スタミュを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月1日
憧れが夢への道を作る。だが過剰な自意識は手足を縛り、仲間を傷付けていく。道を見失った月の王子が手に入れたものとは…という感じの、バッチバッチな第5話。
海斗が生み出した波紋がチーム鳳に、その外側に広がって、剥き出しの魂を見せてくれる展開が非常に良かったです。
今回の話は第4話と綺麗に接続された話で、星谷が先週欲して諦めた『ハングリー精神』がどういうものなのか、別のキャラクターで確認していく展開になった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月1日
兄へのあこがれにしがみつく海斗、クールなまま燃え盛る空閑、その炎が飛び火した北原&虎石。少年たちの魂の炎が、メラメラと燃え上がる。
お話としては星谷-月皇-魚住のラインと、そこに繋がりつつ独自の物語を進めている空閑-北原&虎石のラインが並走している感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月1日
少ないセリフ数で状況を握り込み、自分の秘めたアツさを的確に表現して他人のリソースにも変えていく空閑の立ち回りが、まさに値千金。
今回はおすまし顔のクールガイたちが片っ端から仮面を剥がされていて、最高に気持が良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月1日
やっぱ魂の地金が見える瞬間ってのは、お話を見ていて一番興奮できるタイミングなわけで、しかもそれが単独で終わらず(先週の話含む)連鎖反応になっているという。素晴らしく気持ちがいい。
地金が見えてきたのは生徒だけではなく、アンシェントも同じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月1日
ズミさんがとんでもなくいい人なのは分かっていたが、それを調整役の双葉がちゃんと分かっていて労っているところも、当りの柔らかい早乙女が存外クールなのも、人間関係の凸凹としてとても面白い。
魚住さんのハードな当り方を誤解し、迷うことで、海斗の若さと情熱、(星谷にはない)飢えが強調される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月1日
海斗が身勝手に暴れることで、それをどうにかしようと踏み込んでくる星谷の無邪気さとカリスマが際立つ。二人を包み込む魚住さんの人間力も。
行動が行動を呼び込む連鎖が巧く組まれていて良い
双葉が最後にうまく言葉にしたが、遥斗という巨大なカリスマに引き寄せられ、抜け出せないまま自分の道を探しているのは、魚住さんも海斗も同じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月1日
似た者同士だからこそ、反目から師弟関係に収まることも出来る。共通点と差異の見せ方が巧く、奥行きがある。遥斗への視線は、揚羽も共有してるわけで。
不在故に存在感を増していく遥斗を見ていると、ニューヨークにすっ飛ばすのは絶対必要だったのだろうと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月1日
あれだけ重力を持った男が実際にいてしまうと、問題は更にこじれ、今回の着地点には辿り着けなかっただろう。席を外してこそ出来る仕事もある、ということだ。
先週から継続したのはハングリー精神だけではなく、『親の七光り』も同じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月1日
海斗をニヒルに煽り倒す北原に天花寺くんが怒る展開は、凄くスムーズに飲み込める。なぜなら、先週彼がどれだけの物を背負っているか、ちゃんと描写されていたからだ。
彼は海斗のために怒り、自分のために怒る。良いやつだ
天花寺くんの物語は先週かなりいい塩梅で盛り上がったので、ここで空閑が引き取って膨らまし、北原にトスをあげる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月1日
青春をぶつけているはずなのに火がつかない北原への反感をちゃんと言葉にし、真っ直ぐ勝負に行ったことで、クールな空閑くんもハングリー精神の塊だと再確認できる。
今回は冒頭から、よそ見をし続ける星谷と、歩くべき道を見定めてバイトを減らしている空閑が描写されていたわけで、空閑くんが良い見せ場を貰うのは必然とも言える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月1日
飢えに惑わされるでも、飢餓感が不足しているわけでもなく、巧く乗りこなして本気でやるクール&スパイシーなカッコよさ。良いわマジ
煮え切らない北原へのイラ立ちは計算されたものだったわけで、今回火が付いた彼は今後、いい塩梅にキャラを立ててくると思う。楽しみだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月1日
その炎を見逃さず貰って、自分のやる気を着火しに行った虎石くんにも期待大。群像劇としての回転速度が、すごい勢いで上がってきた。
星谷のおせっかいを受けて、海斗も自分の道を見つけ直し、思いを新たにする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月1日
