イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

B-PROJECT 鼓動*アンビシャス:第11話『BEYOND YOU』

ファンタジー分が適度に混入した男性アイドルお仕事アニメ、最後の嵐が吹き荒れる第11話。
前回意味深に舞台から離れた夜叉丸先輩は今回も引き続き不在であり、その真空がメンバーに試練を持ってくるお話でした。
裁判所に持ち込めば確実に勝てる案件が何個か発生している気がするが、法廷証言で時間取るより新曲作ったほうが面白いし、せっかくのピンチは有効活用しないとだしな。
ここら辺の『ドラマには壁が必要だから、物語的整地など考えず素材でお出しする』感じは、やっぱプリリズっぽいなと思った。

思いがけず夜叉丸先輩が台風の目になる展開だが、不穏な動きの中心がアイドルだと誰かが悪役にならざるを得ないわけで、主役でもヒロインでもない立場の夜叉先輩に、台風の目をやってもらうのは賢いと思う。
曲をパクられたり事務所が移転したり、現象だけがどんどん先に進んで、夜叉丸先輩直接の出番が無いことで、後々のリカバリーをやりやすくもしてるしね。
優秀な裏方が消えることで、その穴を埋めるべく主人公にも仕事が回ってきて存在意義が高まってるわけで、悪くはない展開だと思う。

しかしインパクトを狙いすぎたのか、起きていることが相当に洒落にならないドブ臭さなわけだが、どういう理由付けで夜叉丸さんを救済するんだろうか……。
一切救済せず超絶ゴミクズ人間でしたでも良いんだが、なんかフワッとしたコメディチックな理由付けて、スカして夜叉丸さん助ける展開は面白くねーんで勘弁な。
こうして先が気になっているんだから、フックとしては成功してるんだろうね。


夜叉丸さんの不在と、それを埋めるために走り回るつばさちゃんが目立っていたのに対し、アイドルどもはわりと居るだけだった。
今回はステージに立つ側ではなく、ステージを作る側が主役の話なので、そんなに目立てる展開でもないわけだが、自発的な行動が少なく、状況にコクコク頷きながら対応するばっかりなのは、意志が感じられずもったいない気がする。
今回タメた分、来週以降のクライマックスでは思う存分目立ってほしいもんだ。

そんな中王茶利は肌色サービスを担当し、ラッキースケベを演出し、相変わらずの便利な鬼札っぷりだった。
Bプロは男性アイドルの男芸者っぷりから逃げず、スンゴイ勢いで媚びた行動取らせるのが、僕は結構好きです。
ぶっちゃけ他ん所の作画はヘロヘロなのに、シャワーシーンはきっちり仕上げる所とか、剥き出しの欲望に奉仕する根性を強く感じる。

性別逆転したギャルゲーみたいなザックリしたサービスだが、女の人がザックリした性差別的搾取をフィクションで堪能しちゃ悪いって法律、何処にもねぇしな。
TV放送されるアニメーションでそういう欲望を、残り香程度でも嗅げるのは個人的興味として面白いのよ……転倒の快楽というか。
そういう歪みを背負ってもろ肌晒してくれる王茶利は、安全地帯でボーっとしてない、仕事するキャラに仕上がっていて、やっぱ僕好きです。


前回に引き続き、夜叉丸さんを真ん中に据えているのに彼が不在なことで真空が生まれ、それが引き起こした嵐にアイドルとつばさちゃんが対応していく話でした。
盛るべきところにはガンッガン盛り付けるこのアニメらしく、芸能界の銭ゲバ力が腐臭を放つ展開になってきましたが、その裏にいるだろう夜叉丸さんは一体何を考えているのか。
事務所移籍というさらなる嵐に巻き込まれたアイドルたちは、窮地を脱するためにどう力を振り絞るのか。
ドームライブというクライマックスが迫るBプロ、さてはてどうなるんでしょうね。