イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

あんハピ♪:第2話『4月11日 ハイテクな身体測定』感想

残酷な神たちが少女の不幸を観測するアニメーション、二話目はシンタイソクテイ。
定番イベントをザックザックとこなしてキャラの関係性を深めつつ、三人が背負っている設定をちらりほらりと見せる回でした。
時計を持ったうさぎも出てきたし、やっぱり彼女たちは狂気のアリスで、あの学園は歪んだふしぎの国なのかな……。(アリスモチーフのサブカルは即座にマッド色に染め上げるマン)

三人組は順当に仲良くなってましたが、あんまざっくりと心に刺さるイベントという感じはなくて、ジャンル内部の要求を素直かつストレートに満たしている印象。
あからさまに邪悪な教師の不幸観察含め、このアーティフィシャルな感じを狙って出しているのか、はたまた必要な要素を取り揃えた結果天然でこうなったのか、そこはやはり読み切れない。
『そんなもの区別付けずに、ゆるふわ定食楽しんでね!!』ってことなのかもしれないが、どーにもパッケージされた範囲からはみ出す情熱というのを三人からは感じられないので、そういう余計ごとが気にかかる。

瑠璃の工事現場フェチにしても、牡丹の病弱体質にしても、個人的にはあんま気持よく笑えないというか、笑いかけた後一瞬真顔になってしまう描き方だと感じる。
ここら辺は自分の中でこのお話を『ジャンル定形を追いすぎて、硬直化した表現』として受け取る固定観念が既にあるので、描写を受け取るときに色が付いているってことなのかもしれんが、現状彼女たちの振る舞いに柔らかさはあまり感じない。
存在としての柔らかさは即ち、何かを、もしくは誰かを前にした時の感情の自然さや切実さに繋がるポイントであり、『トンチキな世界だけど、トンチキなりに生き延びている』というリアルな手触りを実感できないのは、色々と惜しい。

この離人感最大の原因は『不幸』を観測する舞台設定の邪悪さだと思うが、アニメーションの見せ方それ自体にも理由がある気がする。
基本的に味の濃い『キメ』の部分で構成されていて、毎日のなんてことない風景を『これがコイツラが活きているライフや!! どや!!』という気合で届けてくるシーンが現状無いため、『トンチキなゆるふわエイリアンも、トンチキなりに楽しく暮らしてんだな』という実感に視聴者が落ち着くタイミングが来ないのだ。
一応メイン三人のキャラ紹介と、大体の作品のフレーム説明は終わったと思うので、今後どーでもいい日々をどーでも良く描くタイミングが欲しいところだ。
作劇上はどーでも良くても、その一瞬があることで作品の温まったさが伝わるはずなので……失礼な言い方になるが、現状人造物の冷たさのほうが強い。

ゆるふわ三人組だけだと場が転がりすぎるので、マスコットキャラが投入され、説明役とストッパーを兼任していた。
"ご注文はうさぎですか?"のティッピー、"のんのんびより"の兄ちゃんのように、少女たちの楽園に入らないアウトサイダーを用意し、お話のペースメーカーとして使う技法は、このジャンルでは一般的なのかもしれない。
しかしアイツも『不幸』を数値化し観測しフラスコの中で躍らせる邪悪な意思を感じるキャラであり、あんま体重を預けられないキャラだなぁ……。

つーわけで、二話で果たすべきところをしっかり果たしたエピソードでした。
正直ヒンヤリとした人造性を強く感じる立ち上がりだけど、『このエイリアンたちも赤い血が流れてんだなぁ』と実感できるエピソードがどっかで投下されるのか。
OPで顔を出している残り二人がどういう生き物で、この状況をどう変えてくるのか。
クソ邪悪なオーラを孕みつつ、遠巻きに『不幸』な少女たちを嘲笑う世界には踏み込むのか。
まだまだ気になることが沢山有るので、来週を待ちたいと思います。