イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

マクロスΔ:第1話『戦場のプロローグ』感想

ガンダムも朝っぱらからボーイがガールとミーツしてっから、マクロスも黙ってないぜ!!』って感じで始まった、歌で世界とか救っちゃう系空戦三角関係ロボアニメ。
前作"マクロスF"から八年、その第1話に猛烈な目配せを送りつつ、ドバイっぽい所でボーイがガールとミーツするお話でした。
取り敢えず基本的な出会いはとっとと済ませて、歌と戦争を画面に圧縮し、楽しいこといっぱいお届けスタイルでガンガン進めていくのは、勢いがあって良いですね。

歌姫の方のワルキューレは、戦場を自在に駆け抜け自分もリスクを背負うことで、上手く『暢気に歌いやがって』という反感を攻略している気がする。
変身バンクもあるし、ワルキューレの特殊な力でしか敵のキチガイレコードには対向できないっぽいしで、セーラームーンプリキュア的な『戦う女の子集団』のムードがよく出ている。
小清水声の美雲さんを筆頭に、みんな直接戦闘能力高いし……スパロボにおける東方不敗みたいな超人っぷりで、正しく"AKB0048"の直系だなぁと感じた。
ドローンの群れを自在に操って、戦場でも華やかさのある戦い方をするのは、ワルキューレの特別さが良く分かってグッドでした。
SFドバイ的な町並みといい、こういう細かいところのクスグリが上手いのは相変わらずだな。

メインヒロイン・フレイアちゃんはあんまりスレたところのない、純粋に芸能を愛する方言小娘ッて感じなのだが、キチレコの影響下から人を助ける特殊な能力を持っているのと、敵側の人種であるってのが特殊なところか。
運命の出会いを果たしたインメルマンくんとの恋路も気になるけど、個人的にはオモシロ武装音楽集団ワルキューレの中で、どういうアイドル活動をしていくかが気になる。
とにかくキャラが多いので、作れるドラマのバリエーションも幅がひろいのだが、その分効果的にエピソードを積み上げていかないとお話の軸は散漫になっていくだろう。
魅力的な要素はたっぷり詰まっているので、欲張りに色んなお話を展開していくのか、はたまた軸を絞ってしっかり見せていくのか、お話捌きにも期待したいところだ。
あんま関係ないが、アイカツ!のさくらちゃん、デレマスの夏樹に続いて安野希世乃さんがまたアイドルをやっており、あの方の声が好きな身としては嬉しい……どんどこ歌っておくれ。


そんな歌姫を前線に送り届ける味方のバルキリーも、エアショー的な華麗なムーブあり、楽しかった頃の"バスカッシュ"を思わせるダンス戦闘ありで、ただ戦うだけではない華やいだ印象。
複数の歌姫にそれぞれ機体とパイロットをあてがって、ツーマンセルで戦場を構築していく構成は、コンビの人間関係を描写する足場としても面白いと思う。
マクロスだし、まーた三角四角でドロドログダグダと恋愛するんだろうなぁ……メインヒロインが敵側の出身なので、"ロミオとジュリエット"的悲恋も作れるだろうしね。
逆に歌という文化を使って、人類と敵との間に架け橋を作っていく立場も担えるとは思うけど、そこら辺は今後を見守りたい所。

主人公(だろう多分)インメルマンくんは正直第一話の時点だと、あんま自分を出すシーンが見受けられなかったので、彼をどんなドラマが待っているのかは未知数。
『敵と同種族』『歌へのアツい気持ち』『特殊な才能』『純真な真っ直ぐさ』などなど、フレイヤがドラマで活かせそうな要素をしっかり一話から見せてくれたので、男の子主人公にも頑張って欲しいもんだ
多分フレイアがワルキューレ入りすると同時に、その護衛として⊿小隊に加入するっていう流れなんだろうけどね。

敵のイケメン軍団が何を狙っているかとか、どういう文化を持っているかとかは未だ不明ですが、とにかく人をキチガイにする悪い音楽を使い、バルキリーを破壊に使うという、超悪い主人公たちのシャドウなのだ。
初手から意思疎通可能な相手を配置したのはなかなか良いと思います……ヴァジュラは蟲すぎて、殺し殺され以外のドラマ作りようがなかったからな。
早くも『白騎士様』なる頭茹だったコールネームのボーイと、味方の死神エースが因縁作っていたりして、ここら辺の異文化交流(殺し合い含む)も今後膨らむんかね。
第1話は勢い重点でとにかくゴロゴロ転がしにかかったので、足を止めて状況を飲み込ませるのは、今後のお話になりそうだけど。
あとジャミングを駆使した幻惑殺法はなかなか面白かったので、今後も使って欲しいネ。


そんなわけで、勢いと映像的な楽しさがある第一話でした。
お話の基本的な構図自体は『マクロス』の枠をはみ出さない感じだけど、『色んな所を捻ってΔにしかできない物語をやろう!』という気概を感じました。
小道具へのこだわりや空戦描写も楽しく、キャラが沢山いることで『こいつらが繋がって、なんか起きそう』という期待感もある。
ポテンシャルを感じる素材をどう料理して、『今のマクロス』をドドンと世に問うことが出来るのか。
河森アニメに特有の、『多分眉毛は全てを理解してるんだろうけど、いまいち話の展開が脳に入ってこない、納得出来ない』状態は回避出来るのか、出来ないのか。
色んな事を楽しみに、来週を待ちたいと思います。