3月のライオンを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月14日
これまで通りアニメ一話=原作2話ペースを守り、どっしりとした展開。
河西健吾のモノローグがたっぷり堪能できる、泥のように重たい零くん内面パートと、そこから少し前に進みつつある現代を対比させながら書く感じか。
零くんの生活は衣食住すべての領域で荒廃しているわけだが、カーテンもない部屋も、階段で食うぼっち飯も、良いことなんにもなかった過去と精神の反映である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月14日
そこに踏み込んで暖かい飯を食わせてくる川本家や先生の影響で、段々と衣食住が充実し、零くんは人間性を再獲得していく。
それは急に『治療』されるものではなく、街角で偶然であって、マックシェイクを一緒にすするようなダルい日常を共有することで『変化』していくものなので、波が揺り返すように温かい描写の合間にお辛い独白が挟まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月14日
モノトーンとカラフル、冷気と温暖の間で揺れているのが、今の零くんなのだろう。
温かい天ぷらを一緒に食べよう! と私心なく誘ってくれるひなちゃんのありがたみは零くんが言葉にしていたとおりだが、わざとオブラートを貫通した言葉で生徒と向かい合おうとする先生のかけがえ無さは、今回初めて真正面から捉えられたもの。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月14日
二海堂といい、気づかないけど人に恵まれてはいるのだ。
ひなちゃんの表情を見ることで零くんは『自分の生活が荒廃している』ことに気づく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月14日
気づくことで、それを変化させ、しんどくても自分を大事にしていこうという意識が生まれるかもしれない。
じっくりと認識を太らせる過程の中で、見落としていた男たちの優しさにも、零くんは向かい合うのだろう。
『何処かに行きたい』と茫漠と願っていても、身近な変化であるはずの移動教室はストレス強すぎてマジ勘弁って感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月14日
いろんなものの曖昧な間で揺らぎつつ、自分なりの小さな『変化』を求め、つなぎ合わせている零くんらしいお話だったと思います。
非常に丁寧に原作のコマを拾い上げ、アニメに変質させている3月のライオンですが、今回は特にじっくりと太らせていて、いわゆる『シャフト演出』も多め。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月14日
ショッキングな異化作用だけではなく、独特のテンポを作るコミカルな演出も多かったな。絶望とか物語シリーズでよく見た感じ。
『いつものシャフト』は使い所を適切に選び、全て一定のトーンで塗りつぶしさえしなければ、それが本来目指した演出効果をしっかり発揮できるパワーがあると思っているので、『普通』のシーンと上手く組み合わせて、手癖にならないように上手くやって欲しい所。余計な心配だけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月14日
シャフトはセルアニメから少し外れた演出も積極的に盛り込んでくれて、今回で言えば零くんが遠泳しているシーンの赤い海とか、非常に印象的だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月14日
憂鬱な場面を切り裂くように入ってくる電車の音、雷鳴もいいタイミングで刺さってきて、なかなかに面白かった。
終わり方は流石にひなちゃんとほっこりしただけではヒキが弱すぎるので、第1話と同じように次の話の冒頭まで引っ張り、上手くブリッジを架ける構成。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月14日
高橋くんはスーパーナイスガイなので、彼の育ちの良さをどう表現してくれるか、非常に楽しみである。来週ナイスガイ祭りだなぁ……素晴らしい。