アイカツスターズを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月4日
二期の潮目を変える最大の爆弾、ビーナスアークの内部に切り込んでいくお話。デザイナーに活路を見出した小春、エルザのアイドル哲学、VA全体の雰囲気。
新しいものを鮮明に描きつつ、古いものにサヨナラを言われているようで、なんとも複雑な気持ちになる回だった。
今回のお話の主眼は新要素・ヴィーナスアークがいかに凄いかを見せる、ということ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月4日
その驚きと敗北感がゆめ達を先に進めるのだから、持ち上げる描写は必要。先週あこがきららに感じたものと、今ゆめ達がVAで思い知ったものは同じで、四ツ星の頭は現状軒並み負け犬だ。
となれば、大事なのはどう踏みつけるかと、踏みつけにするだけの資質がVA側にあるか、ということ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月4日
無印のトンチキ力が戻ってきたようなVR特訓は正直どうかと思うが、『個性を塗りつぶした後に見えるのが、本物の個性』というエリザの哲学は結構好きだ。
正直、一期の描写で四ツ星が教育機関として、芸術組織として強靭な哲学を打ち出せていたとは思わない
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月4日
『生徒の自主性を重んじてのセルフ・プロデュース』という題目に重さがないので、これのカウンターであるVA式にもイマイチ重さがない。それでも、エルザ個人の強烈なキャラで支えられてはいる。
ただ、国際色豊かなVAのアイドルが『ジャパンのアイドルは~』『ジャパンは~』と事あるごとに下に見てくるのは、『強力なライバル』という枠組みを超えて人種差別・国家差別の色合いが付いてくるので、個人的にはどうかと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月4日
日本が下なんじゃねぇ、お前の眼の前にいるアイドル個人が下なんだ。
名曲"Bon Bon Voyage!"と横方向の動きが楽しい振り付けに助けられて、エルザときららのステージングにはちゃんと圧力があった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月4日
それを感じ取って襟を正す、『自分たちはダメなんだ』と思い直すゆめたちの姿勢にも、謙虚さが感じられる。それ自体は、挑戦者として良い態度だ。
その上で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月4日
言われるがままに赤服を脱ぎ捨て、まるでアイドル一年生のように己の未熟を恥じた彼女たちは、S4だ。四ツ星のトップだ。
様々に凸凹しつつも、一期一年間をかけてたどり着いた場所にいるにしては、素直に過ぎる立ち回りだな、とも思う。
今はVAのターンなので、三人が先頭として引っ張り、トップとして支えている四ツ星の生徒たちは画面に映らない。だからといって彼らが存在しないわけではないし、一期の物語が蒸発するわけでもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月4日
未熟な挑戦者でありながら、学園を背負うトップでもある。つくづく、ゆめ世代のS4は難しい。
今後もVAの評価を上げるために自分たち(と、S4として代表する四ツ星)の値段を下げていくのなら、ゆめ達が赤服を着ている現実と、展開される物語の間の軋みはどんどん拡大していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月4日
挑戦者の謙虚さと同時に、トップの矜持をどう描き、どう負けさせ、どう勝たせるか。このバランス取りは難事だ。
僕はアイカツスターズ一期の物語が完璧だったとは、絶対に思わない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月4日
不格好な部分、目を覆いたくなるような無神経、不細工なエピソード。良くないところはたくさんあった。
それと同じくらい、良いこともたくさんあったと思う。新しいことをやろうとしたこと。自分にしか描けないものに挑んだこと。
その果てに赤服はある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月4日
それがプライドと責務の象徴なのか、ただのダッサイ衣装なのか。製作者が考えていることと、視聴者(というか僕か)が受け取るものの間の軋みが、適合するのか拡大するのか。
新要素売り込み期間とも言えるVA留学は、それを図る試金石になる。
一期と二期の間にある軋みを和らげようとする試みは、小春のフォローアップにも見られる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月4日
ゆめ達が積み上げてきたもの、たどり着いた場所が無意味ではないと、四ツ星とVAの間に立つ小春が言葉にするシーンは、苦い展開を飲み込ませるオブラートの仕事をしている。
苛烈なエルザの哲学にも小春はフォローを入れていて、『ライバルとして厳しく当たらなければいけないけども、敵役として嫌われすぎてはいけない』難しい立場を、上手くサポートしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月4日
四ツ星在籍当時から彼女は『間を繋ぐ人』だったので、ベストな人選だと思う。
その上で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月4日
ゆめとの思い出を振り切り、全てを捨て去って選んだ家族の生活が、物語の都合で押し流されてVAにたどり着いた印象は、どうしても拭えない。
ありとあらゆる場所に軋みがある。
それは舵取りを変える時につきまとう、必然的な歪みだ。経済と物語の中間に立つ女児アニの宿跡も言える。
重要なのは必然的に発生する『都合』を覆い隠し、誘導し、あるいは露骨さそれ自体を笑いの種にするタフさだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月4日
話の都合、スポンサーの都合、キャラクターの都合。決定している結論に向けて、どうエピソードを積み上げ、説得力を重ねるか
ここまでの歩みを見る限り、スターズはそこはあまり上手くない
潮目が変わっているのは感じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月4日
一年を通しての軸になるだろう『アイドルランキング』にゆずとあこが入っていないこと。無印を思わせるVAのトンチキなスケールの大きさ。小春の帰還。
置き去りにしていくものは同時に、積み重ねてきたものでもある。捨てるにしても捨て方がある。
新しい舟に乗るのも大事だ。常に風を入れ替え、前に進み続けなければ物語もコンテンツも死ぬ。新陳代謝は必然だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月4日
しかし新しい物語を扱う誠実さは、古いものの扱いでも図られる。というか、僕はそれで図る。難しいバランス取りだとは思うが、船に乗らないものたちにも、的確な描写を用意してほしい。
VA編はそれなりに長く続きそうだ。来週は騎咲レイ初の個別エピソードで、メガバイオレンスが唸るトンチキなお話になりそう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月4日
ワイワイ賑やかな祝祭の中に、どれだけ冷静な分析眼が生きていて、過去と未来に対してどういう誠実さを積み重ねられるのか。それを気にしながら、来週も見る。