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イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

プリパラ:第131話『天国と地獄? 決戦前夜!』感想

アニメ プリパラ

総決算のクライマックスに向けて道を整えつつあるアイドル新世紀、今週は抽選とモチベーション整理。
バチバチ激しくぶつかりあうわけでも、キャラクターが抱えた問題が解決されるわけでもないゆる~いお話でしたが、決戦に向けてキャラクターが勝負に挑む意味を再確認し、一つ一つの試合の見所を再確認する運び方には、プリパラらしく隙がありませんでした。
一話こういう話に使えるのはやっぱ、先週圧倒的な力量で状況を整理し温度を上げたのが良く効いていて、話数に余裕があるのが大きいかなぁ。

というわけで、トーナメントがどんなもので、その組み合わせに何が秘められているかを確認する今回。
基本的には今まで描写されてきたことの確認なんですが、『神コーデを手に入れる条件』にイレギュラーを入れ込むことで、巧く緊張感を維持してきました。
ジュリィがあまりに優秀なヒロインなので、登場人物のモチベーションは軒並み『ジュリィ救うべし!』で統一されてしまっているのですが、このまま押していくと誰が勝ってもおんなじ、最終的に奇跡は起こるっていう、緩んだ試合になってしまいます。
なので、『勝ったからといって神コーデが保証されるわけではない』という条件を足して、勝ち負けではなくステージの内容を、お話が終わるタイミングで自分を語りきれるかを重視する方向に、巧く話を誘導していました。

誘導はもう一つあって、先週は『保証は何もないけど、神コーデが手に入るぐらい頑張ったら奇跡が起きるかもしれない』という認識だったアイドルたちが、自分たちの希望にすがりつく形で『神コーデさえ手に入れば、奇跡は絶対起こる』という認識に変化していること。
これはまぁ、『神コーデが手に入ったけど、奇跡は起きない』という状況への布石であり、一期クライマックスを再演するための前置きかなぁ、と思いました。
『神コーデを手に入れるには、ダイヤの鎧を砕かなければいけない』という条件を前に置くことで、『神コーデを手に入れても、ジュリィは復活しないかもしれない』という条件を隠す展開も、なかなか巧妙です。
サパンナの伏線を巧く活かして、『神コーデが手に入らなければ、プリパラが荒廃する』という条件を足してきたのも合わせて、巧く神GPファイナルの値段を上げていくなぁと感じました。

らぁらが『神コーデを手に入れれば、絶対ジュリィは助かる』というロジックにしがみつくのは、凄く彼女らしいと思います。
プリパラ荒廃の未来を思い描いてちょっと空気が沈んだ時、彼女はまっさきに明るい未来を提言し、未来は輝いていると強く宣言する。
女児アニの主役にふさわしい立ち回りなんですが、それは彼女が子供であり、己の願いがかなわない瞬間を、例えばひびきが体験したような敗北を経験していないからこそ、無邪気かつ無責任に叫べるものなのでしょう。

ファルルの『死』を最後まで『死』として認識できなかったらぁらは、実子であるジュルルに迫る『死』もまた克服可能な運命だと信じているし、信じなければ立っていられないほどに子供でもある。
六年生の真中らぁらが子供であり続けるためには、『神コーデさえ手に入れれば、奇跡は起こる』というプリパラのロジックを、よって立つための縁とする以外方法はないわけです。
現状のプリパラが3月に終わる以上、『なんでも叶う夢の舞台』としてのプリパラ、それを導いてきた主人公としての真中らぁらの足場も一回崩す(そうすることで、自分たちが作り上げた物語の何が輝いているかを確認する)展開は、多分来るんじゃないか。
その為に、希望を確信にすり替えるロジックを主人公に飲み込ませ、視聴者にも誤飲させるよう誘導してるんじゃないかと、今回見てて思いました。
まぁプリパラだし、そのくらいの起伏はつけてくるだろう。


神コーデはあくまで結果であり、トーナメントは勝者と敗者のある過程そのものです。
らぁらとジュルルの物語として始まった三期は、おそらくかなりの部分二人の物語として終わるだろうから、他のキャラクターが己を語るステージは、予選の勝ち負けにしか用意されていない。
なので、予選の櫓組は勝った負けた以上に、お互いをぶつけ合うことで自分を表現しきれる相手なのかが大事だと思います。

