バンドリを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
長いトンネルを抜け今! 決戦の舞台へと!
久々の演奏シーンをピークと定めて、そこに至るまでのポピパの日常を丁寧にスケッチするお話。バンドリ独特の会話テンポを山盛り摂取できて、中毒者にとってはありがたすぎる回。そこから高まっていく緊張感が良い。
というわけで、『主役が笑えるようになったよ!』ということを示すためにみんなでラーメン屋に行くアニメ、それがバンドリ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
色気も素っ気もない飾りのなさが、逆に彼女たちらしいなと思うが、香澄に笑顔が戻り、ポピパにいつものペースが戻ってきたのは非常に嬉しい。
魔法めいたトンチキな間合いの掛け合いは絶好調で、ラーメン食うときも勉強会する時も会話がブレブレにズレていて、そのくせ成立もしていて、浸っていると気持ちよくなるダイアログの麻薬みたいだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
おたえが相変わらず凄い速度だが、りみりんも相当飛ばしてたなぁ…。
食べて弾いて勉強して。香澄の変調を抜けて、みんなで取り戻したキラキラの日常が今回はじっくり流れる。そのテンポがすごく好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
わりかしどーでもいいことなんだが、でも一つ一つが綺麗。名曲"カレンダーガール"いうところの『なんてことない毎日が かけがえない』時代の光が眩しかった。
ポピパにクローズアップして画面を埋めつつ、要所要所で窓を開けて外の風を入れてくるのも、凄くバンドリっぽいなと思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
復調なった姉を見守っているあっちゃん。オーディションを小さく祝福してくれる旧友。会長と仲良くなり、クラスメートとも交友を深めた有咲。
特に有咲はボッチの蔵弁慶がキャラ性だったので、横に色々広がった描写があることで、大きな変化を実感でき『良かったね』と素直に思えた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
そこに引っ張ってきてくれたのは暴走パンクスの香澄であり、色々手に入れたものがあったからこそ、オーディションで一番最初に折れもしたのだろう。
僕はこのアニメ、相当有咲に体重預けてみていると思うけども、今回の話はポピパ全員が12話使ってどこにたどり着いたかの素描であると同時に、有咲がどこにやってきたかの証明でもあったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
あそこで弾いて泣くためには、出会ってバンドになって音楽をやる、これまでのお話が必要だったのだ。
前半をハッピーハードコアな多幸感で満たし、視聴者の『そうコレ! これが見たかったのッ!』という欲望に答える描写は、それがだんだん落ち着いて緊張感が表に出てくる緩急としても機能する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
ふわふわ楽しい暖色のシーンが印象的だからこそ、表情が絞まっていく寒色の描写も刺さるわけだ。
星は結局、香住にしか見えない。そのことを知らないから、香澄は一人で突っ走り、それを指摘されて調子を崩した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
でも星が見えない四人も、香澄が星に向かって突っ走る勢いに惚れ込んでバンドとなり、舞台に立つ。そこからは、見えない星も見えるかもしれない。
それがあまり魔法がない世界を選びとったバンドリアニメ、唯一の魔法なのだろう。バンドをやることで、笑い合い話し合い涙を共有することで、孤独な存在は孤独でなくなるかもしれないという、淡い願い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
それを背負って、ポピパはステージに立つ。瞳の中の輝きを確認しながら曲を奏でる。
笑って、悩んで、みんなで頑張って。彼女たちが手に入れた輝きを、オーナーが一滴残さず全て受け止めてくれるところが、最高にいい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
優秀な理解者がいることで、彼女たちの青春が客観的に計測され、素直に届く表現になっている感じを受ける。ババァを好きになるしかない第9話が良く効いている。
凹んで戻って。ポピパの成長と変化を見守ったオーナーの感慨は、視聴者の的確な代弁であると同時に、ロックンロールを髪が白くなるまで走り続けた彼女自身の述懐でもあるのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
自分もまた、目の前の少女たちのように輝ききって、一つの終りを迎える。サブキャラのそういう思いも掬うのは、良い。
バンドリは全体的にスローテンポなお話で、対外的なサクセスの規模は非常に小さい。全国一のバンドになるわけでなし、誰かに勝つでもなし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
今回だってステージに上るための前段階、オーディションでしかない。来週やるのはライブハウスの初ステージ。
小さな青春の、ありふれた情景でしかない。
しかしそうやってスケールをコンパクトにしたからこそ、トンネルを抜けて手に入れた日常の輝き、迫り来る勝負に高まる緊張、たどり着いた場所の眩しさを、どっしりと描ききれるのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
バンドリは、バンドリにしかかけないバンドの物語を、ちゃんと完走しようとしている。今回強く、そう感じた。
残り一話。ポピパはどんな光景を見せてくれるのだろう。第10話からじっくり上げて下げて上げた、お話のメインエンジン・香澄の物語は良いところに収まった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月15日
バンドがバンドとして走り出すまでの小さな、ありふれた、そして自分だけの光で輝いたこのアニメがどう終わるのか。とても楽しみです。