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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月9日
谷口監督と黒田シリーズ構成、サンジゲンがタッグを組んで送る、宇宙海賊ロボット炭鉱夫SFジュブナイルの第1話。
かっちり分厚いSF設定を作り込みつつ、それに溺れずに主人公が悪漢達に巻き込まれていく導入をテンポよく展開する、面白さと知的さの同居したお話であった。
サンジゲンの3Dモデルが唸る各種SF要素に血が唸るが、『世間知らずの主人公が罠にはめられ、荒波に揉まれ、新たな出会いを果たす』ドラマのうねりが、シンプルかつ力強いのがとても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月9日
SFモノは設定だけで勃起できるけども、やっぱお話がスウィングしてないと見続けられないからね。
『頭はいいけど人生未熟』なマヤちゃんを足がかりにして、世界にぐっと引っ張り入れてくれるラインの作り方が頼もしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月9日
冒頭で文字出てきた時は『オイオイ』とか正直思ったけども、そっからは宇宙空間の危険と活劇にグッと視聴者を放り出し、その合間にするっと世界を描写する手際に引き込まれた。
マヤちゃんがワタワタ初心者目線で慌てふためいてくれるおかげで、オリハルト鉱石が命に関わるヤバいお宝であること、この世界が存外にブラックであること、iマシンの有用性と危険性など、お話を支える設定が視聴者にもスルッと入ってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月9日
こういう窓がちゃんと開いてるのは、第1話では大事だ。
他にも義肢の同期描写とか、ワープを作業機械感覚で使ったりとか、文明レベルがどんくらいか、説明ではなく描写して時間を使いすぎない加減が、まさに絶妙だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月9日
やっぱお話には没入したいもんで、出だしから説明を貰いすぎるのは冷める。活劇の中に設定描写を盛り込むことで、世界が食いやすくなる
ドラマの方はボンヤリ主人公が汚い大人たちに巻き込まれつつ、のっぴきならない状況に巻き込まれるまで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月9日
18メートルの作業用巨人に意識をダウンロードする、iマシンのケレン味がよく生きている。欠損や死をバンバン描写することで、『iマシンをわざわざ使う理由』をスルッと納得させている。
マヤちゃんは今回『生身の身体に戻れなくなる!』という危機感で動いているわけだが、ドタバタ心騒ぐこのスクランブルを体験しておくことで、iマシーン状態しか見せない海賊クルー達の状況が、身近に感じられる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月9日
冒険を楽しみつつ『あ、もしかしたら?』という発見が自然に生まれるのは楽しいものだ
クセの強い冒険野郎たちは、谷口監督得意の戦隊メソッドで一気に食わせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月9日
"ファンタジスタドール"でも"アクティヴレイド"でも、カラーリングを鮮明に分けて、キャラの粒と仕事領域をしっかり分けるグループの捌き方は活きていた。こっちでもいい感じに楽しくて、ワクワクするキャラ見せだった。
ココらへんがスマートなのは、活劇の中に意味と暗示を埋め込み、ストーリーの本流を制御する手際だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月9日
教授に騙され、宇宙を漂流して心細いマヤのパニックは、カーラのメカおっぱいに抱かれることでスッと収まる。機械なのにわざわざ付いている胸は、話の中でカーラが『母港』を担当するサインだ
全体としては勢い良く流しているのに、見せるべきもの、感じさせるべき印象を的確に見て、絵に仕上げる。ここらへんの目の良さが、全体的な食べやすさに直結しているんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月9日
状況を常にかき回して興奮を与えながらも、『だいたいこういう話』ってのが感じ取れるのは、楽しいしありがたい。
回想シーンで示されていたように、マヤは自分が何者であるべきか、何がしたいかが分かっていない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月9日
破天荒な宇宙海賊達に巻き込まれ、色んな経験をすることで、どんな地面を掘りたいのか、その先に何を見つけたいのか、分かってくるのだろう。
未熟な主人公の成長ドラマとしても、期待大である。
さらに言えば、クールブルー担当としてぶっきらぼうに活躍していたイドくんも、記憶がないような演出がされていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月9日
生身のボディをもって、真っ当な発育段階を歩んでいるマヤと、異質な身体に押し込まれ、精神的アウトローとして放り出されているイド。W主人公の対比も面白そうだ。
海賊たちは無茶苦茶なんだが、細かくマヤの命をつなごうとする描写が差し込まれて、根本的には良い奴らなんだな、と納得できた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月9日
丁寧口調のド外道だった教授と、山出しレスキュー隊たる海賊たちを対比することで、主役がどういう場所に身を置くのか飲み込める。これもこの作品の描写力であろう。
他にもオペレーター担当のメガネちゃんがiマシーンの社長を『パパ』と読んでいたり、関係性を推察できる足場がそこかしこにあるのは、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月9日
やっぱ採掘のときの事故で意識が帰還できなくなるのは、結構あることなんだろうなぁ。SFだぁ……(マニア特有のうっとり顔)
状況を弾ませることを第一に進めて、動きがありまくって楽しい第一話でした。巧妙に作品世界を『体験』させる筆の巧さもあって、このお話がどんな感じなのかのエコーロケーションはバッチリ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月9日
キャラの顔もザックリながら見えて、この道具立てでどう話が盛り上がるのか、期待モリモリな出だしです。
あ、マヤちゃんがただの無力な密航者ではなく、アカデミーという分野で優越していることが示されてたのも、とても良かったですね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月9日
荒くれ共には出来ない仕事で、マヤちゃんが自分を示すターンもそのうちくるのでしょう。凹まされて頑張る話とおナジ用に、そっちも楽しみ。
あとみんなで試掘惑星に向かう時に乗っていた宇宙チョッパーのデザインがマジイカしてて、今後も出番あるといいなぁと思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月9日
ああいう小物にピリッとしたセンスがあると、SFは一気に面白くなるよね。iマシーンのヤヤダサな仕上げも好みで、メカ見てるだけでも楽しいのはグッド。