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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月28日
33年前の伏せ札の種明かし、忠誠と愛情の交錯する臨界点。
ニーノの隠していた情報(年齢含む)が明らかになることで、王室穏当派というアクターの素性も見えてくるし、あまりに重たいものを抱え込んだ日常のもう一つの顔も顕になった。穏やかな語り口が逆によく刺さる。
シュネー(白雪姫か)王女の偽装死からお話は始まるわけだが、王家は君臨すれども統治せず、姫は籠には収まらない破壊の鳥であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月28日
王様がいつもニコニコしているのは責務でもあって、実務の領域まで首を突っ込まないことであの不安定な国はギリギリ成立しているわけだ。王子マジあぶねーな。
民衆に分け入り、国の実態を見たシュネーの生き方が、監察官というジーンの職務に繋がっているのは、血の呪縛と祈りを感じさせて面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月28日
お母さんの抱えていたものをジーンは知らなかったわけども、結果として同じものを大事にして、同じ立場からものを見る生き方を選んだ。選択と流転。
これまでも印象的なアイテムとして描かれてきた『食パン』は、王室に閉じ込められていては味わえない実情の醍醐味だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月28日
パンを食べるシュネーの開明的な態度は、しかし今の王室には支えきれない。死を装ってしがらみを切り、開放してあげることしか出来ない。王家は万能ではないわけだ。
母の願いを引き継いだジーンは食パンを食べ、シュネーとはまた別の方法で王室の拡大開放を狙う王子は食パンを食べない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月28日
建前上継承権はないとはいえ、王子の立場を危うくするジーンは今後、色んな意味で台風の渦になる。国の形、王室の形が変わるクーデターの中枢になる可能性が強まってきてるな。
死ななければ思いを遂げられなかったのはアーベントやニーノの父、ニーノも同じで、『別々の道を歩んで』というシュネーの願いをはねのけて、男たちは家族を見守る。年齢を偽ってでも、常に側にあり続ける。自分が死んでも、親が死んでも、それは終わることはない。檻から出ても忠義と愛情の檻がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月28日
同時に、自分の人生すべてを捧げ、他者の喜びがそのまま己の喜びとなるような生き方は、忠義だけでも愛情だけでも成し遂げられない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月28日
父と離れたくないという願い、非常時のスペアを用意しておく計算は時間が過ぎても劣化しないまま、別の価値を手に入れて変化する。嘘から始まった関係は本物になる。
何がホントで何が嘘か、25歳なのか15歳なのかはそこまで問題ではなく、船の偽りの死も、列車の本物の死も全て飲み込んで、奇妙な日々は続いていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月28日
それは尋常ではないかもしれないが、笑顔と喜びがあり、親子の尊い感情が宿った、紛れもなく美しい一つの日常だ。
王室の堅牢すぎる檻、様々な感情が絡み合う監視生活。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月28日
異形ではあるんだが、そこに込められている感情がちゃんと暖かいものだと分かる親子の生活描写が、凄く良かった。
それがぶち壊しになり、世界がブルーグレイで覆われる瞬間との落差も含めて。ザックリとしたカラーリングで印象を作るのが巧い。
ロッテに懸想するストーカー共がコミカルに描かれてきたのが今回効いてて、生まれる前から見守ってきたニーノの本気っぷりが際立った。『おう新参、見守るってのはこうするんだぜ。親父が死んでも、正体があかせなくても、見守るんだぜ』って感じだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月28日
幼くして人生を捨て、それを対価に一緒にいた父も死に、それでも監視/見守りを続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月28日
ニーノの孤独が顕になったことで、前回アーベントに語りかけていた柔らかい調子にも納得がいった。クヴァルム-アーベント-ニーノの絶対的忠誠ラインが分厚すぎる。
黒きクヴァルムとの対比で強調されていた、アーベントの白。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月28日
素直に考えるとグロッシュラーなんだけども、当人との対話の中で話題に出ていることを考えると、また別の人なんだろう。
…課長かなぁ。異動願いを握りつぶせる立場にいて、自分の手元において見守る状況を維持できるの、あの人だけだもん
愛情と忠義の境界線があやふやな話であり、その両方が大事という話でもあるのだが、それは『国のため、死ね』と言い切ったクヴァルムにも及んでいる気がする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月28日
あの人、シュネー姫が暗殺されず、王室が維持できる唯一の策として死を装ったけども、王も姫も大好きなんじゃないか(願望含む)
そうでないと、人間三人に人生捨てさせてまで監視を維持して、王様に近況報告させる理由薄いもんなぁ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月28日
そうさせるだけの爽やかな魅力を、わりと短い手番でシュネーに感じさせる演出も良かった。可憐だったなぁ、お姫様。妹ちゃんはお母さんの血筋だよな…男を狂わせる引力も含めて。
過去の話を一気に開陳することで、クヴァルムから発せられていた煙が晴れ、王室穏健派がジーンの味方であることがはっきりする回だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月28日
ニーノの暮らしをじっくり見せることで、そこにしっかり体温があって、冷たい忠義の論理だけで動いてはいないこと、そこに冷たさもあることが良くわかった。
しかし一勢力の河岸が明らかになったところで、曖昧なクーデターがすべて見えるわけではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月28日
王子が中心にいる王室過激派、ACCA存続を考える勢力、区の不満を背負う輩。色んな煙が渦を巻いて、いまだ全体像は読み切れない。情報の出し方、感情の暴露方法がとにかくうまいな。
どちらにしても、33年の長さ、沢山の人の思いを知らずに背負っていたことが明らかになり、ジーンの主役力は更に上がった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月28日
過去については語られたので、ここからは現在と未来の話になるだろう。背負った思いをジーンがどう使い、物語をどこに進めていくのか、非常に楽しみだ。
ぼんやり傍観者ボーイかと思っていたら、第一王位継承者にしてクーデターの仲介役であり、『区』と『国』の境界線を超えて様々な欲望を実感できる唯一のキャラクターと、ジーンはすっかり話の真ん中に位置を占めたなぁ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月28日
穏やかな語り口を維持したままここまで運んでしまうのは、本当に凄い。