して生まれて、即座に親にぶっ殺されて死ぬ』という記紀神話でもぶっちぎりに悲惨な神生を歩んだ不幸ゴッド。
能力分布は非常に尖っていて、武勇と技術の一本伸ばし。
おそらく全神中最も<霊波計>が機能する親神なので、鍛冶の神でもあるパパン謹製のステキアイテム持ってリサーチを踏み倒していこう。
直剣は良い性能しているので武勇Aを活かして素直に殴ればいいと思うが、<試練の炎>でブーストした<灼神>の火力も魅力的。
<試練の炎>はバンバン重傷を背負って火力をバカ上げしたいところだが、勿論HP消費はバカにならないので、上手くコントロールしたい。
<火産霊>でHP回復アイテムをパチってきて傷を治していくコンボは、勿論超強い。

トヨタマヒメ 38.5 B
『体温冷たいドラゴン肌の、自分にあんま興味が無いお母さんから生まれたいだけの人生だった……』という感じの、かなりピーキーな属性を背負った乙姫ゴッデス。
B能力を軸にしたフラットな性能をしているが、投げ縄は頼りにならないので<龍身>で殴るか、術式で補助火力に回るかしたい所。
実プレイだと余った手番は結構な数休憩に回るので、<お乳岩>が発動するチャンスは多い気がする。
自分からHPを削って効果を出すスーサイド型のキャラも増えたので、行動を潰さないHP回復は価値が上がった感じするね。

・ハトホル 38.5 A
『ホルスボーイはこんな立派な水脈で養われてんのか! くたばれ!!』と言いたくなるような、ホルスタイン系慈母ガッデス。
能力は非常に分かりやすく愛軸の術式型で、<メジェド>使えよと言わんばかりだ。
休憩を強化する二つの技能はともに強力で、BSをケア出来る<七人のハトホル>も、全体HPを回復可能な<生命の家>も、慈母らしい温かみに満ちたナイスケア。
<恐怖の女主人>は弱くはないんだが、属性が自分のメインと被ってないのと、デフォ武器の杖が弱いのが悩ましい所だな。

・セベク 37 S
水領域の荒神ということで、実はスサノオと共通点の多い鰐ゴッド。
大剣の基本性能と武勇Aが咬み合い、殴り屋としての仕事は一線級で果たせる上に、条件は厳しいものの強力なダメージ追加である<ナイルの怒り>まで持っている。
反面頭脳と愛が弱くてミドルは弱め……と思いきや、発動条件軽めの<集めるもの>がかなり良い性能をしていて、調査も担当できる実はインテリ系爬虫類である。
武勇で判定を踏み倒すだけではなく、変調ケアしたりコイン稼いだりもできるので、<寄進>で更に安定性を増すビルドもオススメ。
<鰐神の長>も他人のHP回復するし、支援と攻撃両面を無理なくこなすことが出来る、非常に完成度の高い神である。

・クトゥガ 35 A
『なんでも良いからボーボー燃やしたいぞ!』という、炎の暗黒面を体現したような狂気ゴッド。
なんだが、インガに黒が絡むことがほぼなく、他PCに迷惑をかけずに使えるクトゥルフ神群としてなかなか良い性能をしている。
一応殴りもできるけど、発動条件はやや重いものの火力と取り回しを兼ね備えた<凍れる炎>でボーボー燃やす作りがベストかなぁ。
<ほうまるはうと>は支援範囲が広く、ミドルを制圧できる強力なギフトなんだけども、コストがやや重いので発動できるかが勝負所だ。

・ツァトゥガ 42 A
地面の下でいつも腹ペコ、眠れるヒキガエル系地属性ゴッド。
能力の方は頭脳軸にフラットな感じで、さすがクトゥルフ神群ッて感じの性能の良さを誇る。
聖武器はあまり頼れないので、<舌腕>か<無形の落とし子>を取得し、殴り性能を上げていくと良いだろう。
発動条件が軽く、判定の安定性を大きく上げる<無形の落とし子>に軍配が上がるかな?
<エイボン>は最重要判定の一つである、偵察判定を制圧できる強特技。
デフォ頭脳が高いので、で-2を貰っても成功の目がある所が強いね。


