イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アイカツスターズ!:第13話『リトルフェアリー物語』感想

火曜日のアイドルクソ映画が終わると、木曜日のアイドルクソ映画が流れてくる系アニメ。
おまけに内容は妖精がどーのこーので土曜日にやってる奴そっくりという、テレ東女児アニが奇妙なシンクロニシティを披露する展開となりました。
しかし中身の方は溢れるクレイジーをテクニックで抑えこむと言うよりは、妙にリアルにダメダメなアイドル映画っぽくて、同じ題材やると逆にシリーズの差異がよく見えるなと思ったり。

今回のお話しは本筋をハズしたバラエティ回でして、色んなキャラがドシドシ出てきました。
キャラが多いので、どうしてもフォーカスを当てきれないスターズなので、こういう回で少しでも露出を増やすのは大事なんでしょうね。
しかしやっぱ、話数の蓄積がないってことはキャラの可愛げの蓄積も弱いってことで、いまいち『出てるだけ』って感じが拭えないなぁ。
ここら辺は数並べる功罪のうち、罪の方かなぁ……望クンが目立ってたけど、今後すばるとゆめを取りッコしたりすんのかね。

内容の方は『とにかく推しが出てきて可愛ければ、中身の方はどれだけトンチキでも良い』という、生々しいアイドルフィルムっぷり。
前半の人間との交流パートと本筋である魔王退治が一切関わらない所とか、全体的な唐突さとか、出てはスルーされ出てはスルーされるだけのキャラクターとか、『ああ、アイドル映画ってこういう感じよね……』というリアリティが不思議なくらいあった。
これが人数捌くノルマに押し流された結果滲んでしまったものか、アイドルフィルムの微妙さをメタった『朝比奈ミクルの冒険』もしくは『試写会に行こう!』的演出なのか、イマイチ判断しきれないのが悩ましい。
身内ネタ飛び交うクソ内容なのに、身内だけで流通し身内だけで褒め合う駄サイクルっぷりとか、最高に学園祭の映画って感じだったんだが、一応プロの監督が取ってんだよな……。

キャラの方はフェアリー可愛いゆめひめ姉妹と、クソ映画でもきっちりやり切るすばるの点数が高かったです。
クソ映画でのクソっぷりは普段の頑張りとのギャップで輝くわけで、結局いつも目立ってるメンバーに目が行っちゃうのが悩ましいよね……。
もっと話数積んで、キャラにまんべんなく愛着があれば巧く機能するんだろうけど、先生チームとすばる除くM4あたりはマジ顔になるシーンすら与えられてないしなぁ。
火曜のプリパラや前作のロボット回やヴァンパイア回に感じる『ねーよ!!』という勢いも弱くて、『あー、あるある……あるわー』という奇妙なリアリティが滲んでくる味付けだしなぁ今回。

しかしその奇妙にリアルなダメダメ感が不思議な快楽になっているのも事実で、『フツーさ』をウリにするスターズらしい映画回ではあった気もする。
こういう話を『実績』として積み上げられても、後の飛翔に説得力は生まれないので、あくまで箸休め的魅力だけどさ。
とりあえず、女の子以外の人数の多さをどう捌くかが今後の課題かなぁとか思いました。

来週は前後編で香澄姉妹と小春ちゃんのネトネトした関係性を追いかける話っぽい。
夜空が辻谷耕史声で「女も私のお下がりか」と言い放つのが今から楽しみですが、まぁそういうエウレカ的展開はあんまないんだろうな……。
真昼を掘り下げつつ、夏のメインになるだろうフェスに繋ぐ感じの話になるんかねぇ。
今はフォーカスを絞って鮮烈な印象を刻みこむべきタイミングだと思うので、ここでぐっと真昼(そして真昼を鏡にして夜空)を掘り下げてくれると、見ているこっちとしても嬉しい感じですね。