ACCAを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月14日
クーデターに向けて加速していく状況の中で、ジーンは物語が始まった時と同じように、穏やかに不思議の国を往く。
太陽のない、しかし住人はいい顔をしているプラネッタ区の描写の中で、利害とはまた別のクーデターの意味、ACCAの意味が見えてくる。
終章に向けてもう一度、物語の本道(それが脇道でもあるのが面白いが)に立ち返るお話だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月14日
ジーンは13に別れた不思議な国に飛び込み、その空気を感じ、そこの飯を食う。制服を現地に合わせることはしないけども、尊重すべき隣人として差異に溢れた『区』の良い部分を体験する。
リーリウムが発する毒気だけ見ていると、『区』が凄くギラギラした欲望の権化のように見えてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月14日
しかしそこには生活があって、それぞれの貧富があって、気風がある。水と乾パンの素朴な食事、実直なベリーショートの女性。変わらない表情の中の温かみを、ジーンはちゃんと読み、食べる。
差異を受け止め、尊重し、自分もまた味わうこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月14日
思い返せば一話から、ずっとジーンはそうして旅を続けてきたわけで、それはクーデターや王家の血筋が明らかになっても変わらない。変わらないことで安心できるし、なにが大事なのかを確認もできる。
このタイミングだからこそ大きな意味のある話だ。
佐武宇綺がプラネッタの気風を巧く演じてくれて、クーデターの表情がまた一つ深みを増した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月14日
クーデターが成功したところで、地下生活を続ける『区』に空が戻ってくるわけではない。人間の欲得とは遠い場所で、彼らは生きている。
しかしACCAはそういう大きなものの中の人間を守ることが出来る。
だから、ACCAには存続し続けてもらわなければならない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月14日
内実はバラバラでも、欲望の城であっても、ACCAが正義と公平の拠点であり、差異を争いの原因にしないために、とても大事な仕事をし続けていることには変わりがない。
貧しきプラネッタが、ACCA存続の正当性を裏打ちしてくれる。
それがクーデターの正当性と直結するのか、というのがなかなか難しいところで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月14日
バカ王子にあまりに人望がなさすぎるので、『ひっくり返しちゃおうぜ!』という方向に行ってるし、アイツ食パン食わないから説得も難しいとは思う。
しかしこのまま流れていくと、どーもリーリウム一人勝ちっぽくてな。
むせ返るような受けオーラを出しながら、グロッシェラーはモーブを説得した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月14日
グロッシェラー-モーブ-ジーンのラインは『クーデターの成功』よりも『ACCAの存続』をクエストに動いているので、どーももう一手打って来そうな予感……期待? がある。このまんまやられっぱなしじゃ面白くねーよ!
どっちにしても、王子が推すACCA廃止には不利益が沢山有る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月14日
リーリウムの『区』第一主義も同じくらい問題で、ジーンが即位するか否かは横において、第三の道を押し出していく必要を感じた。
これはやっぱ、プラネッタを生き生きと描いた結果だろう。政治と日常が巧く連動している。
緊張と弛緩、それぞれのシーンが上手く連動しているのは、ジーンとロッタの柔らかい日常描写とか、スイーツ三人娘が実は有能であると見せるパーティーのシーンとかでも同じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月14日
即位によって失われるであろうもの、正義を担当する正当性をああいうシーンでさり気なく見せることで、本筋が飲みやすくなる
緊張をにらみつつもゆったりしたt辺境に対し、中枢は色んな意味で大騒ぎ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月14日
クーデターへの準備は刻一刻と迫り、100年式典と国王の健康というダブル・タイムリミットが明瞭になり、陰謀は速度をあげる。
遊佐声ですべてを飲み込もうとするリーリウムの黒さが、セクシーで悪辣だ。
国王が死ねば王子が即位し、ACCAは廃止だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月14日
つまりクーデターの刻限はそこになるわけで、2つのリミットは重なるんじゃないかなぁという気がしている。ACCA側が主導権を握れるイベントだし。
ここでACCA存続派が一発かましてくれるとスカッとするが、どうかなぁ。
『平穏は良いもので、色々努力する価値のあるものだよ』ということは、このアニメ非常に巧く描いてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月14日
兄妹以前に二人の人間として、凄く自然でソフトで暖かい間合いを作れているオータス兄妹の描写をみれば、それは一目瞭然だ。
綺麗で美味しそうな食事描写も、そこに重なっていく。
王子の偏狭な支配思想も、リーリウムの『区』(というか血族)第一主義も、弱く儚く尊いものを乱す。誰かが実直なプラネッタに報いなければならない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月14日
主人公への期待がじわりと高まる、非常に良い寄り道だった。クライマックス前にこうやって、足場を確認できるアニメは、やっぱ強いなぁ。
あ、それはさておき第1王女がリミットに焦って、本気で暗殺者送ってきてた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月14日
最近出番が少ないニーノが担当する部分だと思うけども、的にかけられて他人事じゃなくなったジーンがどういう動きをするかも気になんだよなぁ。死人でない話だとは思うけど、愛の戦士ニーノは生き残って欲しいもんだ。
追記
ACCA追記。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年3月14日
サブタイトルの『空のない街に降る星』は、地下世界唯一の娯楽であるTV、それを止めないために外で通信するACCA、乾パンも美味しく食べる客人たるジーンの、トリプルミーニングなんだろうな。
アニメACCAはサブタイがおしゃれ、かつ的確で、ここも楽しみどころだと思う。