イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

B-PROJECT 鼓動*アンビシャス:第3話『BRILLIANTで行こう☆』感想

トンチキイケメンと新人A&Rが進む! アイドル街道凸凹道アニメ、今週はカレーと猿と温泉。
正統派イケメンコンビのキタコレ、個性がぶつかり合うTHRIVEに続き、仲良しイロモノユニットMOONSメインのお話でした。
コメディ要素を多めに取りつつも、『どういう出会いに繋がるかわからんから、仕事は全力でやりきろう』という太いテーマをしっかり入れて、駆け出しユニットの成り上がりストーリーとしても楽しめるところとか良かったですね。

相方っぽく描かれた第一話、ぶつかり合い高め合っていた第二話に引き続き、第三のユニット・MOONSの紹介をする今回。
これまでに比べるとトンチキ要素多めというか、ぶっちゃけ頭おかしい流れがそこかしこにあったけど、じゃれあいつつ肩を組んで頑張っているMOONSには、砕けた展開が向いている、ということだろうか。(配慮した言い方)
猿と温泉はぎりぎり認めるとしても、『どこの忍の里の超能力者だよ』みたいな絶対音感の使い方は、かなりトバしてたと思う。
でもま、アイドルアニメは大概ぶっ飛ぶもんだし、第2話でもニャンニャンポーズとかほざいてたしね、ヘーキヘーキ。
マジレスしておくと、仕事を真正面から捉える真面目さって徹底するとすごく息苦しくなるので、適度にコメディを入れて空気穴を作っておくことで、シリアスな要素を食いやすくしつつフックを作って飽きさせないっていう戦術だとは思う。

んで、今回顔見せしたオモシロ愉快芸人軍団ですが、まず謝らないとな。
すまん釈村くん、『鬼畜眼鏡っぽい』とか先週言ってたけど、プリヲタキモヲタのダメダメ人間だったなキミ!!
普段は『いかにもメガネですー』みたいにクールに捌いていたけど、熱が入るとキモくなるの、キスマイの宮田くんみたいで好きやで。

他のメンバーも人格柔らか目のオモシロチームでして、ムードメーカーのお調子者・王茶利くんを弄りつつ、穏やかなリーダー増長くん、クールなんだけど結構ノッてくれる音済くん、褐色ピュアボーイ野目くんと、素直な連中が集まってる感じ。
カラーの異なる連中のぶつかり合いはThriveが担当するので、MOONSは基本仲良く進めていく感じなのかねぇ。
和気藹々とした感じが見てて楽しかったので、こういう空気も好きだな。


三話まで話が進んで、色々と変化もある回でして。
新人A&Rとしてがむしゃらにやってきたつばさちゃんが、アイドルちゃん達に好意を抱かれている様子とか、駆け出しアイドル達が頑張ってきた成果が、じわじわ出てきているところとか、上手い塩梅に努力の成果が積み上がってきました。
こういう所をざっくりでも描写してくれることで、話が先に進んでいる感じが強く出てくれるので、とてもありがたい。

このアニメのキャラが持つ『アイドルになりたてではないけれども、世の中に認められている程でもない』というポジショニングは、個人的に結構面白いです。
アイドルとの出会いは物語で済ましていて、彼らが出会うのはあくまで主人公であり『自分の人生を変えうる女』だってのは、オトメをターゲットに取った作品らしい間合いだなぁと思う。
でも完全に完成されきったスーパースターに見初められる話でもなくて、駆け出しとしてお互い支えあい、努力しながら社会に足場を創っていく手応えもちゃんとある、なかなか考えられた加減なのよね。

今回のお話も、まだまだ世間に侮られているMOONSをどう認めさせるかという、キャリアメイクストーリーの側面がしっかりあって。
A&Rという立場(を超えて、マネジやプロデューサーの仕事までやってるけどさ)から彼らを支える主人公の当事者性も、一つ一つの仕事を誠実にこなしていく彼らを支え、結果を出すことで強化される。
ネタ要素を楽しく散りばめつつ、お仕事アニメとして結構堅牢な構図になってるのは、なかなか良いなぁと思います。

お仕事アニメとしては、モブの描き方に結構気を使っているのが好きです。
ダラダラやってる若手スタッフだけではなく、情熱とアイデアを持って仕事に取り組む二宮監督もちゃんと描いて、『世界の中でMOONSだけが正気で、名も無き連中は全員バカの引き立て役』って描写に落ちていないのは、彼らが積み上げる仕事の価値を高める上で、すげー大事だと思います。
前回もニャンニャン編集長をヤダ味満載で描きつつ、まともなスタッフさんの頑張る姿もちゃんと描いてたしな……そういうバランスの良さは、このアニメの美点だと思います。

まぁ物語の構図が先行して、描写がところどころスマートではないのは悩ましいがな!
今回で言うと『はい、私は細かい気配りができるA&Rですので、皆さんバリッバリ好感度上げてくださいねシーン』の畳み掛け方な。
お話が要求しているものをすっ飛ばされて首をひねるより六億倍くらい良いんだが、もうちょっとスムーズに描いてくれると良いかなあとは思う。
少しくらいの引っ掛かりは、トンチキなネタ力でかっ飛ばすパワーも持ってんだけどね。

 

メインはMOONSの紹介でしたが、他の要素に目配せしている横幅もなかなかグッド。
サラッとだけどTHRIVEの『金城くんが尖って、愛染くんとぶつかって、阿修くんが調整する』って基本形をちゃんと描写したり、是国くんのあざといツンデレっぷりを見せたり、大人数を巧くさばいています。
複数ユニットがお互い刺激を受けながら、アイドルとして大きくなっていく相互作用も垣間見えて、こういうライバル意識があるとキャラの繋がりが更に面白くなると思う。

三話にしてつばさちゃんがモテてる描写も増えてきましたが、仕事描写が分厚いので、『この子頑張っとるし周り見えてるし、そらモテるやろ』って素直に思えるのは非常にグッド。
モテるのがオトメの仕事だから『世界の補正で、なんかモテる』でも良いんだけど、感情が動く過程はそれなりの細やかさで描いてくれたほうが、素直に食える。
仕事アニメとしての掘り下げを主人公と一緒にやっていくことで、自然とボーイズと視聴者が好感を抱くような見せ場を多数用意出来ているので、モテに納得がいくってのは非常にグッドですね。

各ユニットの紹介も終えて、恋愛模様もアイドル生活も大きく転がり出す足場ができてきました。
ユニット内部の関係性も手際よく描写できたと思うので、こっからユニットの枠を超えて、どう回していくのか。
ここからの加速がさらに期待できる、仕上がりの良いユニットエピソードでした。