幼女戦記を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月25日
北のドンパチを回り込んで敵のケツを蹴っ飛ばす、少数精鋭のエリート特殊部隊、まさに見せ場のフィヨルド戦。
悪魔のお手玉のように持ち主を変えるSMGが、状況の残酷な愚かしさを引き立てる良い小道具となっていた。
『冬将軍と戦って勝てるわけねぇだろ。寝てんのか』というターニャの指摘はまさにもっともで、局面が見えていない(ように思える)北方司令部と関係が破綻してでも、沈む船に乗りたくないという身の交わし方もクレバーだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月25日
参謀本部付の遊撃部隊なんで、北の石頭と喧嘩してもあんま関係ないしね。
とは言うものの、長引けば氷漬けになって死ぬのはターニャならずとも分かっていて、正面をおとりに後方にツッコむ作戦をゼトゥーアも用意してある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月25日
戦争の結果をどう使うかはさておき、起きてる戦争自体は可能な限り効率よく、損失少なく回そうとしている姿勢は、バカが少なくてとても良い。
状況からこれを推察(アホ毛が『?』から『!』になる演出が秀逸)したターニャを軽くさすタニャして、203による対地・対艦陣地潰しが始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月25日
海がダメなら空からぶっこめばいいじゃなーい! という発想を、ほぼ損傷なくしっかり実現してしまう辺り、203はマジでエリートだ。
主役の人間性を揮発させつつも、殺戮集団としての203には独特のタフさと気安さが同居していて、見ていて面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月25日
軽口も虚勢なら笑いどころだが、軽口叩きながら実際戦果を出し、敵に危険味方に安全、バンバン殺して兵器の本懐を果たしているわけだから、ふてぶてしさに変わるわけだ。
若く優秀なエリートたちを率いる地獄の司祭が、悠木碧声の萌え萌え幼女という悪趣味なギャップは、徹底して冷たく薄暗い戦場の中で異様な光を放っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月25日
グロテスクですらある金髪の異質性、それがむしろ武器になってしまう戦場の曇天との対比が良く映えて、良いセッティングだったと思う。
嘲笑を浮かべながらバンバンぶっ壊す203に対し、祖国と家族への愛情でむっちゃ頑張るアンソン氏は、そういう熱さを歯牙にもかけない冷たい戦場で死ぬ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月25日
一見ハートウォーミングなように見えて、父に良い性能の人殺しアイテムをプレゼントするクリスマスは、すっかり狂っている。良い悪趣味加減だ。
この狂気は、アンソンの名前も顔も覚えておらず、その情熱にかけらの共感も示さないターニャが『クリスマスプレゼント』を略奪する瞬間、最高潮に達する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月25日
狂った思いやりを、『なんか良さげ』で横から略奪する狂気。戦争という織物は、愛情と狂気で織り上げられているわけだ。
アンソン氏の死がどこに流れ着いていくのか、残った娘がどうするのか、いい具合に気になる無残さであった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月25日
そういうところに気を使っていては、八方ボーボー燃えている帝国に勝利などありえない。人間の感情など無縁の冷たく薄暗い空が、徳目としての鈍感を巧く反映して鈍い。
戦場をザックリと切断する無慈悲さは、海空連動作戦のシメとして華々しく登場した、艦船による砲撃にも見て取れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月25日
若く輝く希望たちが、戦場にすらたどり着けないまま死体に変わる。おまけに、彼らを運んできた鉄道インフラは、これから祖国を蹂躙するために利用されるのだ。メリークリスマス連合。
これで協商連合はだいたい積みだと思うが、西は塹壕が迷宮のように入り組みながら無限に増殖しているだろうし、北と東の国境線の先にはロシアがいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月25日
西を落としたとしても島国と、海を隔てて大陸がある。大隊長の戦争は続き、勝っても勝っても終わらない。無双の活躍自体がターニャの願いを拒絶する
どっちにしても、総力戦という列車は動き出して、世界全部を巻き込みつつ途中下車はなしだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月25日
泥と氷にまみれた、空飛ぶ蟻のような狭い視界のまま、主人公は地獄を飛び続ける。その先にあるのは…夢やら希望やらではないってのは、最初からちゃんと告げている話である。
『目を見ては殺せない』と、少女の戦争を切り取った傑作アニメ"シムーン"では言っていたが、ターニャは敵の目を見るつもりはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月25日
その姿勢は今回見えたような、薄暗くて冷えた、アツさが何も連れてこない戦場においては有効なのだろう。正しいかどうかは相対的だし、別の話だ、多分。
少女の皮を被ったトカゲが主役を貼る物語は、かつて少女であり、少女を脱する存在を戦争によって切り取った物語とは、当然描くべきものも、描きたいものも、描き方も変わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月25日
どっちも好きだし、面白いなと思う。共通点と差異点が両方ある方が、お話は楽しいし豊かだろう。
"シムーン"では主人公による局地戦の優位は戦況を覆し得なかったが、このアニメはどこにたどり着くのか。(そも、どこかにたどり着くところまでやれるのか)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月25日
来週も戦場が待っている。勝っても勝っても終わらない、晴れ間を知らない曇天は、第1話からずっと続いている。良い演出だなぁ、やっぱ。