グラブルのアニメを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月22日
迫り来る破滅、絶悪なる帝国軍、少年と少女の無垢なる思い、くすぶっていた操舵士の熱い願いを受けて、今、船が征く…ッ!
日本製ファンタジーのど真ん中を全力疾走するストーリーと、細やかな描写が噛み合い最高に気持のいい展開でした。おもしれーなこのアニメ。
僕はアニメで初めてグラブルに触れているわけですが、全体的に非常に食べやすくて、スッと飲み込んでスッと興奮させてもらえています。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月22日
この食べやすさは何が理由なのかなぁと考えたんですが、素直な素材を手順を省略せず出しているからかな、と思いました。
みんなが何処かで知っている(ようで、実は形になってみるとオリジナルな部分がちゃんとある)馴染み深い要素は、ありきたりになるかもしれないけど食べやすい素材。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月22日
グランくんの真っ直ぐな主人公力、不思議な力を秘めたルリアのヒロイン力と逆転力、ラカムのいい兄貴っぷり。
キャラの真っ直ぐさもそうだし、青い空島と悪しき帝国、秘められた古きパワーという道具立ても、馴染み深くてポテンシャルが高い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月22日
そういう素材を非常に高いクオリティで描き、見知っているけどもその実どうなのかという『中身の描写』をコンパクト、かつ丁寧にやっているのが良いところなのかな、と
例えば今回、ラカムの姿が見えない中で地下通路に気づき、窮地を脱するシーン。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月22日
すでに接触のあるグランくんは、狙撃に見える脱出経路の示唆をスッと受取って(ここで彼が、目端の利く才覚のある青年だという描写もやってる)、ラカムとの信頼関係で話を先に進める。主役が動くので話が停滞しない。
カタリナさんは(ポンコツ可愛いところも沢山描写されているけども)ルリアを守る油断なき戦士だし、ラカムとの濃い接触もないので訝しんでいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月22日
そういう各キャラの立ち位置、キャラクター性の違いを細かく積み重ねながら、ストーリーを滞りなく進めている。
ラカムはあの青い船に強いモチベーションを持っていることがキャラの根っこにあり、その思いが操舵手としての腕前を下支えする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月22日
なので、彼がどれだけあの船に想いを寄せ、どれだけ労力を捧げてきたかが、船の巨大感を活かしたワクワクする作画でちゃんと描かれる。
その上で、命の問題になるとこだわりを捨て、他の船を操る選択をノータイムで取れる。妥協というよりも決断がちゃんと出来る、自分のエゴより他人の命を取れる、仕上がった男だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月22日
ストーリーの都合にかしずくわけじゃないが、『俺はこういうやつなんだ』という描写は細かく積み上げる。そこが良い。
これはキャラだけではなくストーリーの描写も同じで、『悪の帝国が張り巡らした破滅を、ヒロインが唯一持つ超常パワーでどうにかする』という類型自体は、どこでも見れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月22日
しかし破壊される島、それに巻き込まれる人々、憤る主役、悪しき帝国を手際よく、クオリティ高く見せることで、独自の味が出る
飲み込みやすい類型を展開させつつも、大嵐に吹き飛ばされる島、ぶっ壊れる建物個別の『肌理』みたいなものが無視されないので、『なるほど、これはこの世界特有の出来事なのだ』と思える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月22日
クオリティを高く維持することで、陳腐さを離れている感じというか。それが飲みやすさと美味しさを両立させる
こういうベーシックな強さの上に、言って一手感情が変化し関係が構築されるドラマの丁寧さが乗っているのが、とても良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月22日
グランくんの感情表現が前向きかつ素直なので、出会いがポジティブな方向に変化していく積み重ねが凄く気持ちいいのだ。
『船』という共通言語で先週分かりあったラカムとグランは、自然と師弟や兄弟のような距離感を作り、組で行動する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月22日
これを確認するべく、ドランクとの1VS2の戦闘が見せ場として挟まるのも良い。偶然の出会いだけど、肩を支え合えるようになった二人が、激闘の中で強調される。
