月がきれいを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月18日
時系列・話数順にまとめていく、ワリとオーソドックスな総集編。
1/6に圧縮しても(したからこそ)サッカリンのように甘く、レモンのように酸っぱい。モゾモゾ蠢きながら青春を歩いて行く小太郎くんと茜ちゃんが、どうにも眩しい回であった。
筋書きを確認し、来週からの千夏の嵐に備える意味もあるが、むしろ省略された部分を脳内で保管していくことで、このアニメの強みを確認していた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月18日
メインストーリーを追いかける時に切り落とされてしまう部分にこそ、このアニメ独特味わいが色濃くあるのだなぁ、と思ったのだ。
そういう部分の一つは家族・家庭の描写で、彼氏彼女だけに焦点を当てていては切り取れない『家』の暖かさ、ありがたさ、重たさ、面倒くささを、本編は大事にしているのだな、と思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月18日
家と学校以外に社会を持てない中学生にとって、恋と同じくらい大事な場所をちゃんと描いているのは、やっぱ良い。
安曇家と水野家、それぞれの間取りや生活習慣、構成要素、家庭内のルールが個別の肌触りを持っているのも良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月18日
『家』という入れ物(であり中身でもあるもの)の個別性をちゃんと描き分けることで、二人の青春がそれぞれ個別であり、恋によって重なり支え合っていく不思議に体温が宿る。
もう一つは『間』であり、感情が動き出す前段階の言葉のないシーン、主人公たちが一人称で見ている世界を視聴者と共有する場面だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月18日
絵的にもストーリー的にも動きが少ないので、総集編ではどうしてもカットされてしまうが、どっしりと回すシーンのきめ細やかさがやはり、作品世界を支えている。
神社を参拝したり、新宿まで電車に乗ったり、何気なく外を眺めたり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月18日
日常の一コマを圧縮せず、ありのままに感じさせるシーンをゆったり流すことで、ありふれた(しかしどこにもない)青春を過ごしているキャラクターの見ている世界が、視聴者の中で着陸地点を探す時間が生まれる。
聞いた薫りを鼻腔の中で膨らませるように、含んだ美酒を味わうときのように、楽曲の余韻をミミの中で転がすときのように。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月18日
ストーリーもキャラクターも物語内部で静止し、しかしゆったりと呼吸している時間を長く描くことで、作品のテイストは視聴者の中で何倍にも膨らみ、豊かになる。
この話は、いわば『余白』を大きく取ることで、描き込むよりも大きな表現力を手に入れている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月18日
『余白』を切り取り、『本体』を繋ぎ合わせるしかない総集編を見ることで、そういうことを再確認させてもらった。やっぱ僕は、絵空事が僕の中で広がって、仮想現実としての硬さを手に入れる瞬間が好きだ。
無論、今回まとめられた『本体』も思春期な微細な振幅、身の丈の範囲で行ったり来たりする恋がギュッと詰まっていて、心揺れる仕上がりだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月18日
オーソドックスな恋愛撃の骨格を、怠けず磨き上げているからこそ、馥郁たる余韻が存分に広がる足場も確保できるのだろう。
見返してみて気付くこともたくさんあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月18日
編集者と比良くんが並ぶことで、両方『助言してくれるんだろうけども、致命的に心の核心からズレてる』存在になってたり。
再執筆に挑む小太郎と、告白爆弾を落とす千夏を重ねることで、『負けるために戦う』青春ファイターとしての意味合いが共有されたり
ワリと1話の中で上がり下がりを解決してきたアニメなので、先週のヒキはかなりの爆弾。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月18日
そこでの総集編は如何なものか…と思いもしたが、見てみるととても良いものだった。描かれたもので本筋を整理し、描かれないもので、作品の強みを確認もできた。
足場を固めてさて、次回は爆心地である。
時間がない総集編にも、千夏が『他人のアイスを食べちゃう子だぞ!』というのを見せるシーンはちゃんと入っていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月18日
『ちょっとだけ』と言いつつ半分以上バックリいってるモンスターが、どれだけ無邪気なアギトで暴れるのか。初心なカップルは嵐にどう立ち向かうのか。来週が楽しみだ。