イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アイカツスターズ!:第6話『ROCK! ロックガールズ!』感想

アイカツ名物クソドラマ回~!! つうわけで、スターズになって初のドラマ回でした。
内容の方は『最前線でバリバリやるS4』『一年トリオの女優初体験』『すばるきゅんの甘酸っぱいアシスト』『ポンコツ負け猫あこちゃん登場』と、色んな要素をたっぷり詰め込んだ感じ。
まぁすばるの霊圧とか完全に消えかけていたので、ここでインパクトのあるイベント起こして目立っておかんとな!!

扱う要素が多かった分、個別の踏み込みはちょっと甘くて、ゆめたちがエキストラ出演とはいえドラマを体験したことで、何を学んだかはややぼんやり。
『アイドルの天井』らしくドラマも完璧にこなすS4を見せたかったのか、気になるアイツとの少女漫画チックなイベントをこなしたかったのか、クッソあざとい新キャラの賑やかなキャラを見せたかったのか、あんま焦点絞れていない感じは受けたな。
個人的にはまだ話も始まったばかりだし、ひよっこアイドル達がドラマの現場に飛び込み、感じたことや学んだことを重点的に見せて欲しかったけど……まぁ色々都合もあるか。

一度しかやってこない『初めてのドラマ出演』で、ゆめたちは何を感じ、何を学んで変化と成長の糧にしたのか。
主演であるS4の驚き役を頑張るあまり、彼女たちの体験が感じられなかったのは、正直ちょっと惜しい。
スターズは成長の階段をあえて飛ばさず『フツー』に登っていく話なので、それを登っていく主人公たちの実感は、世界の解像度を担保する大事な足場になると思う。
そこを『S4は凄いっ!』というリアクションで埋めてしまったのは、いかにももったいない気がしたが……現状、あの三人にはS4への憧れ以上の感慨がない、ということなのだろうか?

ファンとアイドルの境がはっきりしないゆめではあるが、そんな彼女を挑発しつつアシストしたのが、久々の見せ場となったすばる。
演技の一環とはいえ女性をハグする存在が許される辺り、スターズで世界律が変わったことを思い知らされますが、逆に言えばサラッとあれが出来るつーことは、すばるの視界にゆめは恋愛対象としては入っていないということだ。
ド素人であるゆめを煽って感情を出させ、それに乗っかる形で演技を作ってしまう手腕はなかなかのモンで、男性トップアイドルとしての説得力があった。

S4と一年生トリオの接触が今回薄かった分、メンターとしての仕事もしっかりしていて、今回のお話では一番存在感があったと思う。
現状典型的な『子猫ちゃんをからかうイジワル☆ボーイ』な動きをしているすばるだが、今後恋の対象としてゆめを見たり、一アイドルという同等の存在として扱うエピソードが来るんだろうか?
ゆめのドン亀っぷりをかなり強調して、スターズはここまで展開しているので、すばるにまともに扱われるまでは結構お話の蓄積が要りそうだ。


そんなすばるLOVEを全面に押し出しつつ、早くもポンコツ力満載で暴れてたあこちゃん。
今回は顔見世程度であんまりキャラが分かる描写は多くなかったが、ポンコツで負けライバルで元気が良くて根がいい子でねこキャラでドルヲタでプライド高いバカってことくらいだ。
……結構多いな、ていうか過積載だなこの子……。
ライバルキャラとして出てきたローラはすっかりゆめのオカンとして安定してしまったので、あこちゃんには甘い関係に飛び込んだ一粒のスパイスとして、場をかき回して欲しいもんだ。
まぁ超チョロオーラ既に出ているので、あっという間に楽しい仲間になりそうだけどさ……。

主役ではなかったけど今回登場したことで、今後賑やかしとしての出番も増えそうだし、そのうち来るだろう個別エピにてキャラが掘られるのが、楽しみになる顔見世だったと思う。
美組で『捕食獣(プレデター)』としての英才教育を施された小春ちゃんに、ソッコーロックオンされてたのはご愁傷様って感じだがな……。
『ローラも来たし眼鏡だし、お役御免でフェードアウトだろ』と侮っていた小春ちゃんが、一人だけ"青い花"のキャラみたいな属性引っさげて強まるとは、全く想像してなかったなぁ……。

S4の皆さんは相変わらずのスーパーアイドルっぷりで、バイクとヘリが出てた来た時に『あ……スターズでもこのクソドラマ路線は継続するんだな……』と思いました。
エエ、好きですよクソドラマ路線……"ビリギャル"なのか"SCHOOL OF LOCK!"なのか、パクリ元をはっきりしなさい!
ゆめ達が登っていくスーパーアイドルへの階段は、その頂点にいるS4の凄み描写で説得力が決まる
わけで、そこら辺を全部台詞で済ましちゃったのはもったいないと思いました。
すばるの演技力の説得力が結構あっただけに勿体無いけど、あれは主人公であるゆめとの人格的接触だから生まれた説得力であり、S4とまで対話させてると尺が足らんかな。


つうわけで、ドラマオーディション&撮影という器に、色んな物を盛り合わせた回でした。
ヴァラエティ豊かだった分個別の掘り下げは甘かったと思うけど、手際よく顔見世はしていたので、今後来るだろう個別回でじっくり掘り下げてもらえばOK! って感じですね。
ゆめがドン亀な分メンターが多い(ともすれば過剰)なこのお話、『男性』というハンディを背負っているすばるがどれだけ存在感を維持できるかは、マジで苛烈な勝負だと思う。
あとあこちゃんはあざとくて可愛いので、はよう個別回でガッツリ掘り下げて欲しいですね……『賑やかな道化で負け役』という、今回見えた仕事位以上の人間味が出てくれるとベストだな。

来週はすっかりオカンが板についたローラが、自分の個性の無さに悩むお話しらしい。
『個性』はさんざんロック先生が強調してきたポイントなので、そこにローラが取り組むことで、シリーズ全体のテーマに背骨が入るエピソードだとイイね。
キャラクター一人に焦点を合わせた個別エピソードの切れ味は、シリーズ全体の仕上がりに直結する大事な部分だと思うので、期待を高めて来週を待ちます。