イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

少年メイド:第4話『好きこそ物の上手なれ』感想

やさしさに包まれたなら、目に映るすべてのものがメッセージに変わりそうな優しいアニメ、今週は掃除と料理と思い出。
すっかり鷹取家のかーちゃんポジションを確保した千尋が、他人ゆえの無知で小さく間違えてしっかり成長する話と、美耶子ちゃんの桂一郎ラブラブ日記でした。
ドタバタ元気に進めつつ、最終的にしっかりいい話でまとめる安定感がやっぱ気持ちが良いなぁ……。
千尋が非常に賢い子供で、失敗や逡巡を必要以上に抱え込まず、当事者にさっさと謝ってしまう勇気があるので、事態が停滞しないのが大きいかな。

Aパートは円の宝物のお話で、クソ変態のダメ人間に思える円にも良いところがたくさんあるよ、というお話。
僕はこのアニメ、千尋と円が一足飛びに家族にならないことが大事だと思っていて、円が本当は何を大事にしているのか、今回の事件でちゃんと知るという小さな一歩は、二人の間にある程度の距離感があればこそ。
そこを一気に埋めてしまうとお話が転がっていく余地がなくなるし、しかし一歩も進まなければ徒労感がある。

家族でなければ分からないようなコダワリを出だしに置くことで二人の距離を強調しつつ、ちーちゃんがそこを一歩ずつ埋めようと誠実に動く姿を見せることで変化もあるという、バランスの良い話でした。
桂一郎さんがとっとと助けてくれるところが、人情に満ちた世界で大変よろしい。
『こういうことをどんどん積み重ねていって、お互いがお互いを思いやる二人は段々と家族になっていくんだろうなぁ』つう前向きな希望が持てるのは、この話の良い所やね。
ベタな『良い話』を成立させるために、色々気を配ってくれているところが良いのだ。


後半は美耶子のアタックを通じて、桂一郎を描くエピソードでした。
ちーちゃんと仲良く過ごす美耶子の姿もいいし、桂一郎が案外いい性格してると解ったのも良かったな……なんだかんだ円にダダアマだけどさ、あの人。
桂一郎の背景が整理されたせいで、美耶子を完全に父親目線で見守ってることも解っちゃったけど、まぁファミリーコメディだしねこのアニメ……恋仲になるだけが人間の幸せじゃないさ。(わかったようなこと言うマン)

円の女装に関しては、そのなんだ、やっぱちーちゃんと血縁ですねというか、半ズボン方面以外にもカルマ濃いですね作者さんと言いますか。
『姉の言いなりに女の装いをする幼い少年が描きてぇエエ!!』というリビドー迸らせつつも、円とちーちゃん共通の基盤である千代さんにお話をまとめていくところが、ほっこり良い話でまとめる大事な誘導だな。
死人役なんであんま出番ないかと思ってたけど、田村さんの出番多くて嬉しいなぁ……シンフォギア一期における高山さんくらい出番多いんじゃなかろうか。

と言うわけで、今日も穏やかに優しい鷹取家の一コマを見守るエピソードでした。
こういう小さい出来事が積み重なって、元々綺麗な関係がより磨かれていくお話しは、やっぱ好きだなぁ。
なんてことないイベントの積み重ねを大事にしてる感じがするね。
しかし、そろそろ折り返しも見えてくるけど、EDのアイドル少年たちはいつ本編に出てくんだろうか……。