イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

影鰐 -KAGEWANI-承:第1話『胎動』感想

俺達の影鰐が帰ってきた!
ショートホラーアニメの革命児、堂々のUSAT凱旋を果たしセカンドシーズン開始であります。
音響、止め得、動画、撮影効果。
いろんな部分のクオリティが上がりつつ、良いところは一切殺さず期待通りという、パーフェクトな第一話でした。

オーソドックスなホラーの強さをしっかり活かし、過去ジャンルへの引用が上手いのが影鰐の強さの一つですが、今回は"トワイライト・ゾーン"とか"スネーク・フライト(こっちは適切な例か悩むな)"とかを思わせる、航空機ホラー。
『離陸中の飛行機』という密室状況をうまく活かして、見えるか見えないかのラインを巧妙にくすぐりつつ、恐怖と驚愕を盛り上げてくれました。
やっぱ過去作品の美味しいところをしっかり踏まえて、独特のアニメーション手法の中で生きる演出に仕上げてくれる所は、影鰐の新余得できるところだ。

今回の奇獣はモスマンっぽい人喰い怪物でしたが、姿がはっきり映るまではサスペンスを煽る方向で、正体が分かってからは制御の効いたスプラッタという風に、巧くホラーの手法を切り替えてダレ場を回避していたのも良かったです。
クリーチャーは姿が分かってしまえば『未知の恐怖』とはなりませんし、人間を超えた能力を持っている以上、それを活かした惨劇が見たくなるわけで。
そういう基本的な気持ちよさをしっかり抑える、ホラーとしてのパワーを強く感じました。

単発ホラーとしてだけではなく、シリーズ物であることを活かしたドラマの捻りもなかなか楽しくて。
番場先生が恐怖の影鰐人間と化してしまった以上、人間代表ッ面で主人公するのも難しいかなーと思ってたところに出てくる髭面。
『こいつが番場先生の代わりなのかなぁ、真殿さんだし』と思ってたらあっさりぶっ殺されて、『どーすんだろ』と首をひねった所で映る刑務所、受刑者のはずなのに例のパーカー。
スタイリッシュ伝奇アクションの主人公になっても、相変わらず惨劇に間に合わない因果を含められている番場先生の、完璧な帰還でした。

そんなわけで、もはやダークホースではなく、ホラーアニメーションの最前線を突っ走る旗手としての期待に完璧に応える、素晴らしい第一話でした。
MSSPのEDテーマも相変わらず超カッコいいし、ソッコー面割れてる番場先生VS社会の側面も気になるし、来週の予告見に行ったら番場先生を載せた護送列車が奇獣に襲われる超煮えたシチュエーションだし、軽やかに『木村雅貴:置鮎龍太郎』って書いてあるし。
いやー、また1クール最高に楽しませてくれそうで、期待でパンパンですねパンパン。