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イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

プレイレポート 16/04/10 ドラクルージュ『クーロンヌの獣』

今日はインコグ・ラボの新作常世国騎士譚RPGドラクルージュを遊んだよ。

シナリオタイトル:クーロンヌの獣 システム:ドラクルージュ DR:シェンツさん

田中くん:”白帯卿”にルヴィア=ファインブリッジ・フォン・ノスフェラトゥ:外見16歳女性:近衛 かつて太陽の欠片を単独で討ち果たすものの、その代償として全身を焼け爛れさせた逸話をもつ女丈夫。仮面と包帯に身を隠しつつも、秘めたる武勇と忠義は隠しようもない。

浅間忍さん:”剛力子爵”ミュース=アルジェント・フォン・ドラク:外見43歳男性:領主 剣術ではなく組内の腕を見初められ、次代のドラク頭首の影武者となることが運命づけられている、仮面の騎士。鬼神も平らげる剛力とおおらかな心を併せ持ち、ドラク家奥義ドラクバスターやらドラクドライバー、ドラクスパークなどを次々繰り出す肉レルムの住人。

コバヤシ:”烈火卿”アロイス・ルートヴィッフ・フォン・ヘルズガルド:外見25歳男性:遍歴 平民から野心を持って騎士に叙勲されるものの、”狂王”に落ちぶれた存在を主とする不遇の騎士。寄せる蔑視を跳ね返すべく尖った生き方をしていたが、とある事情により食客として落ち着いて以来、騎士の責務と地獄の存在意義について静かに考えるようになってきたヤングライオン

と言うわけで、耽美重点なゲームを実プレイしてきました。何分リプレイもルールブックも装飾が多く、いまいちプレイフィールがつかめなかったため実戦で感覚を掴みつつプレイする状態となりましたが、楽しいセッションとなりました。

ロールプレイをやり取りすることを最重要視して、かなり軽量化されたシステムは思い切りが良いし、世界観の雰囲気やキャラバリエーションは非常に的確にムードを盛り上げ、『このゲームを楽しむぞ!』という気持ちにさせてくれます。ゲームは気持ちでやるものなので、このやる気ブーストはすげー大事。

『耽美で吸血鬼』というと人間の絞り汁からワインを作ったり、デカダンスな快楽に溺れまくったりという絵面を想像しますが、このゲームは『吸血鬼』ゲーではなく『騎士』ゲーであり、PC達は圧倒的に倫理的な存在です。そういう行為は(PLたる僕達が基本的にそう感じるように)悪徳であり、ぶっ倒される悪役の行いとして設定されています。

色々例外はありつつも、常世国の騎士は基本民のためm大義のために『強く、優しく、美しく』生きるという、いつでもプリンセスにGO出来そうな性善説の世界だといえます。ここら辺はDR/PLともに事前の了解が取れていたので、衝突は起きなかった感じ。

デカダンスとはキリスト教的倫理の効力が破綻する所に生まれるスタイルだと思いますが、この話はバリッバリにロゴスとアガペーが世界を救うと信じられるポジティブな世界であり、己を律し、節度を知り、中庸と節制を尊び、世界の楽しみを程よく賞賛する『騎士』の生き方と、『吸血鬼』から想像されるエゴの暴走を是認する退廃とは、なかなかすり合わせが難しい気もしました。

作中のキャラクターはみな理想的人間として行動すること是とされているわけですが、その存在自体は不死であり、生殖も食事も取らない人間の範疇を飛び越えた存在です。生物としてのルールが異なる存在がなぜ、人間の倫理を模倣するのかという疑問にルールブックは答えておらず、僕らも『騎士は人を守る、そういういきもの!』というユリ熊嵐的結論を頭から飲み込んでプレイを完走しました。しかし疑問を横においた所でそれは消えないわけですし、この疑問はキャラクターの根本、世界観の根本にあるものなので、『そういうもの』以上の説得力がどっかに欲しかったなぁと、思わなくもない。

キャラクターの倫理をPCの価値観に寄せること自体は、ゲームデザイン的にも商業的にも正しいと思いますが、『吸血鬼』という強烈なパブリックイメージをひっくり返して『騎士』に据える以上、その転倒を飲み込ませるロジックがシステム敵、世界観的に一つあると、独自性も強化され、何より遊びやすい気がしました。しかも『吸血鬼』の持つ膨れ上がったエゴ自体は否定されることなく、PCの堕落としてルールに収まっているわけで、『なぜPCはPCでいられるのか』という説得力を、ゲーム内部でより強く

表現できていると、より強烈なゲーム体験を得られた気がする。

そこら辺に注力して処理するために扱うパラメーターを減らし、ルージュとノワール/潤いと渇きという割りきったデータのみを扱うよう、システムをシェイプしたのだと思います。しかしダイスロールと行いの処理がやや重た目で、せっかく魅力的な世界観で盛り上がったロールプレイの熱が、数字を処理していく内に冷めてしまうのは勿体無いと思いました。

リプレイに特徴的な装飾の多さはデータ面でも健在で、独特のゲーム用語は雰囲気を出すというかぶっちゃけ使いにくく、戸惑いのほうが強いものでした。TRPGは複雑な物語とコミュニケーションをリアルタイムで処理するものなので、スムーズにするべき場所は極力引っかかりなく作ってくれたほうが、プレイする側としては助かります。パッと聞いてゲーム的な処理が一瞬で把握できない用語の数々は、不要なストレスを生みかねないポイントだと感じました。

行いの処理もそうなんですが、細かい数字面でのストレスが軽減されきっていないのはなかなか困りもので、例えば端役の具体的な扱いがルールブックを読んでも把握できないとか、その結果妥当であろうと卓内の同意が取れる処理をすると過剰に端役が強くなりすぎるとか、バランス面でもなかなか難しい所が目立ちました。ロールプレイを加速するべくデータを大胆にシェイプする発想は見事なのに、具体的な実装に穴があるため狙った効果が出ていないのは、とても惜しいと思います。

そんな色々なモヤモヤを抱えつつも、僕個人はこの世界観好きだし、実際にプレイしていてもモリモリとロールプレイが口をつく、魅力的なゲームだと思います。無論気心のしれた仲間なので、どのくらいのロールなら受けられて、どういうバックボーンを共有しているか解っているというのも大きかったんでしょうが、自分から物語を紡ぎたくなる熱がシステムの中にあるのは間違いない。

そんなわけで、率直に言って良いところも悪いところもある初プレイとなりました。何回かプレイを続けていく内に慣れていくところ、遊びやすいように手を入れるところも見えてきて、この感想とまた違うプレイが出来そうではあります。

プレイ自体は皆で一つの物語を作り、魅力的な世界をしっかり遊ぼうという意欲がある、良いセッションでした。やっぱ他の人に良いトスあげれるとプレイが楽しくなるし、卓全体の一体感や盛り上がりも加速するんで、大事だなぁと思った。良いセッションでした、同卓していただいた方、ありがとうございました。