アイカツスターズを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
S4戦開幕、舞組…はアバンでとっとと片付け、あこVSツバサの最終局面からスタートである。
善戦して次期S4をもぎ取ったという結果含めて、非常に順当な敗北であった。先週のお話を誠実に引き継いで、早乙女あこに可能な限界にたどり着いた感じ。
特別なグレードアップグリッター(長い)を手に入れられなかったあたりである予感がして、『現役が勝っても二位が繰り上がり』というルールが説明された時点である程度確信は出来たが、あこは負けた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
価値のある、トップを譲られる形での勝利ではあるが、敗北でもある。甘くて苦い決着である。
無印劇場版において、アイカツの天井として作品世界を引っ張り続けた神崎美月は『譲るのではなく、奪われたかった』と心情を吐露する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
それは才に恵まれ真実を常に射抜く主人公・星宮いちごによってトップの座を奪われ、開放され、人間に戻る自由を与えられた後の台詞だ。
今回あこは、劇組トップを本気で取りに行く。先週ギリギリのところで、あこがアイドル活動に何を賭けているのかしっかり描けたので、その本気を疑うことはない。彼女は真剣に、本気で奪いに行った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
だが結果として、来年からのS4の座は『譲られた』ものだ。譲位と簒奪には大きな違いがある。
正しさを積み重ね続け、高い頂きを略奪する前作とは違う方向を、スターズは選び取った。奪おうとして奪えない、思いがあっても実力がどうしても足らない、そういう瞬間も人生にはあると、クライマックス一発目で語ることにした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
負けて勝つことで、あこは凄くスターズらしいキャラになった。
僕が見る限り、あこには世界の天井を突き破るほどの説得力はない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
一年間の物語の中で、ちょっとずつ目を開き世界を広げては来たけども、まだ他人のためのアイカツを自分のものとして取り込めるほど、人間が成熟しきっていない。そういうエピソードを積まれ(きって)てもいない。
未成熟で発展途上のまま、リミットがやってきてあるがままの早乙女らしく二位(負けの一番)を取る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
それは早乙女あこが積み上げてきた物語に凄く誠実で、順当な結末だと思う。二位を取ったのは、先週みせた誠意への報酬であり、このくらいは報われてくれなければ寂し過ぎもする。
来年以降、あこは『負けて成ったS4』という烙印をずっと背負う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
優しい世界はそのことにあまり触れないかもしれなけど、彼女はずっと今回の負けを覚え続け、それがS4として、アイドルの天井としての中身を埋めていくかもしれない。
その過程を僕は凄く見たいけど、見れないかもしれないとも思う
なにしろ組一つの決着をアバンで終わらせるほどスターズは人数が多すぎるアニメで、二年目のメインビジュアルにもあこの姿はない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
この一年、多すぎる人数を捌いてきた手際を考えると、来年以降あこが背負う劇組の扱いは、あまり良いものではないかもな、と今思っている。
しかし、負けた後笑顔を作って『いつもの早乙女あこ』を演じる強さと、ひとりきりになって泣く無念をちゃんと切り取られてしまった以上、あこのこの先は見たい。無茶苦茶みたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
『普通』の女の子が、譲られた玉座に相応しいスーパーアイドルに成長していく姿を、僕は見たい。
親友でも踏み込めない領域がある。本気で挑めばこそ、傷ついた心には自分以外よりそえない瞬間がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
そういうシビアな真実は、スターズが『普通』であることを大事に進んできたからこそ描けるものだと思うし、今週のあこの涙は、正直スターズで一番刺さる表現だった。
だからこそ、早乙女あこの今後はちゃんと追いかけて欲しいと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
存分にやりきって星にたどり着いた女の子の物語と同じくらい、星に辿り切る前に力尽きてしまって、それでも人生が続く、選ばれなかった女の子の物語は切なく、優しく人生を語る。
負け猫のお話は、まだまだここからだと思いたい。
もう一つ順当だったのは、劇組のハイパースキップ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
元々ゆずのワンマンチームだってのは第42話で強調されており、二年という年齢設定も相まって『まぁ勝つよね』ではある。競う一年もいないし。
それにしたってグッと深く刺さる描写無しで処理されてしまうのは、悪い意味でスターズらしいと思った
来年以降もゆずが背負っていくことになるけども、主役勢(の幾人か)がS4となり同僚となる中で、圧倒的すぎてついていけない天才の孤独を、どう扱うのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
それはゆずの魅力でもあるので、活かしつつ上手く補ってほしいところではある。が、来年も人数はパンパンなのには変わりがない。
リソース配分の難しさという意味では、今回圧倒的な結末を出した完全無欠のツバサ先輩も、そのスペックに相応しい説得力を描写の中で獲得できていたか、と言われれば疑問は残る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
S4を圧倒的な壁にしない、というのが一つの作劇哲学としてあるとしても、やっぱあの人はぼんやりしている。
あこのエンジンを早めに始動する意味合いも含めて、劇内部で暑苦しく絡み合う描写があったら良かったのかな、とも思うが、まぁせんないことだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
数少ない個別エピソードがぶっちゃけ不出来だったのは、彼女にとってもシリーズにとっても俺にとっても不幸なことだった。
やっぱりキャラクターの存在感というのは、『そういうものである』という設定ではなく、『そういうものなんだね』という実感にある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
それは圧力と体温のある描写からしか手に入らず、人数に困惑するなかでそれを掴み取れないキャラが結構いるのが、一年アニメとして見たスターズの弱さな気がする。
そして圧力と手触りは、先週と今週のあこを見れば判るように、簡勁で的確なエピソードを用意すれば、そこまで尺を使わず獲得できるものでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
ツバサは去り、あこは残る。この結末、この無念、この敗北と勝利を来年どう活かしてくるか、気になるS4開幕戦であった。