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イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

プリパラ:第134話『バレンタインは甘くない』感想

天の高みを目指し競い続けるアイドル黙示録、遂に姉妹対決の第134話。
Aパートで試合前のアレコレを、Bパートで実際の試合をしっかり見せる構図と、福田さんらしいボケっぱなしの火力のあるネタ、勝者も敗者もハッキリと描く明瞭さが噛み合っていました。
空を見上げ続けるからソラミスマイル、決着の瞬間に自分たちのオリジンが勝ちを呼び込む流れは、三年積み上げてきたものが結実していて、凄く好きだな。
三年目後半を引っ張ってくれたノンシュガーにもしっかり報いる展開で、満足度の高い三戦目でした。

というわけで、『これまでやってきたこと』と『これまでやりきれなかったこと』が交錯している神GP決勝。
今回はどっちかと言えば『これまでやってきたこと』の確認が多くて、追うものとしてのノンシュガー、追われるソラミスマイルそれぞれの強みを確認し、支えてくれる人たちの温かみを確かめ、実際のパフォーマンスに奮闘し、最後の最後で明確な差がつく、という展開でした。
三年分物語を積んできたソラミも、半年主役をやって濃厚な物語を積んできたノンシュガーも、そんなにやり残しはないので、新しいものより古いものを大事に進んでいく今回の運びは、結構しっくり来ていたと思います。

トップランナーとしての実績と、追うものとしての勢い。
それぞれ強みがあって、ジュリィとジャニスという女神の祝福も持っていて、チームの結束もステージを楽しむ気持ちも同じ。
前回があじみとひびきの間にある異質性を軸に回っていたのに対し、今回は真中姉妹の共通性が軸だった感じですね。
バラバラのものが『みんな』になれる可能性も、『みんな』としてまとまりつつも競い合える可能性も、両方プリパラな強みなわけで、最終決戦でそれを確認できるのは、とても良いと思います。

公平にアイドルを見守る立場は承知しつつ、強い絆で結ばれた個人を応援したい。
女神たちのジレンマをここでちゃんと拾い上げて、舞台に向かうアイドルたちのエールに変える展開を挟んだのも、優しくて好きですね。
システムとしての責務と、人間としての情愛の間で揺れ動いたのが三期だったと思うので、ここで(特にジャニスの)到達点が見れるのは、非常に嬉しい描写でした。

同時に拾いきれなかったネタもキッチリ回収していて、とにかくペッパーのかあちゃんがいるだけで面白い。
擬人化とか一切ないガチ雌ライオンが、ガチ獣アクションしてるのほんとずるくて、真顔でボケ倒すプリパラの笑いを堪能できました。
どう考えてもネタなんだけども、母親としての愛情、保護者としての厳しさがちゃんとあって、周囲の人々に受け入れられる喜びもあってと、地道な部分も同時に拾い上げているところが、非常にズルい。


Bパートは実際の舞台となりますが、後手の優位を活かしたメイキングドラマのカウンターと、上を見続ける上昇志向の差でソラミが取りました。
順当といえば順当なんですが、『空見て笑って』というソラミのオリジンに立ち返りつつ、勝敗の先にある姿勢が勝敗を分ける作りにしたのは、勝ち負けに納得の行く運び方で、とても良かった。
トーナメント編は明確に勝敗がつく対戦形式なので、『何故勝ったか』を可能な限りクリアにするよう、工夫されているように思います。
まぁドレシとソラミが連続してMDカウンターで勝負を決めているので、そろそろ別のロジックが欲しくもあるけど。

敗北した後のケアがしっかりしているのも良いところで、負けて悔しいからだけではなく、積み上げてきた感情の重さが吹き出させる涙を、ベテランであるらぁらがしっかり受け止める展開が素晴らしかった。
らぁらも案外『負け』ている主人公なので、今回のんが経験した感情のうねりに『理解るよ……』と寄り添ったのは、姉妹ゆえの情だけではなく、先輩アイドルとしての共感が強かった気がします。
アバンで仲良し姉妹っぷりをちゃんと確認しつつ、身内を超えた部分で橋をかけてくる作りは、『みんな』を大事にするプリパラっぽいですね。

勝ち負けの扱いで感心したのは、ガァルマゲに辛勝したソラミを特訓に追いやったこと。
人数増えすぎて画面がうるさくなるのを避けつつ、前々回の『勝ち負け』を真摯に受け止め、値段を上げていく展開で、凄く良かったです。
ああいうコンパクトな描写で真摯さが見えると、『強くなってほしいな』という期待感も、『強くなったな』という納得もちゃんと生まれるので、大事ですよね。
負けたガァルマゲの涙も報われるというもので、こういうところを踏まないのが、プリパラの強さかなと思います。

勝ち負けの量を測る手段はもう一つ用意されていて、神コーデを覆う金剛石の砕け具合は、トーナメントを巧く彩っています。
直接殴り合うわけではないステージバトルの『強い/弱い』というのはなかなか可視化しにくいので、ダイヤの鎧にどれだけダメージが入ったかで、ユニットとしての『格』を見せていく演出は、上手いこと強さのバロメーターとして機能していると思います。
パフォーマンスの合間合間に、観客席やライバルののリアクションを挟むのと同じ表現法ですね。

勝ち残りチームだと、現状『トリコロール>ソラミ>ドレシ』って並びになるのかなぁ。
公式の次回予告を見るだに、トリコロールの圧倒的な『格』というのはちゃんと拾うっぽくて、実力差にどう食らいついていくのかが、次回の争点になりそうです。
今回追いかけられる側だったのが、次回は追いかける側に回るというのは、いい具合に転換が効いていて面白いですね。

ドレシの特訓もそうですが、『勝ち負け』を埋める説得力は、ドラマの中でまだまだ積み上げられます。
若獅子達の挑戦を退け、その涙を背負って王者に挑むソラミが目指す空は、どんな色なのか。
まだまだ熱が引かない最終決戦、これからがさらに楽しみになる、良いエピソードでした。