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イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

ブブキ・ブランキ 星の巨人:第21話『白鳥の歌』感想

その断末魔は高らかに切なく鳴り響く、最終局面が加速するブブキブランキ、第21話目。
青春番長漫画のような男の子の殴り合いを爽やかに展開したと思ったら、ギィのクソっぷりがレティシアを巻き込んで暴走し、汀ママンも一時退場するお話。
汀が聞き役になってギィの本音が見えたことで、お話の落とし所が見えてきた感じですが、乗り越えるべき状況はなかなかにハードってのも、レティシアの死でよく見えた。
最終決戦に向けて様々なものを振り落としつつ、道筋が整っていくお話でした。

というわけで、レティシアが死にました。
一期の頃からダルい展開をキャラの魅力(主人公除く)で補ってきた話であり、レティシアも可憐で無垢で危うい、好きになれるキャラでした。
そういう子がゴミクズ人間の謀略に巻き込まれて死んじゃうのはハラワタ煮えくり返る思いですが、ここで冷静に『ま、お話の展開上必要な犠牲だよね』という視点だけで受け止めてしまっては、憎んでいるギィと同じ生き物になっちまう。
なので、あの子が死んで哀しいのも、あの子を殺したギィが憎いのも、このお話が狙い通りに僕の胸を叩いている証明だと思います。

死んでしまったレティシアと同じくらいか、もしくはそれ以上に哀しいのはエピゾであり、愚者であるがゆえに『まよいみち』を拳で打ち砕いて真実にたどり着いたのに、守りたかった本当の愛がすり抜けていく展開が惨すぎる。
今回はレティシアのために親友と殴り合い、ぶつかりあったからこそ真実に目覚め、痛みを突き抜けて手を伸ばすエピゾの魅力が輝いていた分、結末が残念でなりません。
一期からの付き合いな分、あの子がおバカで良いやつってのはよく知っていて、だからこそエピゾが自分のすべてを賭けた願いが叶わなかった展開はしんどい。
なんとなーくレティシア大復活の気配が漂っているけども、死んだままだとしてもクソ人間のクソ陰謀に踏みにじられたままではなく、バカの矜持を抱えて最終決戦に飛び込んでくる姿を、是非見たいと思います。
『白鳥が死ぬときに奏でる、一番美しい詩』を意味するサブタイトルも、レティシアが飛ぶことができなかった空をつがいの白鳥が飛んでいく絵も、悲痛さを強調して巧いなぁ……巧いからシンドいなぁ……。

今回はブランキバトルに感情が乗っていて、見ていて楽しかったです。
白い富士山を番長漫画の河原に変えた王舞VSメガララは、東とエピゾの友情をコンパクトに示していました。
飛空艇から落下する時、まるで友達のように王舞とメガララが両手を繋いでいるの、これから起こる戦いの意味を巧く暗示してて好きですね。
レティシアに近づいていくメガララがガンッガン串刺しにされるのもエピゾの覚悟がよく見えたし、心臓だけではなく手足の特殊技を駆使して突破していく展開も良かった。
結果としてはああなってしまったが、子供たちが戦いに込める決意はよく伝わる戦闘だったと思います。
白雪に赤い鮮血がドバーッと広がっている絵も、コントラストが激しくて無残で良かったな。


子供たちが残忍な運命に立ち向かう中、ギィ様は汀を相手にゴミクズみたいな人間中心主義(ヒューマニズム)を思う存分披露。
『人間』の孤児にはひどく優しくしている過去の描写が、クソみたいな選民主義をグロテスクに彩っていて、ホントギィは良い悪役だなぁと思う。早く死ね。
コラテラル・ダメージを主張しつつ、自分の血は一切流さない』はなかなか高度なヘイトアーツですね。早く死ね。
あまりにもクソすぎるんで『おい汀、おまえのチート力で今すぐぶっ殺しちゃえよ。YOU殺っちゃいなYO!!』と思ってしまったが、素直に帰りやがったあのアマ。
まぁあそこでギィぶっ殺してブブキ完ッ!! ってなっても困るし、息子に美味しいところを託したと考えよう。

今回はエピゾ&レティシア、そしてギィが目立っていたので、一希兄妹はあんま目立っていなかったものの、『クソ以下のギィぶっ倒して、妹ハメた落とし前つけさせるッ!』と言い切ったのは、なかなか良かった。
やっぱ自分の血が通った部分で怒ったり笑ったりした方が、モチベーションに親近感は湧くよね。
かつての東がおんなじこと言っても『ホントでござるかぁ?』と半笑いだったと思うんだけども、二期で色んなキャラが投げてくれた球をしっかり拾った結果、東の主人公力も結構アガった。
結果身内のために怒る東に素直にノる事が出来て、心が通じ合えばこそ殴り合う展開も美味しく食べれたわけで、説得力ある手順を踏むは、やっぱり大事だ。

父親に引き続き汀ママンも、東を一端の主人公に育て上げるべく退場していったわけだが……一期の超絶マシーンっぷりを知っていると、額面通り『死にました』とはなかなか思えない。
あんだけのインチキキャラが何にもせず退場ってわけはないので、華麗な復活を遂げて最終決戦で美味しいところをかっぱらうか、とんでもない罠を仕掛けてあるか、汀ママンの横殴りが今から楽しみである。
そしてそういう強キャラっぷりを演出するべく、積極的に負けブックを呑んでいく新走の技巧派PLっぷりよ……お前は偉い、素晴らしい。

兄に増して見せ場がなかった薫子だけども、礼央子さまと意味深トークに突入。
『一希の娘』と呼ばれることに反発し、あくまで『薫子』であることを主張しているのは、『魔女の息子』であること自体は否定せず、『魔女』という世評をひっくり返したかった兄と、面白い対比だ。
……まァ蓋開けてみたら、母はガチ魔女だったんだけどさ……。


宝島での最終決戦に向け、色々と状況が整っていくお話でした。
レティシアの死を『整理』というほど、俺このアニメに肩入れしていないわけじゃないんだけども、それとはまた別に、うまい具合に整えているなと思う。
キャラ多すぎると最終決戦はワチャクチャするわけで、アクターを絞り込みつつドラマの温度を上げるのは、やっぱ大事だ。

ギィのクソっぷりがさらに加速したことで、『はようラストバトルに持ち込んで、あのクソ人間ぶっ飛ばそうや!!』という気持ちも最高潮。
数多の犠牲を乗り越えて、クライマックスへの盛り上がりが巧く作られつつあります。
しかしこう、前のめりに見てる自分をこうして客観視すると、このアニメ結構好きなんだな俺……来週も楽しみです。