イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アイドルタイムプリパラ:第4話『まいどぷり!みれぃやで!』感想

夢を叶えた先にある新しい夢の物語、新天地のアイドル神話第四話はアイドル委員長の帰還。
新しい舞台、新しいキャラクターにも大体慣れたな、ってタイミングでぶち込まれる旧キャラ無双は、長い物語を走り終えたみれぃに報いる爽快感があり、楽しいものでした。
パパラ宿がまだまだ発展途上だからこそ、停滞していた部分を一気に引っ張り上げる豪腕が映えるし、凡人代表から神アイドルに上り詰めた南みれぃがそれをすることに、感慨もひとしお。
まだまだ頼りない小学六年生をしっかり受け止めるお姉さんっぽさもあって、新しい風と懐かしい空気が見事に化学反応した、いいエピソードでした。

というわけで、みれぃが立派になって帰ってきました。
システムエラーと個人の性格が噛み合って、あんまり無敵で無双って感じでもないらぁらに比べると、的確なプレゼン、『みんな』を楽しませる視野の広さ、期待に答えるステージパフォーマンスと、隙のない神アイドルっぷり。
地獄耳委員長を正面から凹ませる弁舌も冴えていて、非常に頼りになりました。

らぁらとの描写の差は、背負っている物語の違いかな、という感じもします。
アイドルタイムは『白紙のパパラ宿に、一歩ずつ足跡を刻んでいく現在進行系の物語』をベースにしていて、らぁらはその主人公の一人。
物語全体のペースにキャラクターの強さを合わせる必要があり、だからこそかなり強引な手法で封印してでも、フルスペックで立ち回ることを禁じられています。
アイドルとしても人間としても未熟なゆいの手を引きつつ、自分も一歩ずつ困難を乗り越えていくことがらぁらの今の物語なわけです。

これに対し、みれぃは一話限りのリリーフゲスト。
再登場の可能性は当然あります(し、ぜひ再登場してほしいです)が、パパラ宿のスケールに身の丈を合わせるより、むしろ神アイドルの圧倒的な『格』を全力で振り回し、閉塞感をぶち破ることが求められています。
今回見せた快刀乱麻を断つ活躍は見事それに応えていたし、あのみれぃがそういう風に出来ることは、3期の道程を経てたどり着いた場所を感じさせてくれて、良いファンサービスになっていました。


今回のお話でよかったのは、みれぃがただ強いだけではなく、優しかったことです。
頭脳明晰冷静沈着なキャラ性を活かして、らぁらの安い嘘は即座に見破り、嘘をついたことではなく頼ってくれなかったことに怒る。
『大事な人だからこそ、長い付き合いだからこそ、不甲斐ない現状を告げられない』というらぁらのいじましさも含めて、凄くあの二人らしい間合いの描写だな、と思いました。
ゆいと一緒にいる時はらぁらがお姉さんぶることが多いので、思う存分相棒に体重預けている描写は懐かしくもあり、麗しくもあり。

こういう個人的な優しさの描写がしっかりしているからこそ、後の無双もしっくり来るのでしょう。
女の子にプリパラの魅力を伝え、足を運んでもらうために、理路整然と情報を取りまとめる流れは、みれぃの強みが前面に出る展開でした。
らぁらの強みはカリスマ性と精神的タフさ、泥臭く隣り合う親しみやすさだと思うんですが、それだと今回やったような勧誘法は生まれてこない。
ゲストキャラの性質を活かして、上手いことパパラ宿にプリパラが根付き、拡大していく大きな足場をつくったなと思います。

地味に上手いなぁと思ったのは、レギュラーとして場に残る地獄耳委員長と因縁を作り、彼女がプリパラに執着する動機づけを行ったこと。
新旧委員長対決はなかなかに頭オカシイ面白さでしたが、あそこで鮮やかに勝つことで、みれぃの強キャラっぷりも、地獄耳委員長がみれぃとプリパラに興味を持つ展開も、スムーズに流れる。
憧れが憎しみに、憎悪が愛に変わっていく展開はプリパラの十八番ですので、今後のことを考えると地獄耳委員長がプリパラに強く気持ちを打ち込んだのは、良い資源になると思います。
頭オカシイ展開とみれぃの持ち上げを同時にこなしつつ、今後に残るリソースを稼いでおく手際の良さはプリパラだなぁ。


今後への投資という意味では、W主人公の片割れであるゆいとどういう関係を作るかってのも大事なんですが、これも非常に良かったです。
妄想全開、思い込みで突っ走るゆいの粗忽さと、らぁらが他でもないみれぃから受け取った『プリパラは好き?』という問いかけを即座に投げかけちゃう浅はかさが、逆に可能性を感じさせた。
あの一言がみれぃに出てくるだけで、ゆいがらぁらに夢を受け止めてもらった時どれだけ嬉しかったかが判るし、みれぃ→らぁら→ゆいと繋がっていく真心のバトンリレーもクリアになるしね。

ゆいはパパラ宿と同じく、完全に白紙の物語に自由に自分をぶつけていくのが最大の魅力だと思います。
なので、神アイドル相手にナメてかかったり、お姉さん相手にお姉さんぶったりする未熟さは、今後の伸びしろをグッと盛り上げる、大事な部でしょう。
無論そういう欠点が『個性』に見えるのは、根本的な人の良さ、夢に真っ直ぐ全速力なひたむきさがちゃんと描かれているからだし、それを受けるみれぃの対応に余裕と器量があるからなんですが。
こうやってキャラがそれぞれの強さと特質を活かして、思いもしなかった噛み合わせを見せてくると、お話はグッと面白くなりますね。

ゆいの食いしん坊キャラを過激に加速させていたタッキーも、リナちゃん宜しく人格が生えてました。
『炊飯器だからオカマ』というキャラ付けがひねくれたインテリジェンスを感じさせますが、可愛いだけのプニコンのお株を略奪する濃口っぷりに、いらん心配もしてしまいます。
とか思ってたら、即座にクマを再登場させてプニコン回作ってくるあたり、隙がないなぁ……。
悪目立ちしすぎない限り、頭のオカシイハイテンションキャラはいい武器になると思うので、今後の活躍も楽しみですね。


というわけで、神アイドルとなったみれぃが思う存分無双し、南みれぃだった回でした。
大神田校長相手にやってたプレゼントか、地獄耳委員長をやり込めた弁舌が両親譲りだったりとか、懐かしいネタも細かく拾ってくれて、大満足の仕上がり。
ただノスタルジックなだけではなく、神アイドルの強さで閉塞感をふっ飛ばして、今後の展開も広げているところが素晴らしい。

来週はクマを登板させてのプニコン回になりそうですが、ここで旧キャラ二連投ってことは、らぁら&ゆい体制は結構引っ張る感じか。
焦って新メンバーの数だけ増やしても、長い物語を走り直す足腰が鍛えられないので、じっくりやってほしいところです。
まぁにのちゃんの立ち回りと外見からは『圧』出てるから、即座に加入でも全然構わんがな!!

古い要素も新しい楽しさも、自在に操りシリーズの可能性を広げていくアイドルタイム。
来週も楽しみですね。