イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

プレイレポート 16/09/22 コードレイヤード『Calamity Break』

昨日はFEARの完全新作、コードレイヤードのGMをしました。付属二本目だよ。

シナリオタイトル:Calamity Break システム:コードレイヤード GM:コバヤシ

シェンツさん:"コードC"蒔苗ユウ:16歳女性:ブレイカー/アームズ:名もなき剣豪 普通を煮固めたような境遇と性格のシンマイ。コードに選ばれ英雄になれると思っていたが、引いたのはコモンクラスの無銘英雄であり、夢見ていたレアクラスには程遠い。それでも腐らず自分のできることを精一杯やりきる、夢見る可能性の獣。

よねちょくん:"99バレット"徳永マコ:29歳女性:チェッカー=シャドウ:ビリー・ザ・キッド とあるエンフォーサーを追い求めつつ、私立探偵をしている妙齢の女性。コードは元警官の夫の遺品であり、復讐対象も夫を殺した相手である。復讐を果たした後、夫の言っていた『本当の自由』を見つけたいと願う渇かじのアヴェンジャー。

田中くん:倉無リディル:25歳女性:サポーター=センチネル:ファヴニール 大商人の家に生まれるものの、ヴェクターの襲撃で全てを失ったコード継承者。強欲さが響き合ったのか、伝説の邪竜を自在に行使する。銭の先にあるものを常に見つめる、冷静なるマモンの使徒。

新米くん:睦見ミミ:16歳女性:ブレイカー=センチネル:六耳狒猴 コード研究者の家に生まれ、死にそうになった所で秘蔵のコードを移植され生き残った。罪悪感からか、他人を護ることに強く固執している。コンプレックスの結果、発現しているのは移植された斉天大聖ではなく、そのミスコピー。

二次元くん:雁党アンジェリカ:30歳女性:チェッカー=ヴェール:カーミラ 世界をめぐりつつ、喪われた芸術の復興を志すディレッタント。ノーブルな気質と響き合うらしく、コードの発現たる”カーミラの聖衣”との相性は良い。

こういう女どもが、AIとの絶滅戦争を生き延びた人類を守護る英雄継承者だ!! っていうRPG、コードレイヤードを遊びました。いやー面白かった。

ルールブックの判型も世界観もデータもルールも、非常にたっぷりとしていて不足がないのに、実プレイしてみると重さがない。数字を処理する流れが非常によく考えられていて、スムーズにキャラを作り、ダイスを振り、判定を行えるようになってます。この不要なストレスの無さがあらゆる場所で徹底されているのは、本当に凄い。

スムーズさとスマートさはデータの処理だけではなく、ロールプレイ支援にも感じられます。色々キャラを作りたくなるPC共通の設定、やりがいと充実感のあるミッション設定、広がりとワクワクのある世界観。『コード』という共通要素への対処をキャラメイクの段階で盛り込むことで、それをやり取りして掛け合いが出来るよう仕上げられている所とか、本当に凄い。

実プレイの現場でどういうことが問題になり、どういうことが『楽しさ』を生み出すのか、よく考え実証しTRPGシステムとして実装する。ゲームを遊ぶ上で必要なんだけども、非常に実現が難しいことを凄く丁寧にやってくれていて、とにかく遊んでいて気持ちいい、楽しいシステムでした。

ACNという共通リソースが適度に強く、強すぎないバランスであること。特技の共通デザインに『使用制限』が既に組み込まれていること。キャラメイクの際に数字が行ったり来たりしないこと。非常に細かい部分が適切にブラッシュアップされていて、それが軽快な心地よさに繋がっているのが、非常に『しっかり作ったなぁ……』と唸らされるポイントです。ここらへんの改良は『やってる』デザイナーにしか出来ないし、『やってる』やつが一番偉くくて強い。

一回遊んで楽しいだけではなく、世界観やキャラクターの広がりが豊かであり、プレイがストレス無く楽しいので、『次』をやりたくなるのが本当に凄くて。俺は今回GMだったけども、俺の考えたスゲー英雄をスゲーデータで再現して、思う存分破滅世界を駆け回りたいもん、今。初プレイでそういう気持ちになれるの、凄く良いことだと思います。

今回は付属シナリオ二本目を遊んだわけですが、一本目で『チーム導入・シンプルな構成・巨大ボス』というパターンを見せ、二本目で『個別導入・ドラマティックなシナリオ・独立ボス』という別パターンを提供して、『んで、このゲームはどういうシナリオ作ればいいの?』という疑問にしっかり答え、想定されるバリエーションを見せているのが素晴らしい。

シナリオ単品としての出来も非常に良くて、シンプルながらモティベーションの生成に無理がなく、素直に盛り上がり楽しく遊ぶことが出来ました。ミドルフェイズの構成をマップ化し、『いつ終わるのか』を明確化して処理できるのは、凄く楽だし楽しいね。

公式NPCヒロインの使い方も非常に巧くて、『テメーでやれよ』という超NPC様でも、『何もしねーのかよ』と言いたくなるヒメヒメヒロインでもない、『精一杯やってるんだけども、PCが助けないと不幸になる』という、非常にいい塩梅でした。

彼女が持っている特別さが世界設定とPCの行く末(つまり実プレイで積み上がっていく、このゲームの行く末)に強く関係しているので、付属シナリオでPCと絆を作ることで『俺のヒロイン』になる作りは、ほんと良く出来てるなぁ。このシナリオやると、あの子の事好きになるし、好きになると確実にこのシステムが面白くなるNPCだからなぁ……。良く出来てるなぁ……。(昨日からこれしか言わないマン)

そんな優れたシステムに乗っかって、卓の方も非常に面白く盛り上がりました。クセのある女たちがそれぞれの事情を抱えたまま、事件解決のためのチームを組み上げる過程がまず面白いし、それぞれのキャラシートを見ながらトスを上げレシーブを返す掛け合いの楽しさも、たっぷり堪能してました。

やっぱ数字のやり取りや世界観に無駄なストレスがないと、ロールプレイや目の前の困難に対処する方に集中力を回すことが出来て、実プレイの密度と速度がグンッと上がる気がします。『巧いシステムは楽しいシステム』という格言が事実だったなぁ……今思いついたけども。

強いポテンシャルを感じる、『今』やって面白く『次』もやりたくなるような、良いシステム、良いシナリオでした。は~遊ッびてぇなマジ!! 良いセッションでした。同卓していただいた方、ありがとうございました。