主役サイドが真っ直ぐに進めるのも、悪役が仕事をしまくっているから。見事なヘイトアーツで影を濃くしているデコチビは、オーソドックスながら良い『技』を使ってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月22日
部下に当たり散らすところとか、自分で引き金引いておいて『お前らが悪い』って言ってくるところとか。参考にしたい。
ただ魂が悪なだけではなく、帝国の破壊にはためらいがなく、規模も大きい。凶悪な暴力に立ち向かうからこそ、グラン達の決意と正義もより太く、強く見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月22日
ここら辺の迫力もまた、クオリティに支えられている部分だろう。線の多いゲーム用デザインを崩さないところも含めて、凄いことだ。
光と影のあわいにいるスツルム&ドランクコンビは、『敵側からしかわからない情報を主人公に伝える第三勢力』の仕事をしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月22日
なかなか曖昧で立ち回りが難しいスタンスだが、杉田さんの憎めない演技、可愛らしいイチャコラ漫才、戦闘描写のキレで、存在感があり好きになれるキャラとして立っている
ラカムがPTの中に潜り込んで誘導するインサイダーであるとすると、スツルム&ドランクは外部からそれとなく補助線を引いていくアウトサイダーだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月22日
こういう構図がシンプルかつ洗練されていて、ストーリーを巧く誘導している。そして『俺はこうなんだ』という描写を潰すほどには、誘導しすぎていない
色んな部分でのバランス感覚、『何がオーソドックスなのか』を見切る目の良さがあればこそ、『どっかで見た』物語を陳腐にせず、素直に飲み込めるのではないか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月22日
そういうことを感じる、大活劇の4話であった。やっぱキャラがストーリーに奉仕しつつ、自己を主張するのは大事だなぁ。
そうそう、ベーシックな物語をドライブさせるのに必要な魂のうねりがそこかしこにあったのが、最高に良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月22日
空と船への思いをガンガン燃やし、最後に燃え上がらせるラカムの飛翔。彼の物語に『島を守る』という自分たちの物語を重ね、PTになっていくグラン達の運命。良い、真っ直ぐで早いの良い
『手順を飛ばさない』という意味では、ラストのお船をセットアップするシーンは最高にワクワクするし、作品のテイストをしっかり抑えた良い見せ場だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月22日
あそこで一つ一つ、異世界の船を飛ばす手順をやることで世界観の描写にもなるし、ラカムの夢が今叶うんだ! という期待の助走にもなるしね。
こうしてみると、『普通』のようでいて一つのシーンに多層的な意味を込め、貪欲に劇的効果をもぎ取ろうとしている、意欲的な作品なのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月22日
オーソドックスは馴染みがあるからこそ、深く視聴者の心に指すためにはパワーと手際、作品全体を貫通する哲学がいる。そういうことを再確認している。
そしてそういう作品的ギラツキを表面化させず、『普通のファンタジー』としてスッと飲み込ませるパッケージングの巧さこそが、最大の武器なのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月22日
普通って面白いなぁ、と毎回思い出させてくれて、すげーいいアニメだと思います。真っ直ぐでストライク取れるのほんと強い。
追記
グラブル追記。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月22日
TRPGモノとしては、『渋いオッサンで場をまとめるキャラ』というPC番号的機能と、『船を愛し、くすぶっている男』というパーソナルなロールを完全に両立させ、PC3の仕事しまくってるラカムの立ち回り、マジ完コピしたくなる。巧すぎる。
グランくんがとにかく周辺視野が広く、ロールが簡勁で的確なPC1なので、周りのプレイヤーが全力で投げてるのが、良い循環になっていると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月22日
フツーラカムの『狙撃に見えるけど、実はメッセージなんです!』という球は拾いきれないんだけども、スッと拾って行動誘導してんもんな。巧すぎる。
ルリアも可憐で助けたくなるヒロインでありつつ、窮地を脱する唯一のリソースとして存在感があって、『いるだけヒロイン』にならないいい塩梅。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月22日
それをモチベにしているカタリナさんも、可愛さと凛々しさを同居させ、ラカムと食い合わない大人として立ち回る。良い卓だなぁグラブルアニメ。羨ましい。