セイレンを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
ついにラストラップ、桃乃今日子編開幕ッ! と身構えてきたら、突然ショタ魔法少女女装というビーンボールをドタマにぶちかまされる。それがセイレン。
しかし今日子ちゃんはクセのない素直で可愛い幼馴染であり、相変わらずゴークレイジーな世界との温度差で俺が死にそうに。
恋と変態性をナイフに使いつつ、2人のヒロイン相手に正一は『思春期』と格闘してきたように思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
女の子という他者を知り、自分の将来の可能性を探り、小さな恐怖を乗り越えて新しい世界を手に入れる。自分が変わっていく足場として恋は大事にされているが、絶対ではない。
今日子編は『男らしさ/女らしさ』『大人らしさ/子供らしさ』をキャラに背負わせ、以前とはまた別の角度から、しかしより分かりやすく『思春期』に潜っていく気配を感じた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
子供時代を共有する幼馴染は、男女の別が必要なかった幼い時代も共有している。だからその差異を発見しつつある時代が際立つ
少女漫画を読んでも、それどころか女の子のパンツを履いても、そこまで問題にはならなかった時代(まぁ桃尻は叩かれるのだが。ショタならOKッ!)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
それは実感が無いうちに遠くに過ぎ去ってしまって、正一は男の子に、今日子は女の子になりかけている。なんとなく『大人にならなきゃ』という強迫観念
しかしそれはあくまで外圧であって、自分が『大人である/男である/女である』という実感のないまま、周りの人々の振る舞いに引っ張られる形で二人は男になろうとし、女になろうとする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
少女漫画を捨て、恋の相談をし、置いていかれる恐怖、異物扱いへの震えをコメディの中で見せる。
物語が始まった段階で、二人は恋人ではない。男の子も女の子もなく付き合えた、黄金時代が遠くにある、どこかぎこちない幼馴染だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
しかしエンジンは既に温まっていて、正一も今日子も気さくな間合いを維持しつつ、肌がふれあいそうになると頬を赤らめる。恋の予感は随所にある。
常木さんの時は結局踏み込みきれず、先輩相手には世界を広げる足場となった恋心。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
男女の別がなければ発生しない(少なくとも、ヘテロである正一と今日子にとっては)それは、子供と大人の境界線で己を定めかねている二人にとって、外圧を実感に変える大事な魔法になるだろう。
同時に、ずっと積み上げてきた関係が変化してしまう恐れも立ちふさがっているので、二人は自分の足でそれを乗り越えなければいけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
普段とは違う着物姿の今日子にドキッとしたのは、その第一歩と言える。もう、区別をつけなくていい時代は、月のように彼方に去ってしまったのだ。美しいが遠い。
ここら辺の構図を鮮明にするべく、幼いカップルの無邪気な姿を照射しているのはわかりやすい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
彼らはかつての正一と今日子であり、エログロ満載のマンガは『みちゃいけないもの』、性のタブーであった時代に生きている。そこに帰ることが出来ない二人は、別の場所を探さなければいけない。
しかし子供/大人、男/女は間に『/』を置かなければ破綻してしまうわけではなく、境界線を侵犯することで豊かさが生まれるときもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
正一は(いわゆる)女性らしい優しさや強さがどっかにある少年で、荒々しく人を引っ張ったり、間合いに入ったりというのはこれまで見てきたとおり苦手だ。
『女の食べ物』であるパンケーキをどっかどっかと食べまくる、男らしいんだか女らしいんだかわかんない姿。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
それは冒頭の魔法少女のように、妖しくもなんか楽しくて、頭ごなしに否定して消し去ってしまうのは、ちょっともったいないと思う。正一はそういう『自分らしさ』に、居場所を見つけてほしい。
これは子供/大人の区別もそうで、正一がゲームに本気で興じるガキだったからこそ、心のなかに傷ついた少女をもっていた先輩と通じ合えたのだろうし、第4話が別れたところで終わらなかったのも、あの海での少年期の終わりが、実は終わりではなかったからだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
幼さと成熟は、おそらく地続きなのだ
区別がなければ成立しない恋の中で、その区別を侵犯する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
かなりアクロバットな展開になるが、同時に対比物の融和は物語が果たすべき結末の中でも最もベーシックで、最も強力なものだ。セイレンだけの答えにに物語がたどり着いた時、僕は凄く面白く感じると思う。法って置いても変態的な答え出すし。
そういう全体の構図は、相変わらずの狂いっぷりでブーストを掛けられている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
いかがわしい家庭部の活動、相変わらずエキセントリックな常木さん。(過去のヒロインが別の活躍をするのは、形式を活かしていてとても楽しい)
クレイジーなセイレン世界は相変わらずであり、僕も楽しい。
常木さんと先輩は、その世界に適応した…エキセントリックな女だったわけだが、今日子は非常に周辺視野が広く、自分を曲げて状況に柔らかく対処できる、とんでもなく『いい子』であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
激辛カレーばっかり食ってて『うまいけど、口がいてぇ!』ってなってきたときに届く、極上の水。そういう感じ。
正一が誤解されそうになったときのフォローアップの仕方一つを見ても、彼女が常木さんや先輩のように非常に強い『我』を持っておらず、開けた視野で他人の願いを確認し、それを大事にできる子だというのは判る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
まさかセイレンでこんな普通の子が登場するとは思っていなかったが、普通もサイコー!
そういう普通の子だからこそ、常木さんが震えながらも強く決断して乗り越えた、『大人への決断』を前に震える仕草も、納得がいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
変わっていく自分、変わっていく世界、変わっていく幼馴染の、変態だけどちょっと気になるシャイボーイ。震えるだけではなく、変化への第一歩を踏み出しているのが良い
正一もまた、昔なじみ相手に敬語を止めて、ラフで優しい姿を見せてくれていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
相手が変わると関係性も変わって、別の魅力が引き出されるのは面白いところだ。恋人候補でなくなった常木さんも生き生きしているので、先輩にもサポーターとして活躍してほしい所。
まるで青春ど真ん中直球ラブコメのような味付けで始まった今日子編であるが、このアニメはセイレンである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月3日
また想像の斜め上を成層圏までかっ飛んでいくトンチキがぶっこまれ、恋だけではなく思春期全体と向き合った骨太な物語が展開されるだろう。二人の今後が楽しみである。