飢えを力に変えるやつもいるし、飢えがない育ちの良さで救われるやつもいる。星谷にしか出来ないことにちゃんとお礼を言う優しさは、先週の天花寺くんと共通だ。そういう相互作用が、チーム鳳の強さなのだろう。
相互関係を切り取るためか、今回はカメラを横に据え、引いたアングルで関係性を見せるカットが多かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月1日
舞台の上手下手、立ち位置で心理と距離感を見せる絵が多いのは、演劇を題材に選んだこととの重ね合わせだろうか。僕はそういう明瞭な絵作りが好きなので、ガンガンやってほしい。
そういう理知的な演出と、ズミさんが二人の空間に唐突に乱入ブッ混んでくるトンチキ力が同居しているのは、スタミュらしいなぁと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月1日
いやアンタ現役でスターだけども。歌って踊れるけども。そしてそこは踏み込まなきゃいけないシーンだけども。面白いなぁスタミュ。
一期を的確に走った結果、チーム鳳は話の転がしどころが見つけにくい、安定したキャラクターになりかけていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月1日
しかし、天花寺の梨園にしても、海斗の兄への思いにしても、掘ってない要素をしっかり見つけ、その意味を問い直すことで再始動させたことで、グッと物語の温度が上がってきている。
しかもその熱はキャラ個人で収まらず、数多の星がしのぎを削る舞台にしっかり飛び火し、群像劇の楽しさを加速させている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月1日
何より良いのは、そういうメラメラした面白さとは別の強さを持った主人公の価値を、キャラクターが何度も確認し、言葉で伝えている所だ。みんな星谷好きすぎ。俺も好き。
主役がどういうキャラなのか、どういう強みを持っていて、どういう影響を世界とキャラクターに及ぼすのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月1日
お話を支える土台を確認しつつ、人格としての尊厳をしっかり高めてくれる展開は、見ていて非常に安心でき、信頼も高まります。ズミさんの苦労をちゃんと描くのと、同じ方向性だね。
それぞれの良さ、強み、価値観、道。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月1日
個性がぶつかりあうからこそ夢は輝き、それでもバラバラにならず一つの星を追いかける姿は、瑞々しく麗しい。
スタミュだけが描けるものにぐっと踏み込んできて、二期、非常に面白くなってきました。この熱量、この誠実さ、この方向性で走りきってくれ。
キャラが動いて他のキャラにぶつかり、それが他のキャラの推進力になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月1日
ビリヤードみたいな相互作用で話が転がりだすと、人数の多さが弱点ではなく強さになるからなぁ。
多いから切り取れる多様性、奥行き、面白さ。そういうものも今後たくさん食べれそうで、非常に楽しみです。
追記
スタミュ追記。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月1日
今週の話で『グッと面白くなってきた』と感じたのは、僕が創作のキャラクターを描く時『そういうキャラだから』で足を止めてほしくない欲望を、強く持ってるからだろう。
大人だから、先生だから、クールだから、良いやつだから、ツンデレだから。そういう記号の一歩奥がみたいのだ。
メンターである魚住さんが酒に酔っ払う弱さがあること。星谷が自分のキャラ性である『善良さ』の弱さに悩むこと。空閑の冷たい熱さ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月1日
キャラ性を色濃く付けて際だたせるのは、創作では大事な技術だと思う。でもそこで足を止めず問い直したり、その裏側をちゃんと描いてくれると、僕は嬉しく感じる。
それはお話のきめ細やかさとか立体感だけではなく、お話の都合に巻き込むキャラクターに報いる姿勢、特定の役割を担当させつつ押し付けすぎない公平性を、具体的な描写で感じることが出来るからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月1日
それはやっぱり創作世界を飛び越えて、モニタ越しに作品を見ている僕に届くものだと思う。
そういう目の良さは、多様性の称揚…『色んなやつがいて面白い』という作品内価値に血肉を宿すことにも、大きな助けになっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月1日
それはただ人数を並べて題目貼れば良いのではなく、多彩な価値観の弱点や衝突まで切り取り、それを踏まえた上で価値を信じて描き切るから確認できるものだ。
キャラクター個人の『コイツはそういうやつ』を丁寧に彫り込んでいくことで、弱さや厄介さも含めて色んなやつがいることを許容する作品世界が立ち上がってくるし、そうやって補強された外殻の強さが、キャラが暴れることを許す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月1日
そういう相互作用(の可能性)を、僕は『面白い』と感じたのだろう。