終末なにしてますか？忙しいですか？救ってもらっていいですか？ を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月9日
負け戦が終わり日常が始まる。トルコっぽい異国の地で命の洗濯…してたら世知辛い人種差別に巻き込まれ、ヴィレムくんはやれやれ系主人公力を、クトリは泣きゲーヒロイン力をそれぞれ上げていく回。
今週はヴィレムくんのやれやれ力が全開で、やれやれ言いつつ少女を引率し、やれやれ言いつつ市長の娘を助け、やれやれ言いつつ必殺羅漢銭を唸らせ、余裕の態度で状況を乗りこなしていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月9日
兵器管理庫だと子どもたちに押されがちだが、こんくらいの余裕がヴィレムくんの本来なのかもしれない。
その実ヴィレムくんのやれやれは地球最後の人間として生き残ってしまった罪悪感、サバイバーズ・ギルトの発露だったりもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月9日
死にたいのに死ねない、生きたいのに生きれない、戦いたいのに戦えない。ジレンマとフラストレーションのクソ煮込みがヴィレムくんの中身なのは、どうにも寂しいことだ。
今回は『面白うてやがて哀しき』という話で、道化めいた人種差別団体の裏には破滅が約束された世界の閉塞感があるのだろうし、面白空気でっぽうの背後には使うあてのない元勇者の技量がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月9日
栄えある真昼は終わり、今は人類の黄昏時なのだ。ここら辺の推移が作中の時間とシンクロしていて良かった。
獣人は人種のメタファーとして、被差別対象として描かれる作品が多い。差別する側の人類が絶滅した後、獣相が出ていないものを『印なし』として差別するねじれが生まれているのは、なかなか独特でよかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月9日
支配者が変わっても、人類は差別の快楽を捨てられなかったというのも皮肉よな。
そういう世知辛い世界の中で、トカゲのおっさんとマズルの長いお嬢さんは特に差別もせず、鷹揚に付き合ってくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月9日
市長の娘の真っ直ぐな正義を、ヴィレムくんはニヒリズムで外すけども、本当はまっすぐな正義それ自体になって、火の玉のように砕けてしまいたいのだろう。戦後の特攻くずれみてーだ。
生き残ってしまったからこそ可愛い女の子とケバブ食べてトルコでデートも出来る。けどその先に待っているのは、その女の子たちを平和の供物として焚べるしかない未来だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月9日
ヴィレムくんのジレンマは続く。クトリが死んでも、人類が滅んでも、多分解消はされない気がする。
そういう捻れた関係にあっても、クトリがすれ違いざま己の恋を告白できるようになったのは、シンプルに良かったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月9日
ベタもベタ、『いつのKeyだよオーガストだよ～』とツッコんでしまったが、ベタってのは良いもんだ。すっぺー。
坂道を利用することで、ヴィレムとクトリの身長差はなくなり、生き残ってしまったものとこれから死んでいくものの距離が縮まったことを見せられる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月9日
ヴィレムが少女たちに近寄ったように、クトリもヴィレムの疚しさを理解し、お互いの距離は縮まっている。第3話で青春チャンバラした甲斐もあったね。
しかしながら、『お互い、心に抱えたものを解消してよかったね！』で終わらないのが物語であり、ヴィレムの救えなかった過去と、クトリの救えないかもしれない未来が追いついてきて、二人を引き剥がす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月9日
このくっついたり離れたりの繰り返しが、メロドラマの根本なのだろうなぁ。
ラストのガン泣きを見るだにクトリは完落ちって塩梅だが、異郷の町並みを歩いて行く叙情性がなかなか良くて、その心境は唐突ではなかった。ヴィレムくん良いやつだしな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月9日
叶わないかもしれない再開の約束は、はたしてどう転がるのか。できれば幸福な終りを迎えてほしいもんだが、さてはて。
本編とはあんま関係ないが、執筆当初はリベラル気味だったろうトルコが、アニメ放送の現在強権姿勢を強め、道化めいた人種差別主義があんま洒落にならない現実を照射してしまっているのは、なかなかに妙な運びだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月9日
時折創作は、狙わないままそういうモノに投影されてしまう。不思議なものだ。
