イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

12歳。:第11話『ナツコイ』感想

夏だ! アツいプールデートだ!! つうことで、恋のロマンティック浮かれモードも水着回です。
今回も定番イベントを高密度でみっしり詰めて、DOKI☆DOKIなTOKI★MEKIが止まらないWデートでございました。
一個一個のイベントはぶっちゃけありきたりなんだが、数と密度、そして12歳という年齢が絶妙に絡まって異常な火力が出るという、12歳。メソッドが良く生きた展開だったと思う。

二人の主人公の差は同じ場所に並んでみるとよく分かるわけですが、大人向けのプールで溺れかけて高尾にレスキューされる花日と、一人でいることに切なさを感じる結衣との比較は、むしろ残忍なほどだった。
可愛いっていうか幼い水着を着て、無邪気にはしゃいでる花日はどう見ても高尾の妹であり、桧山が『弟じゃねーし、彼氏だし』と否定した外見の幼さを疑問にすら思っていない感じが、イノセントでグッド。
そら人生二周目の高尾先生としては一定の距離を保ちつつ、暖かく見守りたくもなるわなぁ……とか思ったけど、今週は結構感情出してたね。

Wデートになると女衆だけではなく、彼氏チームが横並びになるシーンが増えるのも、個人的な見どころ。
ガールのためのガールズアニメではあるんですが、このアニメ彼氏同士の横の友情や憧れ、嫉妬なんかも結構丁寧に描いてくれて、その横幅が見てて嬉しかったりする。
全てを余裕しゃくしゃくで受け流す高尾先生練達の恋愛合気道に憧れ、『高尾みたいには出来ないけど』と自覚しつつ必死に彼氏している桧山の努力は、やっぱ好きだな。
三対一のバレー勝負は『文法としては殴り合いの喧嘩になるんだけど、そんなメガヴァイオレンス持ち込むと作品が崩れちゃうし、これは胸ドキデートエピソードだし、暴力の代わりにスポーツで熱血を表現しておくか……』みたいな操作が見て取れて、なかなか面白かったですね。
あそこで殴り倒して全てをぶち壊しにするのではなく、バレーで平和裏に問題を解決しようとするセルフ・コントロール力といい、自分より身長高い女子をカバーする信頼感といい、今回は桧山の『大人』な部分が強調されていた気がする。


エイコーたちはウザい圧力かけて話の起伏を作りつつ、相変わらず2つのカップルに異常な執着を見せており、『前世でリア充カップルに後頭部殴られて死んだ因縁でもあるのかオメーら』と思わざるをえない。
ヤツラの行動原理は『12歳のバカガキだから』でだいたい説明できるが、今回は一人で勝手に大人になってしまった桧山への嫉妬と愛着みたいのがちょっと透けて見えて、なかなか面白かった。
肌と肌が触れ合うプライベートな時間に踏み込み過ぎで、『オメーら他に遊ぶネタとかねーのか!』とキレたくなる桧山の気持ちもわかるがね……。
『私個人との時間を尊重し、細やかな痛みを気遣ってくれる特別な彼氏』と『そこら辺の間合いが一切わからず、人間触れちゃいけない部分があるってことを理解できないクソガキ』を対比させることで価値を出す手法なので、アイツラはアイツラの仕事をしているだけなのだ。

仕事しているといえば、モチベーションづくりからチュートリアル、胸ドキ水着選びイベントのセッティングまでしてくれるまりんちゃんのデキるっぷりが尋常ではなかった。
花日と結衣(つまりは彼女たちに感情移入する視聴者)がドキドキイベントを楽しめるよう、あらゆる状況でおマセなイベントを積み上げてくれる彼女がいなければ、このアニメ成り立ってない。
その仕事っぷりが『恋愛』というメインテーマから完全に切り離されていることで維持されているのは、残酷ながら見事な話運びだと思う。
まぁ基本的に、W主人公以外で話が進むことないんだけどさこのアニメ。
逆に言うと、過積載気味に話を担当させてもしっかり捌けるし、次々色んなイベントを出せるくらいに主人公たちのキャラが立っているということでもある。

つー訳で、イベント盛りだくさんの胸きゅん水着回でした。
彼女という存在を手に入れることで、恋愛以外の人間力も着実につけてきている桧山の姿が見れて、彼が好きなオジサンとしては大満足。
来週はお祭りデート……って、また定番イベントぜってぇはずさないアニメだな……強いわ。
『ナンパから守ってもらう』『自由な時間をかけて決闘』あたりはこなしたんで、『鼻緒が切れておんぶしてもらう』辺りが飛び出す気がするね、オレは。