それを踏まえて組み合わせを見ると、姉妹対決となった緑ブロック、最強のトリコロールと天敵が食い合う青ブロック、比較的落ち着いた赤ブロックという分け方になっています。
ガァルルのくじ引きまではわりかしサラッと進めて、のんとちりが真中らぁらに賭ける思いとか、ドロシーのクソガキっぷりとか、ガァルルのファルルへの気持ちとか、しっかり確認する流れが非常に良かった。
三期はのんちゃんを前半は引っ掻き回すトリックスター、後半は第二の主人公として置いて進んできたので、姉妹対決は絶対必要ですからね。
らぁらは『主人公であるから』という以上に、『皆の憧れたるトップアイドルだから』という説得力が強いキャラクターで、お話の都合も描写されてきた実力もノンシュガーにとって不利な取り組みですが、のんとちりの強い思いが描ききれるような、いい試合を期待したいです。

くせ者であるうっちゃりビッグバンズを皆が忌避することで、今回は場を持たせていたわけですが、ひびきが絶対に当たりたくなかったあじみと向かい合う場を作る形で試合が組まれました。
先週も書きましたが、ひびきのトラウマを解消し、狂ったままのあじみと和解させることは、二期の語り直しという意味合いも強くある三期を収めるにあたり、絶対やって置かなければいけない試合だといえます。
実力の描写からするとトリコロールが順当に勝ちそうなんだけど、天敵あじみがいるからデバフかかってうっちゃりビッグバンズが勝つだろう……って言う展開は、これまでと何も変わらないのであんま見たくないですね。
ひびきとあじみの因縁を巧く収めた上で、アイドルユニットとしての強さをしっかり描写し、真っ当な取り組みに仕上げて欲しい気持ちが、強くあります。

そしてシードになる赤ブロックですが、二つのブロックに比べると相互作用が弱く、お互いのユニットの内面を描いていく展開になるかな、と思います。
ソラミとドレシが三年間の物語を支えてきた以上、決勝はおそらくこのくみあわせになり、ガァルマゲはここで負けてしまうとは思います。
しかしユニット間の絆として、ガァルマゲは相当分厚いものを持っていますし、劣等生であるが故に『勝つ』ことへの思いも相当強いはず。
視聴者(つうか僕)の好感度も思い入れも強い彼女たちを負かすには、ドレシにも『主役のライバルだから』以上の説得力が必要になります。
早速来週ぶつかる感じですが、そこら辺巧く描いてくれると嬉しいですね。

組み合わせの色々で、ガァルルVSファルルのボーカルドール対決は、トーナメントの枠内ではおそらく不可能になりました。
しかし今回描写されたガァルルのファルルへの敬意と戦意はこれまでしっかり積み上げてきたものであり、どっかで拾ってちゃんと描写してくれたほうが、総決算の味わいも深くなると思います。
幸い、櫓を消化していく分には十分話数の余裕があるので、ボーカルドールの物語の最終章はじっくりやってほしいなぁ……そうすることが、ボーカルドールへの尸解仙を望んでいた過去のひびきを、拾い切ることにもなるだろうし。


そんな感じで、これから起こる闘いがどういう原理で展開し、何を賭けて戦うのかを再確認する回でした。
何しろ三年弱の積み重ねがあるので、単なる勝敗を超えてどうドラマを展開するのか、色々読めるのは面白い。
正しい意味でプロレス的というか、勝負の奥にあるドラマを読むリテラシーを要求してくるというか。

一話じっくり使っていろんなものを確認したことで、これから何を描くかの見取り図は非常にクリアになったと思います。
キャラクター個人が積み上げてきた物語に決着を付け、ユニットとして背負うものをぶつけ、輝かせ、終わらせるためのトーナメントは、プリパラが競い合う場所でもあったことを確認していく場にもなるでしょう。
おそらく激しく、そして楽しいだろう決戦の中で何が描かれるのか。
そしてその先にあるだろう奇跡は、どのように掴まれるのか。
非常に楽しみです。