うたプリを見終わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月26日
デュオエピソードも最終回、無難に流すと思いきや音也の笑顔の欺瞞性、敵役だけが暴ける心の真実、コンテンツ全体をディープに解体していく、爆弾のような物語を叩きつけられた。
暴力的なパワーに満ちて、自分の好みとしては非常に素晴らしい前編だった。
音也は暗い生い立ちを持ちつつ、アニメではマイナス部分をあまり掘り下げられず、『前向きで明るい、みんなを受け止め導くキャラ』という仕事をずっと担当してきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月26日
今回の話はその『いつもの音也』を一旦否定し、あえて触らなかったキャラクター性を表にほじくり返す話になった。
『いつもの音也』を否定し、それでつながっていたスターリッシュも、既存のファンにも一発入れる展開は、非常に挑戦的だし危険でもあろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月26日
しかしそれでも、『いつもの音也』『いつものうたプリ』から踏み出し、キャラクターの真実の一面に切り込んでいく覚悟をしたのは、とても勇気のあることだ。
僕が理解する限り、今回音也が見せた闇は元々彼が持っていたもので、『仲間』であり『敵』でもある瑛一だからこそ踏み込めた領域だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月26日
既に『心を許しあった仲間』としての物語がガッチリ固まってしまっているスターリッシュでは、ここまで現状を否定する仕事は不可能だったろう。
デュオユニットだからこそ切り込めた話だし、那月にしても聖川さんにしても、既存のイメージを斬り壊して話を進めてきた四期らしい展開だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月26日
二人が一話の尺の中で窮屈にやっていたのに対し、今回は心を切り開くところまでで一話使い切ったことで、描写が分厚く置いてけぼりな感じがなかった。
緑川光の怪演もあるが、瑛一があくまで音也を高く評価し、だから真実(の一面)を隠している生温い関係をぶっ壊し、ダークでネガティブな音也に切り込みたいという、好意が根本にあるアプローチが徹底されていたのが良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月26日
それは身勝手ではあるが、これまでのアプローチでは踏み込めない場所だ。
瑛一が音也を追い込み、防壁を崩して魂の核に切り込む描写はなかなかに隠微で、一歩ずつ心に踏み込んでいく危うさがよく表現されていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月26日
人が人の心に切り込む時必要なセクシーさがあったし、『炎と向日葵』をアイコンに使って、実は荒廃していた音也の精神を象徴する見せ方も圧縮が効いていた。
『いつもの音也』を欺瞞と断じ、否定されるべき存在として描く今回は、音也と一緒に『いつものうたプリ』、それを支える既存のファン層も殴る展開だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月26日
反発と痛みが当然予測される中踏み込んだのは、『いつものうたプリ』でい続けては『いつものうたプリ』を続けられない意識があったからではないか。
シリーズが続く中で物語は消費され、キャラクターは疲弊し、構造は軋んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月26日
それでも人を惹き付ける何かを維持し続けるためには、『いつも』を批判的に照らし直す改革が何処かで必要であり、四期からは(それが全領域で機能しているかは別として)そこへの意識を感じる。
今回の改革が機能するか否かは、次回にかかっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月26日
否定された『いつも』は欺瞞や疲弊を孕みつつ、しかしちゃんとした価値のある、尊いものでもあるはずだ。
闇がしっかりと光の嘘を照らし出した今こそ、光の中にある真実を描ける土台が整ったチャンス到来、ということだ。
『いつもの音也』を全否定してしまいそうな音也に、自分が気づいていない『いつもの音也』の価値を教えてあげられるのは、時間と経験を共有し、『いつもの音也』に助けられてきたスターリッシュの面々だけだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月26日
この窮地は音也の新しい価値だけではなく、他キャラの値段を上げるチャンスでもある。
瑛一の誘惑があまりに見事だったので、攻略キャラが攻略キャラに催眠貰って寝取られるというドープな展開になっているが、来週ははるちゃんにも活躍して欲しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月26日
今回、音也の中ではるちゃんがどれだけデカいかは細かく演出していたので、こっちもお膳立ては整っていると思う。
大胆に、挑戦的にキャラを掘り下げ、大きなマイナスを作ることで、次に来るプラスへの期待を盛り上げるお話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月26日
瑛一も愛のある『敵役』をしっかりやり遂げてくれて、彼が投げたボールを『仲間』がどう受け止め、どう投げ返すかが問われる状況だと思います。
来週は色んな意味で勝負だな。
今週のうたプリを要約すると
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月26日
瑛一「わかりました、あなたは世界を革命するしかないでしょう……深く、もっと深く……」
音也「黒薔薇のボーカリストとして、スターリッシュに死を!!」
という塩梅であり、劇場版は瑛一が車になってもおかしくないアヴァンギャルドさだった。