バンドリを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月12日
破天荒なファーストステージを終え、新たな仲間と運命の出会い…と思わせておいて、釣った魚に餌やらないと面倒なことになるよね、というお話。
マジで他人の顔色は見ないで楽しいことだけやりまくる香澄は、生粋のパンクスだと思う。その魂の双子であるおたえもダウナー系パンクス
バンドリアニメは全体的にじっくりというか、あんま魔法を少なく進めたいのかな、というのが今の印象である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月12日
これは先週のステージのように『持ちすぎ』の印象をあたえることもあるし、今回のおたえとの出会い、交流、変化のように実感を込めて描く足場にもなる。扱いは難しいが、面白い。
おたえは同じギターの先輩ということで、マジでなんにも知らない香澄にチューニングを教え、コードを教え、ギターが『上手くなる』楽しさを教えてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月12日
出会ってしまった胸の高鳴りを楽しむの最優先な香澄にとって、上手くなる楽しみというのはなかなか新鮮なのだろう。
香澄は『巧くやりたい、恥ずかしいことはしたくない』という外向きの意識が極端に薄く、あのボロッカスのきらきら星でも存分に楽しむことが出来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月12日
衝動に敏感なのは立派なパンクスであるし、パンクス仲間であるおたえも同じような感性をもっている。ゴーイングマイウェイだよおっかさん。
しかしそれは、他人の痛みに鈍いということでもあり、無神経な歯車に巻き込まれるのはいつでも有咲である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月12日
惚れてしまった弱み故か、自分の気持ちを溜めに溜めて我慢し続ける有咲に、香澄は気づかない。それが香澄らしさであり、魔法がかからない以上何度間違えても改善はなかなかされない。
世界全てが、他人(と接触する自我)の有り様に無神経、というわけではないことは、板挟みになって死にそうになってるりみからも見てとれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月12日
大事にしてた盆栽を売ってまで、蔵を練習場所に変えてまで、一緒にご飯を食べると約束してまで、有咲にとって香澄との出会いは特別な、たった一つのものだ。
物語と自分自身を牽引するパワーと引き換えに、香澄は周囲への気遣いを失っている。有咲が傷ついている様子に気づかず、決定的な状況になっても理由には思い至らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月12日
扉を開けて譲歩したのは空気が読める有咲であって、自分の欠点を踏み越えて香澄は踏み込まない。魔法はなかなか起こらないのだ
それでもなんとか状況が成立しているのは、有咲の人の良さ(チョロさ、とはあまり言いたくない。現状色々気の毒だ)故であり、そこまで有咲が香澄に入れ込んでいるもの、脇目もふらず衝動に邁進するパンクスの突進力故だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月12日
凸凹欠点はありつつも、なんとかハマる形でバンドは成立しつつある。
ここらへんの凸凹した感じは好みなのだが、香澄のパンクスっぷりをパンクスではない有咲が認め、譲歩する形でしか話が進まないのなら、それは不公平だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月12日
先生が終わらない補修を見守ってくれるシーンでもそうだが、作品世界の『優しさ』と『都合の良さ』の線引が、かなり危うい気がする。
優しい世界と都合のいい世界の間には、薄くて硬い壁があると思う。このお話がどっち側にいるかは、香澄のパンクスピリッツにどう優しさを宿すかで決まるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月12日
現状香澄はかなりの勢いで、優しさを踏みにじれる、他人の痛みがわからない天才になりかかっている。それが主役の牽引力でもあるのだが
アッパーなパンクス・香澄に対し、ダウナーなパンクス・おたえのうまが合う感じは凄くよく出ていたと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月12日
共通の楽器、共通の価値観を持っていればこそ、周囲が目に入らないほどに夢中になる。有咲は置いていかれる。残忍な構図が、香澄の楽しさを強調もする。
有咲との物語が『離れてくっつく』物語だったとすると、地雷を踏み抜いて次週に引いたおたえとの物語は『くっついて離れる』物語なのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月12日
似た者同士でも、違いは当然あるし、踏み込んだら痛い部分もたくさんある。その中で、盲目のパンクスは何を見つけ、自分をどう変えるのか。
ゆっくりと進む物語だからこそ、かける変化というものがあると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月12日
『青春物語の主人公はこういうやつ』という動脈硬化に陥らずに、パンクスとしての爆発力を維持したまま、香澄が周りを気遣える真実の知恵を掴む。
なかなか難しいと思うが、個人的にはこういうお話が見てて楽しくはある。
無神経さの中にある小さな気遣い、スピードとパワーの中にある繊細さ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月12日
そういう相反を同居させるのも、物語の手管というものだろう。
おたえの物語は来週決着するのだろうが、そのなかで魔法のない世界を物語として飲み込むために必要なナイーブさが見れればいいな、と思う。
そこら辺の片鱗は、蔵に降りていくとき靴を整え、有咲にとって本当に大事なものなのだと見せる手腕(そして、ガサツに上がる香澄の無神経さの描写)に、既に見えているわけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月12日
香澄が『そんなに悪いやつでもないんだよな』と納得できる、お話を好きになれる描写をもっと強く、もっと深く味わいたい。
しっかり揃って技術のあるステージは、いくらでも待てる。じっくりとうまくなっていく様子があるから、むしろ待つのが楽しみでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月12日
しかし香澄が踏みつけにしてしまっているモノにかんしては、一発で治る魔法は使わないにしても、もう半歩変化してくれると見やすいかなぁと、正直思う。
まぁ『周りの寝言は聞こえねぇ! 他人の願いも見えやしねぇ!! 判るのはこの胸の高鳴りだけだ!!!』っていう攻撃的なスタイルも、面白いっちゃあ面白いんだけどね…なまじ有咲が巧く掛けているだけに、香澄の第一被害者になる彼女がかわいそうで、公平性にかけているように思えるのは、難しいね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月12日