アイカツスターズを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月18日
船を降りて赤服を着て、きららと一緒に楽しいお仕事の時間。四ツ星とVAのアイドル哲学の違い、きららの才覚と未熟、ローラの不才と人格。
色んなものが描かれつつ、ツバサ先輩も海外に旅立っていくお話だった。これでローラはブランド&翼獲得かなぁ。
いろんなことが描かれたけども、主役はきららだったように思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月18日
幼く残忍に、弱肉強食のエルザ主義を疑わず振り回す。それでなぎ倒される連中の痛みも、いつか自分が負けるという想像力もないまま、ただただ勝ち続ける。
天衣無縫の暴君。孤独でいることを許してもらえない、才能ある子供。
才あるもの、チャンスを掴める『持ってるやつ』だけが勝つエルザ主義は、スターズ全体を見通しても正しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月18日
ゆめはそういう道を歩いて赤服を着たからだ。あの力も持ってる。交通機関の遅延に巻き込まれたりもしない。プライドを踏みつけにされて、寄る辺なさに泣いたりもしない。才能ある子供だ。
だからこそ、今回の話はローラが必要になる。負け続け、影に隠れ続け、誰かを支え続けた彼女だからこそ、きららの無邪気な暴力に対置出来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月18日
『持ってる』側のVAの理屈に対し、『持たざる』四ツ星のロジックを背負って胸を張ることが出来る。ローラが隣りにいることが、ゆめときららの分水嶺だ。
きららは今回、いきなり『成長』したりはしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月18日
自分の残忍さを自覚しないし、自分が踏みにじっているものの偉大さ、取り返しのつかなさに青ざめたりもしない。アイドルとして正解でも、人間として失格の行為を現在進行形で積み上げ続けていることに、気づきはしない。
そういう負のカルマを超越してなお、ライバルであり続ける特殊さをスターズは選んでいない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月18日
きららは強い。強いが優しくはない。そこにローラが、あこが、四ツ星が勝つ隙間がある。欠点と長所を明確にした『普通』の敵対関係を軸に回すことを、スターズはやはり選択している。
きららは真ん中に居続ける。自分がセンターを取れば、残りの二人が『引き立て役の負け犬』になるのだという理屈の残酷さを考えないまま、思うがままに幼い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月18日
ロケシーンで徹底的にきららを真ん中に据え続ける絵の作り方は、彼女の無自覚なエゴイズムをモニターに投影し、切断しつづける。
その上で、きららがエルザ主義の外、優しく凶暴で支配的な母の膝枕から半歩出る気配を見せたのは、今後の展開という意味でも、きららというキャラの灰汁を取る意味でも、このエピソード単独の落とし所としても、良いことだったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月18日
VAの重力にとらわれていても、四ツ星の恩寵は無価値ではない。
今回ローラが見せた『弱い強さ』を、きららは自分のものにしていくのだろうか? 才覚ある子供の無邪気さ、残酷さを乗り越え、己のキャラクターを変質しうるのだろうか?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月18日
先を見なきゃ分からんことだが、そこで足踏みするつもりがないことは見て取れた。とても良いことだ。やってくれなきゃ困るし。
ゆめはきららが己の歪な鏡であることに、果たして気付いているのだろうか。ローラが幹部服で走り回り、敗者ゆえのプライドでハードワークをしていることの意味を、感じ取っているのだろうか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月18日
そうだと信じたいが、信じるためには一貫性がいる。それはスターズが一等苦手な分野だ。これも次回以降。
今回の話はローラときららという個人の軸だけではなく、四ツ星とVAという組織の軸でも回転していた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月18日
こうやってキャラに組織やテーマを背負わせると、やっぱり言葉で題目貼られるよりもはるかに飲みやすい。押され気味だった四ツ星の強さ、後輩を背負うことの意味もちゃんと描かれてたし。
割とここまでVA肯定一本で進んできた二期だが、一期で積んできた(はずの)四ツ星の強さがローラを後押しし、きららをやり込める展開となった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月18日
役割が固定されすぎるのは、個人的には不健全だし面白くもない。ここでスパッとVAに足払いを入れたのは、好みだしテンポもいいと思う。バランス大事。
強くなければ生きていけないし、優しくなければ生きる資格がない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月18日
ハードボイルドな真実を成り立たせるためには、四ツ星の哲学とVAの生き様が融和し、足らない部分を補い合う必要がある。
だから今回きららがむくれた後笑顔になったのは、ゆめたちの留学の陰画なのだ。四ツ星だけ学ぶのは不公平だ
まぁしばらくはVAは『強さ』を背負い、強力なライバルとしてゆめたちに勝ち続ける。それは実力の反映であると同時に話の都合であって、素裸の彼女たちを描写したわけではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月18日
全ての制約を脱し、キャラクターのあるがままを描ける瞬間が、女児アニにあるとは口が裂けても言えないが。
他のあらゆる創作物とおなじように、スターズもまた己自身のキャンバスに、己自身の絵の具で物語を描いていく。その色合い、その制約は様々にあろうが、配られたカードで勝負するしかないのもまた、創作の共通事例だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月18日
息苦しいだろうが、巧く泳いで美しい軌跡を見せて欲しい。
ローラの『弱い強さ』を見取って、ツバサ先輩はSCを譲ることに決める。『イベントは始めるだけで、最後まで面倒見ずにハリウッドかーい!』とか、『劇組のスジ考えれば、そこはアコじゃないんかーい!』とか、ツッコミどころは山ほどある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月18日
ここら辺は檻であり息苦しさだろう。去るのは既定路線だ。
まぁあこのブランド獲得は彼女に残された数少ないリソースなので、ここで譲られて終わりじゃああまりにも残忍過ぎる。きららがあこと対峙し、自分の幼さに向かい合うチャンスも激減するしな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月18日
ローラが譲られたブランドと向かい合い、エルザのDisに反論するエピソードはまた別にあるだろう。多分。
とまれ、負けたからこそ体現できる優しさと強さを、ローラが幹部服で見せてくれたのは良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月18日
一期で選び取った立ち位置から見える景色、果たすべき責任。そういうものにちゃんと繋がるステージに、後輩を立たす。桜庭ローラと、彼女が隣りにいる虹野ゆめにしか出来ない仕事だった。立派だ。
こういう感じで、凡人だからこそ受ける傷の痛み、それを知るからこそのプライドと優しさをじわじわ積んでくれると、一期との連続性もあってスターズらしい良さが出る気がする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月18日
『普通』だからこそ描けるものに、今回のエピソードはかなり接近していたのではないか。
今回弱者が見せた矜持を、パワーポリティクスの体現者VAがどう受け止め、どう変化していくのか。VAの強い正しさを、四ツ星がどう吸収するか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月18日
二期の軸になりそうな部分が鮮明になった、いいエピソードだったと思います。『弱肉強食』だからエルザが肉喰い続けてるところとか、結構好きよ。