イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

ふらいんぐうぃっち:第6話『おかしなおかし』感想

弘前式まったりウィッチクエスト、今週は千夏の魔女入門。
不思議な事をサラッと流す自然さが魅力のアニメですが、今回は結構魔法の設定に立ち入った内容でした。
とは言うものの、急にシリアスのカーブを旋回して視聴者を振り落とすことはなく、緩く怠く柔らかくといういつもの調子は崩れず、あくまでエブリデイマジックの範疇のお話でした。

千夏は小幡姉妹に異常に懐いているので、魔女に弟子入り志願する今回のお話しは予想の範疇。
ここをきっかけに一気にシリアスな設定が……つーこともなく、昼下がりの工作のような魔術を準備し、合間合間に映画を見て、トンチキなお菓子を作って終わるのが、このアニメらしいゆるさだった。
妹の人生ねじ曲がるかもしれない一大事に、ゆるーっと映画見てる圭くんの大物っぷりと、そんな彼に異常接近する小幡姉の距離感が面白かったな。
いつもフェティシズム溢れる作品だけど、今回は特に下半身をナメるカメラ多かったなぁ……そんなに好きかケツ、俺も好きだ。

姉の口ぶりからするとどうやら魔女と人類は別種の存在らしく、呑気な弘前暮らしでは表に出さない苦労も沢山有るらしい。
今回のゆるっとした態度はそこから妹分を遠ざける演技混じりかと疑いたくもなるが、おそらくアニメの放送中にその真偽が明らかになることはないと思う。
弘前の外側でどれだけ魔法がシリアスだったとしても、僕らがこの世界を覗きこむ窓はノンキでのどかな倉本家しかなく、そのシンプルで小さな切り取り方が心地よいアニメでもあるのだ。
しかしまぁ、おかしなお菓子作った後の爆笑っぷりからして、姉はナチュラルに楽しんでいた気はする。

普段よりも魔法の設定に詰め寄った回だったが、いつも通り倉本家の人々と居候は仲が良く、穏やかで優しい日々が過ぎ去っていった。
ポジティブな感情を素直に発露し、笑顔で楽しく繋がっている彼らを見るのは、何回経験しても嬉しい視聴体験である。
この『何度もいても楽しい、嬉しい、気持ちいい』という映像を作れているのは、なかなか凄いことであるなぁと思う。
基本同じ話のように見えて、演出の方向性も取り扱うテーマも微妙に変化させているのが、毎回楽しい理由なのかなぁ。

と言うわけで、普段とはちょっと別角度から世界を切り取りつつ、やっぱりいつも通り穏やかな物語が展開された。
変化が少ないがゆえに尊い日々の中で、ちょっと気になる魔法というスパイスに踏み込んでくれたのは楽しいし、踏み込みすぎて作品の色が変わるほどではないという塩梅も良かった。
僕はこのアニメの、どこにでもありそうでどこにもない空気が結構好きになっているので、色んな見せ方で楽しませてくれるのは、やはりありがたいのだ。