◎追加背景
・機械の子 4 
獣の子と対になる、メタリックでポンコッツな人外背景。
『異骸』ルールが追加されたことで、能力補正の弱いこのニクラスが補強され、ようやく実戦級になった気がする。
バステがいやらしいゲームなので、1/2で無効化出来る『機械の体』は非常に強い。
ペナルティの方もそんなに重たくないので、ぜひともメタルボディの強みを発揮したい所だ。
ギフトの方は獣の子より直接的な殴り合いに向いていて、<特殊装甲>のタフさは素晴らしいの一言……火力高すぎる攻撃には、ちゃんとパリーンって割れるしな。
<内蔵武器>はかなりの夢いっぱい性能であり、重たいコストを乗り越えてでも発動したくなる魅力にみちている。
<神の雷>や<無色の妖蛆>と言った、『武器の攻撃力』を軒並み跳ね上げるギフトと特に相性が良いため、脅威のHPを削り切るフィニッシャーとして活躍できるだろう。

・忘却の子/謎の案内人 0/48
おそらくこのサプリメント最大の爆弾データで、数多のゲームにおいてクソマンチ共がデータ迷宮に首を突っ込み、帰ってこなかった魔窟『コピー系特技』を堂々と使える背景。
卓の連中に『うっぜーな……いつまでデータ検索見てればいいんですか~』と思われない程度に想像力を張り巡らせ、君の望むデータを作ろう!!
親神でキャラ立てるこのゲームにおいて、神の記憶が無いキャラクターというのは当然イレギュラーであり、データ以外にもロールプレイ方面のハードルも高い。
<親神の恵み>で演出可能なタグが『虚無』しかなかったり、属性が黒だったりと、地味な部分でも面倒くさいので、ゲームに熟練したら触ってみると良いだろう。

スペック的にはALLBの恵まれた能力値を、一個上げて一個下げることになる。
<失われた物語>の発動条件が調査判定なので、頭脳Aが定石だろう。
武勇Aでも良いんだが、短刀はあんま強くないしなぁ……。
下げる方はやっぱ霊力が最優先候補になるが、術式型に仕上げるつもりなら技術や武勇でも良いだろう。

パクってくる特技には無限の候補があるが、ルールブックを現場でひっくり返していると、同卓しているメンバーに無駄な時間を過ごさせ、ゲームそのものの楽しさをスポイルすることになる。
パーティーの状況に合わせて必要なギフトを持ってこれるのは強さなので、事前に強特技をリストアップしておいて、ノータイムでピックアップしてくる位の準備はしておきたい。
恐ろしいことに親神ギフトだけではなく、背景ギフトもパクってこれるので、<不屈の闘志>でベース火力上げたり、<語り部>で黒インガ操作したり、<守護者>でカバーに入ったり、各背景の美味しい要素を組み合わせてキャラを仕上げられる。
場に溜まっているインガに合わせてコピーするギフトを切り替える器用な立ち回りも出来ないわけではないが、参照/処理する情報量がオーバーフロウし、プレイが停滞する可能性が高いのでオススメはしない。
火力を追求してフィニッシャーの仕事をするも良し、ミドルで役立つギフトで判定を安定させるも良し、切り札系のギフトをコピーして戦力を向上させるも良し、本当に色んな事が出来る背景である。

なお<失われた物語>を変化させたギフトとは<失われた物語>の属性を失うので、『<幸運の守護霊>に変化させたあとスペシャルを出し、<謎の案内人>で別ギフトに書き換え』というコンボはおそらく不成立……でいいのかなぁ。
コピー系は無限の可能性を約束し、無限の調査時間を要求する悪魔の取引なので、マンチな誘惑に負けて触るよりも、普段とは違うプレイフィールでセッションを楽しみたい時に使うと良いと思う。
でもなぁ……<試練の炎>と<狂戦士>のコンボ、マジ強いと思うんだよなぁ……あと<山羊の戦車>と<西風>……。(背中からギチギチとマンチ触腕をはやしつつ終了)