プリキュアアラモードを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月12日
五人のプリキュアラストを飾るのは、いちかの甘酸っぱい初恋のお相手、王子様系女子のあきらさん。
優しく強いヒーローの生き様を体現し、『そらモテるわ』と頷いてしまう運び方だった。五人揃った仲間の個性の見せ方も、コンパクトでよかったな。
というわけで、いちかとあきらさんが非常によく目立つ回だった。ちょっとオールドスクールな演出と、コロコロ表情が変わるいちかの可愛さ、様式美を極めたあきらさんのイケメンっぷりが面白い
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月12日
仲間登場回はいちかをぶ厚く押し出し、メインと主人公の絡みで見せていくのがプリモード・イズムのようだ。
(勘違いとはいえ)恋を知ったいちかの右往左往っぷり、悪気なく振り回すあきらさんのハンサムボーイ加減と、少女漫画ラブコメの王道を突っ走る展開が心地よい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月12日
長い歴史を持つ東映の善き遺産を発掘し、新しい息吹を吹き込んでいくのが、貝澤SDを起用した裏の意図としてあるのかもしれない。
弾みまわるラブコメ加減で楽しませつつ、ヒーローの物語に必要な精神性と真心、自己犠牲がとても大事に、ド直球に描かれていたのはとても良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月12日
時間を使ってくれたお礼にチョコレートを送り、それを傷ついた真心のために切り刻んで再生させるリレーの作り方は、ベタだからこそ最高である。
ハート型のチョコレートの包みが、いちかの恋心や優しさ、彼女が代表する正しき心の象徴として何度も使われていたのは、印象的だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月12日
恋を隠すように胸に寄せられ、踏みにじられてくしゃくしゃになり、割れたハートを公開するべく切り開かれる。いちかの気持ちは恋以外にも揺れる。
『何かを大事にしたいという気持ち』、抽象的な精神性こそが大事で、それを守るのがプリキュアなのだという描き方は、第1話から揺るがないプリモードの柱だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月12日
みんなでチョコを作り、あきらと彼女の大事な人のために届ける一連の流れは、そこら辺を全面に押し出して進んでいた。
ここら辺の精神性は敵と戦う力があろうとなかろうと、プリキュアだろうとただの女の子だろうと、当然のこととして守ろうとするあきらの振る舞いからも見て取れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月12日
特別なパワーがあるからヒーローなのではない。当たり前で特別な、気高い精神が行動に反映されることがヒーローなのだ。
そしてそういうヒロイズムは、あきらの大事なものを守るために戦おうとしたプリキュアたちとも共通である。年齢外見女の子っぽさ、いろいろ違ってプリキュアである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月12日
甘酸っぱいラブコメも、骨太のヒーローフィクションもちゃんとやりきってくれている贅沢さは、非常にプリキュアだなぁと思う。
あきらさんは戦闘時だけではなく、普段の振る舞いもとにかく目端が利いていて、細かくお礼を言って褒めてくれて、モテるために生まれてきたモテ星人としか言いようがなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月12日
モテの過程に納得がいくモテキャラは、やっぱり好きだ。いいヤツってことだからな。
今回は『五人』が初めて集合する回で、ワイルドに見えて察しが良いあおいとか、データベース担当として仕事しまくるひまりとか、小悪魔っぷりを随所でアピールするゆかりさんとか、各員のキャラがコンパクトに輝いてもいた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月12日
色んないいヤツが、それぞれ違った光を輝かせる、善性の楽しさ。
あおいたちが『気を利かせて、あえて』舞台裏に下がる一連の流れは、主役とメインヒロインにフォーカスを絞る物語的狙いと、各キャラクターの気配りが巧く噛み合った、いい降ろし方だったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月12日
あきらさん軸に据えるときに、人数多すぎると困るもんね。
そうかと思ったら料理づくりの時はちゃんと集まって、『みんな』でお菓子を作る。恋の孤立性は尊重しつつ、『みんな』の楽しさが必要な時は手を貸す。人間関係の視野が広い。(特にあおい)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月12日
ゆかりさんが後ろに引っ込んでニヤニヤしてるのもひっくるめて、『らしさ』と話の狙いを見事に融合させていた
『初恋の王子様は、実は女の人だった!』という定番の着地は実は相当にナイーブなネタだと思うが、着陸の瞬間までをカメラで切り取って、そこがどう激突するかは描かない、ある種の『逃げ方』には配慮を感じた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月12日
女の女への初恋が『間違って』いたり『悪いこと』だったりとは、まぁ明言できないよね。
いちかの認識と現実(もしくはあおい達の認識)のズレは、ラブ『コメディ』を成り立たせる大事なギャップだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月12日
でもそれが埋まる瞬間生み出す衝撃波は、凄くナイーブな部分を粉砕するおそれがある。笑いが笑いで収まるギリギリまで引っ張って結論を消滅させる手際は、ズルくも巧くもある。
あきらさんの『男らしさ』を真正面から掘っていくと、意図しない重荷を作品内に盛り込むかも、という読みかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月12日
超絶変化球で何度も打ち込み、見事に『女の子アニメの中の性差』を切り取ったプリパラという前例もあるけども、必ずしもそれだけが解決法ではない。
プリキュアがヒーロー物語である以上、あきらさんの気高い『男らしさ』は強烈な武器だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月12日
それはこれから幾度も描かれ、価値を確認されていくだろう。その時、いちかがあきらさんに誤解でも恋をしたという過去は触れられるかもしれないし、触れられないかもしれない。どっちの描き方も良いものだろう。
そこら辺はプリキュアアラモードがこの先、長い物語を語っていく中で(もしくは語らないことで)彫り込まれていくアティチュードだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月12日
変身バンクにも、鮮烈な『男らしさ』の奥に見え隠れする『女』のオーラ、魅力が練り込まれている。妹を気遣いケアする『女らしさ』も、あきらさんの大きな軸だ。
『かっこいい』だけでなく『可愛い』も好きな明さんの魅力は、今回小さな出番であおいやひまり、ゆかりの『らしさ』を切り取った筆で、今後生き生き描かれるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月12日
そういう期待が膨らむ、良い登場回だった。誰かを守るヒロイックな女が五人目で、凄く良かったなぁと思う。ど真ん中勝負、俺大好き。
プリモード追記。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月12日
あきらさんのヒロイックな雰囲気を出すべく、宝塚の様式美を徹底的に解体し、アニメに落とし込んだのは見事な手腕だった。
バンクシーンの大階段、声優さんも元宝塚雪組と、徹底してスタイルをアニメートし、キャラクターの武器にコンバートしている印象。
あきらさんの好感度は、王子類型には一切興味がなく、非常に自然体で優しく振る舞い、強く守り抜く姿勢が貫かれている所に源泉がある気がする、
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月12日
気負ってないナチュラルな感じ、心のままに振る舞った結果優しく出来ている感じが、凄くスマート。そらモテるワ。
それとおんなじように、悲しい記憶に心が捻くれまくった挙句『王子様』という類型のパワーを略奪し、ズルく性別をカム・アウトしてなお王子であり続けるキャラも同居してるところが、女児アニというジャンルの面白いところだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月12日
ひびきにとって『王子様』が偽物ではないところが良いのだ。